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モスクワで行われたノンフィクション・ブックフェア

2009-01-01 | ラジオ
2008年11月26日から30日の5日間にわたって、モスクワで地元のインテリ
たちに人気のブックフェア・ノンフィクションが行われた。
今年はノンフィクションフェアが始まって10年目の節目に当たることから、
殆どあらゆる分野の質の高い、より刷新された知的な書籍が集まっている。
この模様をロシアの声・日本語課の記者は次の様にリポートしている。
このノンフィクション・ブックフェアの組織者たちは、年を重ねるごとにプログ
ラムの趣向を凝らし多様なものにしてきた。
開催10年目の今年のフェアは、書籍見本市の枠を超えたものになっている。

膨大な種類と数のオーディオ書籍、18世紀から19世紀に出版された貴重な
書籍のオークション、世界各国のドキュメンタリ映画などのデモンストレーショ
ン、またそれをテーマにした本などが並び、それを買いに来た子連れのお客
さんたちには、子どもをおとぎの話の主人公に預けてきて、ゆっくりと見学する
ための子ども広場が設けられた。

夥しい数の新刊本のプレゼンテーションが引っ切り無しに行われる一方で、作
家とはさまざまなテーマでディスカッションが展開され、なかには最も差し迫っ
たテーマである「インターネットは本に代わる存在に成り得るか」という討論も行
われている。

ここでブックフェアのメンバーの一人である、トロホロワさんは次の様にコメントし
ている。
「情報を保存するものとしての書籍という存在は、人類が生み出した素晴らしい
発明だ。様々な新しい技術が生まれるなか、すでに10世紀以上に亘って(?)との
競争を潜り抜け、堂々たる位置を守ってきているが、私自身は今後もそうあり続
けるだろうと思っている」
トロホロワさんは、この様に語っている。

今年のノンフィクション・ブックフェアでは、世界22カ国の340の出版社からの出展
があった。
その中で児童文学に焦点を当てた出展を行ったフィンランドが、今回の名誉ゲスト
となったが、私達は日本の本が置かれているコーナーを覗いてみることにした。
昨年同様、日本の書籍はカバーの印刷が鮮やかで、表紙に並ぶ漢字が謎めいて
見える。
盆栽アート、和食の作り方、知的なカタカナ、知的な平かな、また日本の武道、広
辞苑の新刊本など、日本語英語で書かれた書籍が人々の関心を受けている。
そうしたコーナーの中心には日本の書籍卸大手のブースがあり、日本語本を輸入
するロシアにおけるパートナー企業を募集中という看板が出ている。
この出版社の代表者はロシアの声からのインタビューに対し、日本の本の購入を
希望する人はインターネット販売の、Amazon.jpが実施しているために購入は可能
であるものの、直接輸入する書店がまだモスクワには無いため我々は探している
と、そのように語ってくれた。
また今年は漫画だけではなくヤング・ファッションなどの雑誌も持ってきて展示して
いるとのこと。

さて最後にこのブックフェアで、最も注目を集めた書籍を取り上げるとすれば、やは
り今年亡くなったアレクサンドル・ソルジェニーツィンの伝記だろう。
この伝記は作家が存命中に出版されたもので、執筆者が貴重な資料を集めソルジ
ェニーツィン氏、また家族と対談を重ね書き上げた。
この本ではソルジェニーツィン氏の人生で起きた、あまり知られていない事実や、作
家が亡くなる寸前の出来事が多く折りこまれている。
尚、この伝記は今年の文学賞「偉大な本」の第三位に輝いた。

(?)は聴き取れず

太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 ハヤカワ・
ノンフィクション


エレン・ラペル・シェル
早川書房


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2008年12月1日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル