新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月3日 その2 Irish Timesより

2020-05-03 14:31:22 | コラム
アイリッシュ・タイムス 4月25日号より:

先日、ワシントン州のL氏が送ってくれたこのアイリッシュ・タイムスの記事は非常に興味深いものだった。だが、余りに長く且つやや難解なので和訳して紹介するのを保留してきた。だが、昨日SM氏からの便りの中で触れてしまったので、せめて冒頭の所だけでも何とか日本語にして「感じ」だけでも味わっていただこうと思った次第。その内容はかなり手厳しいアメリカとトランプ大統領に関する批判なので「アイルランドではアメリカをどのように見ているか」との一旦を読み取っていただければ幸甚である。実は、訳しておきながら、自分でも「下手だな」と痛感している。

>引用開始
アイルランド・タイムス 4月25日号より

筆者:フィンタン・オトウール

世界の諸国は今日までにはアメリカを愛し、嫌悪し、羨んできたのだった。だが、今やこれまでになかったことで「アメリカは哀れである」と、言うなれば見下すようになってしまった。


しかしながら、大方の豊かな民主主義国家においても芳しくないことが起きているし、アメリカは気の毒な状態にあるのだと思わざるを得ない。2016年の選挙の際にはそれほど多くの人がトランプ氏に一票を投じた訳ではなかった。だが、この悪意に満ちた自己陶酔者は、アメリカ市民を新型コロナウイルスから守る替わりに、多くの死亡者を出してしまったのだ。トランプ大統領が「再び偉大にしてみせる」と約束したアメリカは、その歴史上最も哀れむべき国となってしまったのだ。

アメリカはこの恥ずべき事態にあって、その威信を再び取り戻せるのだろうか?アメリカには新型コロナウイルスの感染が始まったときには、計り知れないほどの優位性があったのだ。即ち、アメリカは今後如何なる状況になるかと予告できたはずの余裕が数週間もあり、世界最高水準にある多くの医学と科学の専門家を抱えていたし、有効に活用できる豊富な財政力があり、世界最高の物資等の管理・輸送能力を持つ軍事力を保有していたのだ。それにも拘わらず、アメリカを全世界における疫病の大流行の中心地にしてしまった。

アメリカのジョージ・パッカー氏が最新の「アトランテイック誌」に寄稿しているように「アメリカ合衆国はパキスタンかベラルーシのような見かけ倒しのインフラと、政権の無能な指導者の為に、現在のような苦境から脱出できずに喘いでいる」のである。

自然災害に直面して政府が無能になってしまうことと、権力が現実に意図的に悪意を以て復讐してやろうとなっていくのは、全く別な現象である。政府が(恰も多くの国の政府が大なり小なりそうだったように)失態を演じることと、支配者とその支持者たちが積極的に致命的なウイルスを撒き散らしてしまうのも全く異なる現象だ。トランプ大統領とルパート・マードック氏が率いるフォックスニュースがこの疫病のベクトルの中心となってしまった。(以下略)
<引用終わる

外出自粛生活の中で

2020-05-03 10:36:52 | コラム
5月2日の出来事:

「今日一日くらいは外出もなく何らの出費もないだろう」と密かに期待して、午後の3時頃にノンビリとPCに向かって“Irish Times”の4月25日の記事のせめて冒頭だけでも紹介できればと、久し振りにアイルランド人の小難しい英語の和訳に挑戦していた。ところが、世の中は良くしたもので、永年頼りにしていた電子辞書に「電池が切れる」との表示が出てきてしまった。ならばと手持ちの電池の在庫を調べれば、何とこの辞書用の単4だけがなかった。そこで止むを得ず一旦作業を中止して、向かいの小型スーパーに行く以外の選択肢がない羽目となった。

天気予報では25度だったかに達するとされていた外は確かに暑かったし、太陽の光が眩しかった。すると、上空からヘリコプターではないエンジンの音が聞こえてきたのだった。もしやと見上げれば、矢張りジェット機が羽田空港の方に向かって飛んでいた。「テレビのニュースではあれほど多くのANAとJALのジェット機が所狭しとと駐機している最中に、未だ飛んでいるのか」とやや意外な感すらあった。無事に電池を買って帰る時にはもう1機が飛んでいた。「一体何処から飛んできて、どれほどの乗客がいるのかな。航空会社はさぞや苦境にあるだろうな」などと考えてしまった。

更に我がアパートの裏手に回ってみると、丁度山手線の外回りが走ってくる場面に出会った。外からでもハッキリと見えたことは、車内には1人の立っている人がいなかったこと。それが走り去ると、次には内回りも来たが、これもジッと注目すると座っている人も立っている人も見えなかった。思い出してみれば、3月から今日まで全くJRの電車を利用していなかったし、都バスにしても3月24日に国立国際医療研究センター病院の往復で乗ったのが最後だった。小池都知事に“Stay home”など知ったかぶりの英語で指示されずとも、当方はチャンと自粛していたのだった。

本日のことになってしまうが、先ほどもフジテレビでは例によって橋下徹氏がここを先途とばかりに西村康稔大臣を攻め立てていた。だが、相変わらず彼は「糠に釘」状態を堅持して、橋下氏に如何なる言質をも与えなかった。責任重大な西村氏の安全第一の姿勢も解らないではないが、彼は担当大臣としてもっと明確に出来る出来ないではなくて「何をやっていく決意か」と「国民に何を求めて、この難局と共に乗り切ろう」かくらいは言って欲しいのだ。難局に立ち向かう姿勢を見せて欲しいのだ。

例えば、彼の直轄の事項が否かは知らないが「パチンコ業者に厳しく自粛を求める」くらいのことを言ってもバチは当たらないのではないのか。敢えてカタカナ語で言えば「リーダーシップが欠如している」のだ。橋下氏が「雇用調整助成金だったかの申し込みの書類と手続きは、平時の法律であるから複雑過ぎるのを是正したら」と投げかけても、結局は何ら明確なことを言わずに逃げ切ってしまった。昨日も指摘したが、尾身茂副座長を差し置いても、あのプリゼンテーションを買って出るくらいの心意気が欲しいのだ。あれでは国民はついていかないよ。