新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

カタカナ語排斥論者の嘆きと怒り

2020-03-24 07:41:03 | コラム
河野太郎防衛大臣も批判していたというではないか:

カタカナ語排斥論者の私としては、新型コロナウイルス問題発生以来国会、閣僚、専門家、有識者たちが、余りにも英語擬きのカタカナ語を意識的か、あるいはそれが言葉の誤用であることをご存じてない為か、恣意的に乱用されるのを非常に嘆かわしい傾向だと思って憤慨している。何度も指摘して来たことで「英語教育を小学校の3年から開始する愚挙を敢えてしてまで、我が国民の英語能力を高めよう」としている最中に、出鱈目なカタカナを偉い方が使ってどうすると言いたいのだ。

昨日、河野太郎防衛大臣がその乱用振りを窘めたとの報道があったそうだが、遺憾ながら私はそのニュースを見損なった(聞き損じた?)のだった。だが、「善くぞ仰って下さった」と歓迎したいのだ。既に指摘したことで、「クラスター」、「オーバーシュート」、「ロックダウン」、「チケット」、「コロナ」、「アスリート」等々枚挙に暇がない次第だ。私は特に酷いと敢えて非難し批判したいのが尾身茂専門家会議副座長様だ。重複するが敢えて言えば「あの記者会見でオーバーシュートやロックダウンなどと言うカタカナ語をお使いになる必然性などないのでは」なのだ。

「オーバーシュート」の使い方のおかしさも既に採り上げたが「感染者が爆発的に増加」という意味は“overshoot”にはないのだ。昭和大学の二木教授が指摘された「感染者が推定を上回って急増した」と言われたいのならば、そう言われれば良いだけのことで「通り過ぎる」とか「(予算を)使いすぎる」という意味しかない“overshoot”を持ってこられた意図が解らない。「ロックダウン」だって同様だ。私が本気で疑っているのは「英語を知っていることを衒っているだけで格好と箔付けか」という点。私はこれが正しいかどうかを何れアメリカの元同僚と上司に尋ねてみようと思案中だ。

もっとイヤな現象はマスコミが「オーバーシュート」を真似て使うのは仕方がないが、英語をご存じのはずの小池都知事までが平然と「オーバーシュート」と「ロックダウン」を使っておられた現象。こんな事をなされば、罪なき一般大衆と英語をおかしな我が国の教育で学んでこられた方々は「そうだ。これだ」と思い込んでしまうことだ。私は私以外に誰も尾身茂副座長様のこれ聞けがしの英語擬きのカタカナ語をお使いになったことを批判しないのは不思議だと思っていた。河野太郎防衛大臣がどの言葉を批判されたか知らないが「良く言って下さった」と歓迎するのだ。

「チケット」も以前から槍玉に挙げておいたが「入場券で何が悪いのか」なのだ。それに“ticket”を何で「チケット」とするのか。「何故チャンと『テイケット』と言えるように教えておかないのだ」と英語教師の方々に伺いたいし、カタカナ語製造業者にもその根拠を問い質したい。「コロナ」もそうなると危惧していたらそうなってしまった。「コロナ」だけでは新型コロナウイルスの意味にはならない、“corona”とは「光冠;(太陽・月の光環)」とジーニアス英和にある。これを「英会話」などで使っても先ず通じないだろうよ。

もうこれくらいで良いだろう。私が主張したいことは「漢字なり平仮名などを使って正しい日本語の表現を捨て去って、まがい物の如何にも英語風のカタカナ語を乱用するのを止めろ」の一点である。これを強く言っておきたいのだ。それは総理までもが平然と「アスリート」などと言われるのは情けない限りだからだ。何故「運動選手」ではいけないのだ。総理自らがカタカナ語の乱用に走られては如何ともし難いではないか。同時に尾身茂専門家会議副座長様にも猛省を促したい。事態はカタカナ語を使って悦に入っている場合かということ。



2018年の世界の紙・板紙の統計

2020-03-23 12:09:00 | コラム
上位175ヶ国の合計ではマイナス成長だった:

紙パルプ産業界の調査機関であるアメリカのRISIから、2018年の世界の紙・板紙の諸統計が発表された。20年3月の今頃になって2018年の統計の発表かと思われる向きもあるかと危惧するが、これは容易ならざる作業で、例年今頃出てくるものであり、私はリタイア後もこの統計の発表を待ちわびているのだ。

私にとって寧ろ意外だったのは「上位175ヶ国の合計は4億1,972万トンと対前年比△0.4%だったこと」か。それは、先進工業国ではICT化の大波に揉まれて印刷媒体の衰退が続いているので、紙類の需要が漸減するのは止むを得ないと思っていたからだ。だが、新興国の成長ではそのマイナス成長を補えなかったようだったのだ。

