テレビ局は感情的すぎる:
新型コロナウイルス制圧対策と言うべきか、特措法による自粛の要請が始まって以来、テレビでは運営が成り立たなくなる危険性が極めて高いと称して、食堂、レストラン、居酒屋等々が自粛営業により存続の危機に直面しているという類いの報道を連日のように採り上げている。特に一時は「居酒屋」というか、私は「飲み屋」だと思っている業種の苦境と、その対応策をこれでもかとばかりに採り上げてきた。既に述べたように、私には縁が皆無の業種なので「大変なのは解るが感情的だな。消えてしまえばマスコミ人も誰でも不便になると言いたいのか」程度の関心事だった。
そうは言うが、私は決して無関心だと言っているのではない。既に採り上げたが、日本大学危機管理学部の先崎教授が指摘されたように「コロナウイルス制圧後には世の中がどのように変わってしまうかは現時点では予測できない」のであって、制圧に時間がかかればかかるほど我が国の独特の文化で寧ろ歴史的な慣習に近いとすら思うことがある「5時過ぎたから一寸一杯」と言って皆で酒酌み交わして語り合い楽しむ為の機関(存在?)が消え去ってしまうかも知れないのだとは思う。これは車社会のアメリカやヨーロッパにはあり得ない風習である。
であればこそ、テレビ局を中心にしたメデイアがその存続の危機に接して、感情論に走るのは理解はできる。だが、彼らの採り上げ方は私には過剰にしか見えてこない。私がこれまでに何度か採り上げた英語の表現に“They are not making the things happening.”というのがある。無理に日本語にしてみれば「居酒屋や飲み屋が我が国の経済を支えているのでない」とでもすればお解り頂けると思う。これに対して端的で解りやすい例を挙げておけば「昨日の豊田章男社長のトヨタ自動車の決算発表をどのように聞くか」であろう。
トヨタの売上高は約30兆円だ。国家予算と対比した場合にどれほどの比率になるか考えて欲しい。GDPの何割を占めるかを考えて欲しい。来期の利益予想は対前年比△80%ほどだ。我が国の経済にどれほどの影響を与えるかなどは考えるまでもあるまい。他の解りやすい例では、ANAもJALも政府に数千億円の資金援助を求めているではないか。多くの百貨店は小池都知事の先走った自粛要請を受けて食料品売り場以外は休館したではないか。売上高が数十パーセント減少したではないか。ビジネスの世界では昇給も無きが如きで失業者は増えているではないか。
一方では鎖国状態の時代となって「インバウンド」とやらに依存してきた業種は困窮しているではないか。輸出も輸入も滞っているではないか。内需に依存してきた我が国の経済は停滞の止むなきに至ったではないか。こういう“We are making the things happening.”の柱だった経済と産業界が苦境に立たされているのは可哀想ではないのか。感情論を向ける先を誤って貰っては困るのだ。経済が立ち直ってから、始めて居酒屋や娯楽の業界が追随するのだと私は考えている。スポンサー企業を応援するのがマスメディアの務めではないのかな。
新型コロナウイルス制圧対策と言うべきか、特措法による自粛の要請が始まって以来、テレビでは運営が成り立たなくなる危険性が極めて高いと称して、食堂、レストラン、居酒屋等々が自粛営業により存続の危機に直面しているという類いの報道を連日のように採り上げている。特に一時は「居酒屋」というか、私は「飲み屋」だと思っている業種の苦境と、その対応策をこれでもかとばかりに採り上げてきた。既に述べたように、私には縁が皆無の業種なので「大変なのは解るが感情的だな。消えてしまえばマスコミ人も誰でも不便になると言いたいのか」程度の関心事だった。
そうは言うが、私は決して無関心だと言っているのではない。既に採り上げたが、日本大学危機管理学部の先崎教授が指摘されたように「コロナウイルス制圧後には世の中がどのように変わってしまうかは現時点では予測できない」のであって、制圧に時間がかかればかかるほど我が国の独特の文化で寧ろ歴史的な慣習に近いとすら思うことがある「5時過ぎたから一寸一杯」と言って皆で酒酌み交わして語り合い楽しむ為の機関(存在?)が消え去ってしまうかも知れないのだとは思う。これは車社会のアメリカやヨーロッパにはあり得ない風習である。
であればこそ、テレビ局を中心にしたメデイアがその存続の危機に接して、感情論に走るのは理解はできる。だが、彼らの採り上げ方は私には過剰にしか見えてこない。私がこれまでに何度か採り上げた英語の表現に“They are not making the things happening.”というのがある。無理に日本語にしてみれば「居酒屋や飲み屋が我が国の経済を支えているのでない」とでもすればお解り頂けると思う。これに対して端的で解りやすい例を挙げておけば「昨日の豊田章男社長のトヨタ自動車の決算発表をどのように聞くか」であろう。
トヨタの売上高は約30兆円だ。国家予算と対比した場合にどれほどの比率になるか考えて欲しい。GDPの何割を占めるかを考えて欲しい。来期の利益予想は対前年比△80%ほどだ。我が国の経済にどれほどの影響を与えるかなどは考えるまでもあるまい。他の解りやすい例では、ANAもJALも政府に数千億円の資金援助を求めているではないか。多くの百貨店は小池都知事の先走った自粛要請を受けて食料品売り場以外は休館したではないか。売上高が数十パーセント減少したではないか。ビジネスの世界では昇給も無きが如きで失業者は増えているではないか。
一方では鎖国状態の時代となって「インバウンド」とやらに依存してきた業種は困窮しているではないか。輸出も輸入も滞っているではないか。内需に依存してきた我が国の経済は停滞の止むなきに至ったではないか。こういう“We are making the things happening.”の柱だった経済と産業界が苦境に立たされているのは可哀想ではないのか。感情論を向ける先を誤って貰っては困るのだ。経済が立ち直ってから、始めて居酒屋や娯楽の業界が追随するのだと私は考えている。スポンサー企業を応援するのがマスメディアの務めではないのかな。