新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

Swearword論

2019-05-13 14:31:03 | コラム
沢尻エリカの”Oh, shit!”:

折角swearword論をここまで述べて参りましたので、前回の解説の中で説明不足だったかと心残りだった掲題の件を詳しく説明させて下さい。先ず、前回の説明をそのまま再録して、その後で補足させて頂きます。

私が好んで採り上げる使用例に「沢尻エリカの“Oh, shit!”」がある。彼女は「別に」だったかの一言で評判が悪くなって語学留学と称してアメリカに逃げた。その留学から帰って来た時に成田空港で記者たちに追い回されて逃げる際にハンドバッグを落としてしまった。そこで出た台詞が“Oh, shit!”だったというわけだ。言わば「あーれまー」とでも嘆いたのだろう。

しかしながら、ここで“shit”が出てきたので解ることは、先ずアメリカに行く前にというか学校では「swearwordについて何らの教育を受けていなかった点」である。だが、これは断じて彼女の責任ではないと言いたい。私がこれまでに知り得た限りでは、大学でもこういう言葉について教えていないことが明白だったのだから。もしも、学校で教えられたと言われる方がおられたら是非お知らせ願いたい。

そこで、次に解って来ることが重要なのだ。それは、何も彼女だけに限ったことではないと思うが、swearwordがいきなり出てきたということは「彼女はその程度の階層の者から英語を教えられたのか」あるいは「彼女がアメリカ接していた連中がそういう低い階層に属する者たちが圧倒的に多かったのか」の何れかだったと読めるのだ。既に説明した通りで、例えばアッパー・ミドルかそれ以上の家庭に育った者とか、一流企業に勤務する者たちの間では、少なくとも公式の席上では絶対にと言って良いほどswearwordは使わないものなのである。思うに、彼女はアメリカで使っていたので、この時にも無意識に"shit”が出てきてしまったのだろうと思う。

更に言えることは、swearwordが言うなれば「禁句」であると知らなかった人たちには、例えば”It is warm like hell, today.“*1だとか”What the hell is going on here?”*2などという表現を聞くと、無邪気に「格好良い」と思ってしまい「自分もそのうちに真似て使ってみよう」となってしまうようなのだ。この辺りは”you know“をやたらに挟んでしまうのと似た現象で、”you know”も矢張り一定の階層以下で多用されるとは知らず、真似ることになってしまうのだ。要するに、”you know“は「貴方が有能である」という証明にはならないと知るべきだ。

注:*1は「今日はなんてくそ暑いんだ」で、*2は「一体全体ここで何をやってやがるんだ」とでも訳せば良いと思う。