生産量の上位10ヶ国を挙げていけば、中国が第1位だったことは変わらなかったが生産量は1億996万トンと対前年比△5.0%のマイナス成長だったのだ。RISIは中国の人口を13億8,468千万人としていた。2位はアメリカで7,206万トンで対前年比△0.3%となっており、人口は3億2,925万人となっていた。3位が我が国で2,607万トン。4位はドイツで2,267万トンで対前年比△1.0%、5位がインドで1,521万トンで対前年比+12.9%、6位がインドネシアの1,247万トンで対前年比+5.3%、7位は韓国で1,153万トンで対前年比△0.5%、8位はブラジルの1,055万トンで対前年比△0.3%、9位にはフィンランドが来て1,054万トンで対前年比+2.6%、10位はカナダで1,018万トンで対前年比+1.5%となっていた。

因みに、11以下はスウエーデン、イタリア、ロシア、フランス、スペイン、メキシコ、タイ、オーストリア、ポーランド、トルコとなっており、台湾が21位で、UKは22位となっていた。

次は、私が個人的に最も興味がある、各国の人口1人当たりの消費量である。嘗てはこの値がその国の文化・文明の発展の度合いのバロメーターとされていた。だが、世界的なICT化というかデイジタル化の発展と普及により、今や先進国ほどその値が減少する傾向にあるのだ。更に、世界最大の生産国となった中国では恐らく世界の何処の国よりもICT化が進んでいるようなので、この数値は意外なほど低いのだ。

ここでの第1位は引き続きベルギーで293.3 kgで対前年比△3.7%、2位は3位から上昇してきたドイツで245.8 kgで対前年比△2.6%、3位には2位から下がったスロベニアで245.1 kgで対前年比△6.5%、4位には前年同様にオーストリアが入って236.4 kgで対前年比+0.2%、5位がアメリカで214.6 kgで対前年比△0.4%、6位が我が国で201.8 kgで対前年比△3.6%、7位が韓国で193.5 kgながら前回の8位から上昇したが対前年比△0.4%、8位はフィンランドで187.1 kgで対前年比△5.5%、9位はオランダで178.9 kgで対前年比△2.1%だったが、前年の10位からは上昇、10位はニュージーランドで178.1 kgで対前年比△5.0%と順位を一つ落としていた。

11位以下はイタリア、台湾、チェコ、ポーランド、デンマーク、スウエーデン、カナダ、オーストラリア、スイス、となっていた。世界最大の生産国である中国は79.5 kgと対前年比では成長していたが、アメリカの37%で、我が国との比較でも39%に止まっていたし、30位のハンガリーの102.3 kgにも及ばなかった。要するに、この他国との差をどう考えるかだろうと思う。因みに、全世界の平均は56 kgであり、175ヶ国中でこの数値を上回っていたのは54ヶ国に過ぎなかった。問題はこれからも紙・板紙の需要は減少が続くのかということ。

参考資料:紙業タイムス社刊 FUTURE誌 20年3月23日号


私の密かなつぶやき

2020-03-23 07:28:35 | コラム
トランプ大統領は「安倍総理が決める」と言われたが:

元JOC参事の春日良一氏は繰り返して「オリンピック憲章には中止も延期もない」とあると言われていた。私はその発言は「全てを決めるのはIOCである」という啓蒙的(なのだろう)な指摘だと思って聞いていた。但し、春日氏は「憲章を委員の3分の2の同意を得れば改正出来るので、延期も中止も可能」とも指摘しておられた。他にこのような発言をする専門家もいないので、春日氏が言っておられたことが正しいのだろうと信じるしかないように思える。即ち、安倍総理には何らの決定権はないということになるのではないだろうか。

私のつぶやきは「IOCも春日氏もトランプ大統領に訂正をお願いする気でもあるのかな」ということだ。だが、事態は延期の方向にあるかのような報道だ。ではあっても、IOCの態度は曖昧なままだ。それでも「アスリートファースト」なのだろうか。


3月22日 その2 「働き方改革」の効果は

2020-03-22 14:20:40 | コラム
テレウワーキングでは実質的減給になるのでは:

私がアメリカの会社に移ったのは1972年だったから、もう48年という半世紀近くも前のことになってしまった。そのような昔の給与体系と、21世紀では態勢が変わっているのかも知れないが、当時は言わば組合側から会社側に移って役職が付いた時点で、時間外手当(残業料)は貰えなくなっていた。私の記憶は曖昧だし会社によって異なるようだったが、確か課長代理になった時点で時間外手当は貰えなくなったと思う。であるから、役職者となった時点では人によっては、実質的な減俸という事態が発生していたという記憶があった。

現代では電通の女性社員のお気の毒な例が生じて以降、安倍内閣は「働き方改革」を推し進めてこられた。この世には何事でも「コインの裏表」があるもので、勤務時間や残業時間の制限を設けた事による「コインの裏側」が出てきたという事例が幾つか報道されていた。そこに今回の新型コロナウイルスに対する感染防止策で、安倍総理からは企業にも自粛が要請され、「テレウワーキング」(言いたくはないが「テレワーク」は言葉の誤用だ)も実施され自宅勤務が増えたそうだし、一層の深刻化が懸念される景気対策も、あれこれと検討されつつあるようだ。

