新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月28日 その2 我が国では何故感染者も死者も少ないのか

2020-05-28 15:50:21 | コラム
アメリカやEU圏内とウイルスの質が異なるのでは:

私は以前に「アメリカとヨーロッパで猛威を振るっている新型コロナウイルスは、既に彼の地では変異しているのではないか」との感想を述べたことがあった。また、武漢(中国)型やアメリカ型、という具合に時を経るに伴って、強力なウイルスになって行ったという説も聞いた記憶もある。何れにせよ、フォーリンポリシー誌が指摘したと聞く「妙な制圧策の成功」が我が国にはあったのかも知れない。私は今日ここまで抑え切れていることは非常に有り難い事であり、感謝すべきだと思っている。だが、その感謝の対象が専門家会議かどうかは、遺憾ながら不明である。

例によって何処のテレビ局だったか記憶していないが、専門家という方が「アメリカであれほど感染者も死者も多いのは、少数民族というか不法移民を含めた無保険の下位層の存在が」という意味の事を指摘していた。これは、多少アメリカの実情を知る者としては「大いにあり得る事だな」と感じて聞いていた。それはそれで良いとして、我が国では清潔好きな民族であり、専門家会議なるものが言うように手洗い、マスク着用、うがい、消毒、素直に自粛要請に従うとの国民性等々だけで、ウイルスの感染を防ぎきって、死者を最小限に抑えられるのかという疑問は残るようだ。

マスコミは何かと言えば「医療崩壊」の危機を騒ぎ立てるが、私は事態は未だそこまでの事にはなっていないと思っている。そんな事よりも、私は「我が国の医療の質の高さ」をこそ認めて誇るべきだと思う。それに国民皆保険制の有難味を再認識しても良いと思っている。それだけではない。多少なりともアメリカの医療の異質さを経験した者としては、我が国のお医者様たちの高度な技術というか「質」を認識すべきだと思っている。「またアメリカを持ち出すか」と言いたい向きは、ご自身でアメリカに行って、自分の言葉で医者に訴えて診て貰えば良い。

最後に言っておきたい事は、これも何時何処で聞いたかも記憶がないが、矢張りテレビに登場された専門家が「我が国で感染している人たちの半数近くを外国人が占めている。だが、何故か我が国の中ではこのことを公にしてはならないようなのだ」と控え目に語っておられた。ここ新宿区百人町に住んでいる者としては「なるほど、そういう事は大いにあり得るだろうな」と思わずにはいられなかった。既に何度も指摘したが、この界隈を我が物顔で歩き回っている彼等が「緊急事態宣言」を承知しているかも疑問だし、我々ほどの清潔感を持ち合わせているかという話だ。

現に新宿の感染者数は世田谷区に次いで2位の座を確保している。まさか政府は何千万人だったかの外国人観光客の誘致に励んだ結果が、多くの外国人の感染者を発生させたのだとは認めたくないのではなかろうな。それでも、区内に住民登録がある外国人は中国人を最多として4万人で、区全体の感染者は400名強であるから、比率は1%に過ぎない。その内訳が知りたいものだ。


病院、医院、クリニックの経営難

2020-05-28 10:32:04 | コラム
苦境に立たされているかとは想像していたが:

昨27日のTBSの「報道1930」の「緊急事態宣言の解除でも病院に迫る6月危機」は、私から見れば好企画だった。それは、今月は22日に東京山手メデイカルセンター、25と26日には国立国際医療研究センター病院に通ったので、この大病院の中が如何に閑散としているかを目の当たりにしてきたので「こんな状態で良いのかな」くらいのことは考えていた。また、何処のテレビで観たかは記憶もないが、所謂専門家の方が「現在までの所では経営状態が芳しくない病院がかなり多くある」と指摘したのが印象に残っていた。

実際に25日には国立の採血室では私が取った番号は、既に採血が終わっているようになっているほど、患者が少なかった。26日は会計が閑散としていて会計票を提出すると「自動支払機で準備が出来ていますから」と言われて、待ち時間がなしで支払いが終わってしまったほど来院者が少なかった。流石に勘が鈍い私ですら「これはただ事ではないのかも」と痛感させられた。平時ならば自動支払機の順番待ちには20~30分を要するこの病院でこの状態では、他の病院はどうかと思いやられた。

報道1930での解説を聞いていると、正確に記憶していないが病院経営協会だったかの会長の井口氏は「コロナウイルスの患者を受け入れた病院も、受け入れていない病院も来院する患者が激減して4月から赤字経営となり、5月も同様な状況なので、このままに推移すれば6月には本格的な経営の危機が襲ってくる危険性が高い」と述べておられた。この経営の問題は何も大病院だけのことではなく、リモート出演された個人の開業医の先生も「患者は60%ほどの減少だし、アルコールの在庫も後何日分かしかないというような経営は危険水域」と慨嘆しておられた。

私は既に採り上げたことだが、32年間の掛かりつけのクリニックでは女性の医療事務員3名と看護師さん1人が「いつ何時ウイルスに感染した患者さんが来るかも知れない危険性」を理由に4月上旬で一斉に退職され、S医師が一人で大奮闘というか大苦戦で一人で切り回しておられる。この事態が示すことは、大病院であれ開業の医師のクリニックであれ、一般の人には「病院等は新型コロナウイルスがそこいら中に飛び交っている危険な場所とでも思い込まれていること」だと思う。私にはこのクリニックも大病院も恙無く診療を続けて頂きたいと心から願うものだ。

ところで、総額118兆円だったかの第2次補正予算を見ると、医療従事者に20万円を支給するとあった。この予算そのものは結構だと思う。だが、これだけでは焦眉の急となってきつつある病院の経営の危機の救済策にはならないと思う。以前にも専門家会議には属しておられないお医者様が病院と個人の開業医の先生方の経営悪化問題を採り上げて「第1次の補正予算の中のような少額ではなくもっと思い切った救済策を講じて貰わないことには医療は崩壊してしまうかも」と痛烈に訴えておられた。

私には2次補正の細目など解らないが、安倍内閣が新型コロナウイルスを世界が不思議がるほど見事に抑え切れたのが医療従事者の功績であると称えられるのであれば、財務省が何と言おうと医療機関の赤字補填のみならず、マスクは兎も角必需品の医療器具やアルコール等を診察や手術が遅滞することがないように生産させるか、中国からでも何処からでも手配して、お医者様たちが危機を訴えることなどないように気配りをすべきではないのか。大蔵省出身の加藤勝信厚労相には、それくらいの手当てをしてもバチは当たらないと思うが、如何か。

マスメディアにしたところで、私がここでいくら喚いても、相も変わらず毎日毎晩「何処の飲み屋が解除されて喜んでいるとか、有名なレストランがお持ち帰りの営業を開始しても、宣言前の1割ほどの売り上げにしかならずに苦労している」という質の低い情緒タップリの感情論ばかりを流している。偶には松原耕二に倣って「我々が杖とも柱とも頼りにしている病院が経営難に喘いでおられるのをお救いしよう」というニュースでも流したらどうだ。クラウドファンディングでライブハウスが危機を脱したなどと、嬉しそうに報道するなという意味だ。見ている方向が違うだろう。