アメリカでは次期大統領のオバマ氏が、今月20日の就任式を前にワシントン
入りした。
新政権が引き継ぐことになる、アメリカを取り巻く状況に付いて、ロシアの声の
評論委員は次の様に解説している。
現在アメリカではオバマ氏の就任準備の様子が、一挙手(?)に至るまで報道
され注目を集めている。
確かに興味深いことではあるが重要なことは別にある。
多くの観測筋はオバマ氏がリンカーンやワシントン、ルーズベルトやケネディ
など歴代大統領に付いての文献を研究していると伝えている。
新大統領はこの厳しい金融経済危機の状況下で、アメリカを根本的に変革す
る大統領となるかも知れない。それはまた国のイメージを、しっかり落としてし
まった外国政策に付いても言える。
アメリカ民主党のハリー・リード上院議員は1月4日、NBCテレビの番組に出演
した中でブッシュ大統領を史上最悪の大統領と批判した。
ブッシュ氏の国内政策が招いたものによって、現在世界中が被害を被っている。
また国際舞台でも現政権は、これと並ぶ大きな失敗を犯した。
パレスチナのガザ地区ではイスラエルによる攻撃の犠牲者が、年末以降500人
を超えているが、攻撃がアメリカ現政権の同意を受けたものであることは素人で
も判る事で、大きな失望を招いてきたアメリカの外交を締めくくるものとなった。
またイラクで死亡した数十万の人々は、アメリカ式の民主主義を植えつけようと
した、軍事作戦の犠牲者と言える。
このイラクではテロや暴力が全く弱まっていない。さらにアフガニスタン情勢に関
しては、大統領の側近ですらNATOの活動が日に日に苦戦を強いられるようにな
っていることを認めている。
アメリカを最大の脅威と考える人々が、アラブ諸国を中心に多数居るという社会
調査も驚くべきことではない。
NATOやラテンアメリカといった、同盟国との関係も拗れてきている。
一方、対ロシア外交という点から振り返ると、アメリカの政策は一方的で、しばし
ば敵意に満ちたものだった。
多くの人にとって冷戦時代を想起させられるものだ。
アメリカは先ず1972年にソ連との間で結んでいた、弾道弾迎撃ミサイル制限条約
から脱退し、ロシアの提案を無視しポーランドとチェコにMDを配備しようとしている。
またロシアの反対にも関わらず、NATOを国境付近まで拡大してきている。
核軍縮のプロセスも停止してしまっている。
今月20日に就任するオバマ氏は、ブッシュ政権の残した負の遺産から脱せなけれ
ばならない。
それは簡単なことではないだろう。
しかしロシアはメドヴェージェフ大統領も、一度ならず言及しているように利益の関
わる全ての分野で、アメリカと対等かつ互恵的、建設的な協力の用意がある。
※ (?)は聴き取れず
 | ゆがんだ黒人イメージとアメリカ社会―
ブラック・メイル・イメージの形成と展開
アール・オファリ ハッチンソン明石書店
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1月7日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル