

昨夜一夜を明かしたのは松阪市の郊外にある道の駅「茶倉の駅」
夜は殆ど利用する者も無くセンサー付きの灯りは動かない限り真っ暗
気味が悪い程、静かな場所だ
しかし夜が明ければ一変する
何処か南欧風な建物に茶倉の茶畑が一望される高台だった

意外に開店が早かった道の駅で特産物の伊勢茶を土産に購入し早速、茶畑へ
未だ新芽は吹かないがお茶の香りがムンムンと漂う広大な茶畑だ
韓国の様な斜面では無く平地を利用しているので全体図は写せなかったが
群馬では見られない景色は私を大いに満足させた
茶畑を後に松阪市へ向かう途中「白猪山登山口」の立札発見
「どうしよう」
「登ろうか」
即決、私達は少し先の神社でUターン


石組みの棚田が有る大石町谷地区が登山口らしいが道は狭く車を停める場所が無い
近くに御夫婦が居たので尋ねると
「駐車場所は下の寺の境内に皆さん置いてる様ですよ
何なら家の庭に置いて置きなさい」
何と言う幸運
しかも、このお宅は村の一番高い場所
お礼に昨日購入した赤福餅を食べて頂く事にした

裏の畑で採れたというハッサクを有り難く頂戴し、いざ出発
桃や桜、菜の花、椿、キブシの花を愛でながら進むと程なく登山口の標識を見た




更に進み花も消え見るべきものも無くなった山道にヒョッコリ現れた滝
無名だが落差4・5mは有るだろうか
その少し上には茶畑が、そして古めかしい石の標識が
おや?罠も・・・
白猪山の名の通り此処は猪の住処と言う事なのだろうか


登山道とは言え歩む道は舗装路だ
最初の登山口から約20分、第二の登山口標識を右に入ると漸く登山道の体裁を整え始める

鼻からの急坂
今日の好天も加わって汗が吹き出した
この山は100m毎に標識が立てられているので励みにはなるが辛い急な斜面はずっと続く

未だこの先もズッと続く

しかも掘割り状で歩きにくい

周りは檜ばかり、展望皆無


疲労困憊の私に「この先、もっと急になりますよ」と言って下って行った登山者が恨めしい

ヨシイクゾウ

こんな物でも無いよりは気休めになる
でも、これは何?


漸く六合目
ちょっと開けたピーク、二の山と言うそうだ
が、同定できないのがもどかしい
近くには白猪山石尊大権現を祀る社が鎮座していた

先行者の後を追い再び急坂に挑む

なんだ坂こんな坂 だが




上から何度も来ていると言う登山者が下りて来た
この山が伊勢三山の一つで有る事
古くから信仰の山として崇められている山である事等々
白猪山について色々語ってくれた
こんな休憩タイムは本当に嬉しい
因みに局ヶ岳、掘坂山、そして白猪山を伊勢の三山と呼ぶのだと言う



行く手に大きな木
そこから少し先に枝っぷりの良い松の大木
山頂か?
違いました、山頂はもう少し先

着いた―\(^o^)/
10時40分入山 12時45分山頂着 標高差540m
白猪山は地味な山だ、しかし先ほど聞いた「伊勢三山の一つ」が喜びを深めてくれる

他に登山者が居れば望む山々の同定も可能だったのだろうが、さっぱり分からない
後に知る所によると空気が澄んでいれば意外と大きな富士山が見えるそうだ
さて、お昼
ウソ! 持って来た水物はアクエリアス
これではラーメンは作れない
食料と言うと戴いたハッサク、サラミのみ
私はハッサクでお腹は満たせたが雄さんはどうだったのか
またまた失敗の巻だ
攻め合えば気まずくなるだけ、折角の登山が台無しになる
お腹の虫だけを怒らせておけばそれで良し・・・と
知らぬ内に時間が過ぎていた

多分、一生忘れられない白猪山
そろそろ下りる事にしましょうか

見た目以上に危険な崩落地を慎重に・・・

急坂に苦しんだ分、下りは早い
14時15分には最初の登山口に到着
降って湧いた登山だったが登って良かった白猪山だった
続く