一般的に懸念されていることは「テレウワーキングによる会社員の実施的収入減であり、時間外手当が大幅に減ることによる手取りの減少」のようだ。私には良く解らないことは、会社側は自宅勤務にすることでその分を減俸にするのかという疑問と、時間外手当が減少するのは全社員ではなく、我々が往年自嘲的に称していた「ノンタイトル」の社員だけの問題はないのかという点だ。私が思うには「経営担当者たちは既に不況の色濃き現時点では、何とかしても給与を減らそうとしているのではないか」としか見えない。自分たちの至らなさの責任を社員に転嫁する気かという疑いだ。

しかも、その圏外にいる私には実行されているのかどうかも良く解らない「春闘」でも、トヨタ自動車ですらベースアップ?(労働組合員だった経験がない私には、未だにこれが何を意味するかが良く解っていない)を回避したという慎重さであるようだ。トヨタですらその有様では「昇給により可処分所得が増えて個人消費が云々」などという事態はあり得ないとしか思えないのだ。不況が来るからと言って緊縮するばかりが、経営担当者の務めではないと思うのだ。だが、こんな事を言っても無駄だろうと思わざるを得ない、近年の経営者の劣化ではないのか。

私が安倍総理と政府に心から望みたいことは「小出しの継ぎ足し方式の不況対策ではなく、規模を思い切って大きく採った施策を考えて欲しい」のである。国の規模と経済のスケールが違うとは申せ、トランプ大統領が対策として打ち出される金額は桁が違うようにしか思えない。願わくは「これをやってみたら効果が薄かったので、これならどうだろう」というような小出し/継ぎ足しの対策ではなく、どっしりと構えて、「エッつ。そこまでやるのですか」と国民が驚くような対策を打ち出していたければ良いのにと思っている。お願いしますよ。


新型コロナウイルスによる不況対策を考える

2020-03-22 10:39:35 | コラム
現金給付か減税か:

超後期高齢者としてはトランプ大統領が言われたような所得税減税が、最も望ましいと思っている。それと言うのは、なけなしの年金からあれほどの所得税を源泉徴収するのは、本当に怪しからんと常日頃から不満に思っていたからだ。実際の所、ここ2年ほどの間は非耐久消費財で必需品だと思っている、靴下も含めた下着を巣鴨とユニクロで、スニーカー某商社の大安売り会で買ったことと、医療費・薬品代以外にはお金は使っていないのだ。だから、4人か3人に1人とか言われている高齢者は一向に出費しないので、内需が盛り上がらない一因になっていると思っているのだ。

そこに、新型コロナウイルス(予想した通りで、マスコミも一般大衆も政治家も誰も彼も「コロナ」としか言わなくなった。またかと思われるだろうが言いたいことを言えば、これで通じてしまうのが怖い。“corona”だけではウイルスの意味にはならない)が襲ってきて、今やエコノミストも評論家も専門家も、もう既に始まっているとしか見えない大型不景気への対策を、あれやこれやと論じ始めている。その点では、昨程までフジテレビで放映していた橋下徹氏が主役のようだった討論会には非常に興味深いものがあった。

橋下氏は「消費税減税」をかなり強く要望するような姿勢で甘利明氏に迫ったが、甘利氏も然るもので何を言われても「何故出来ないか」を言葉巧みに述べるだけであり、何事でも決定権は総理にしかないと言って明言を避けていた。そこで、フジテレビは現金給付となった場合の使途を視聴者に問いかけた。答えは50%が生活費に回すで、娯楽と貯蓄がそれぞれ25%となっていた。これでは景気対策にはなっていないと思わせたし、麻生副総理の「10年前だったかの現金給付の時には、景気浮揚に25%以しか貢献しなかったと記憶する」との回顧談に符合してしまった。

そこで、エコノミストの市川氏は「現金給付は景気のこれ以上の悪化を食い止めることか、または景気浮揚を目指すのかを明確にしておく必要がある」と応じたが、調査の結果では「食い止め策でしかない」と早くも判明しまう結果だったのではないのか。橋下氏は「コロナ」発生以来、方々のテレビ局に登場されて、言わば「継ぎ足し方式ではなく思いきった大規模対策を講じるべし」との主張を繰り返してきた。だが、後手後手方式乃至は継ぎ足し方式しか考えられない政府と財務省には、一向に考慮して貰えないようだ。

虚しい気がするなと思わせられることを一つだけ挙げておく。それは、政府はフリーランス(何故ここではカタカナ語が出てくるのだろう)の人たちに無担婦・無利子の融資をと言っていた気がする。そこで早速区内の区役所に問い合わせてみた人が言うには「確かに融資はあると言われたが、最早何日か先までの予約で一杯だったし、整えねばならない書類だけでも面倒で複雑で半分以上諦めてしまう気分だ」との嘆き節を聞かせてくれた。橋下氏もこの手続きの面倒くささと融資までに要する長期間も問題を指摘していた。こんな事で景気対策と言えるのだろうかと思って聞いていた。