1010 Radio

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徐々に国内での騒乱が静まりつつあるキルギス

2010-04-11 | ラジオ
キルギスの臨時政府代表団はモスクワで社会的、経済的に極めて困難な状態にある、キルギスへの援助問題に付いての交渉を開始する。
代表団長を務めるのはアタムバヤフ氏で、臨時政府では第一副首相を務めている。
臨時政府は前指導部の政策に反対する、大衆抗議行動の波に乗って野党勢力が樹立したものだ。

同時に首都ビシケクには、すでにキルギスもメンバー国である集団安全保障条約機構の代表者たちが、新しい権力当局およびキルギスの主要政治家達と、交渉するため到着した。
代表団はキルギス国内の状況を分析する考えで、状況正常化に向けた組成案を準備することになっている。

尚、その後そうした提案は今年、集団安全保障条約機構の議長国であるロシアによって検討される見込みだ。
キルギスでは臨時政府によって9,10日が今週(先週)に発生した、野党治勢力支持者と治安当局との衝突で亡くなった人々を追悼する喪の日となっている。

最新の情報では騒乱事件の結果、75人が亡くなり1500人以上が負傷した。
複数のマスコミは、今も首都ビシケクの状況は、かなり緊迫していると伝えている。
ビシケクではここ数日、商店やオフィスからの略奪が相次いでいる。
臨時政府は警官隊に対し、もし略奪者達が武器を持って立ち向かってきた場合には発砲しても良いとの許可を与えた。
また住民の間で自主的に組織された自警団が街の治安を守る、決定的な支えとなっている。
その結果、状況を若干安定化させることが出来、乱暴狼藉を働く若者達を街から追い出すことことに成功した。

さて法律的に認められたバキエフ 大統領はビシケクを離れ、現在キルギスの南部におり、8日には沈黙を破り外国のマスコミに向けての、初めての声明を発表した。
そのなかでバキエフ 大統領は生じている出来事に、影響を及ぼすことは出来ないと、自ら認めたうえで敗北を認めることを拒否し、臨時政府側と交渉する用意のあることを明らかにした。

政治学者たちのなかには、バキエフ 大統領と新政権を形成している野党勢力との間の対立が、キルギスの内戦を齎す可能性があるのではないかと見る向きもある。
とは言えバキエフ 大統領が原則的に支持を期待できるのは、ビシケクでの騒乱の後に逃れた共和国の南部だけだ。
しかしまた別の見方を取る専門家も居る。
CIS研究所副所長は次のように述べている。
「9日夜の間に内戦が勃発するという可能性は急激に低いものとなった。
何故ならバキエフ 大統領は事実上、報復に力を貸してもらえるような抵抗勢力作りに成功出来なかったからだ。
つまりバキエフ 大統領の下には単に抵抗する力が無いのだ。
それ故、新政権が抱える現在の大きな問題は内戦ではなく、市民的平和の回復であり、略奪者や暴徒たちとの闘いだ」
CIS研究所副所長は、このように指摘している。

中央アジア地域の地政学的利益は異なるとは言え、ロシア政府もまたアメリカ政府も、キルギス情勢の平和的な調整に関心を抱いている。
専門家のなかには完全な内戦は、キルギス国内にロシア軍部隊が駐留していることから避けられるだろうとの意見を持っている。

おまけに9日、キルギスに居住するロシア市民の家族、また外交代表部の安全を保障するため、すでにロシア軍の空挺部隊がキルギスに派遣されている。

4月9日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル