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ASEAN、新たな中国の奇跡を行うためのトランポリン

2013-09-09 | ラジオ
中国はASEANのポテンシャルに頼り、新たな中国の奇跡を起こそうとしている。また貿易と経済協力は南シナ海の諸島をめぐる紛争緩和のツールに使う構えだ。
モスクワ国際関係大学政治学部のアレクセイ・ヴォスクレセンスキー学部長は、エキスポ「中国・ASEAN」の開幕で中国国務院のリ・ コクキョウ総理が行った演説にこのようにコメントした。
包括的な経済パートナーシップについての交渉を開始し、自由貿易圏を拡大し、中国、ASEAN間の金融投資プラットフォームを創設する。この目的は2020年までに最高で1兆ドルの相互取引額を達成することにある。

リ国務院総理のこの発案はタイ、シンガポール、ベトナム、ミャンマー各政府の最高指導部の出席する場で明らかにされた。
ヴォスクレセンスキー政治学部長は、リ政府が中国とASEAN間の協力のロードマップを形成したとの見方を示している。ヴォスクレセンスキー政治学部長は、中国はまさにASEANとの貿易経済相互関係を強化することで、南シナ海の係争諸島におけるフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイとの妥協策を模索する構えだとして、次のように語っている。
「島は自分らのものだと主張し、軍の配備にまで踏み切った場合、経済上のうまみは何も得られないことは分かり切っている。この地域では不信感と軍事的対立が膨れ上がるだろうし、こうした緊張は経済成長を妨げるだけだ。中国は領土紛争を建設的に解決する試みがなされることをこれによって示した」
政治学部長の発言だ。

昨日(3日)、リ総理は南シナ海における中国の立場を再度話し合うため、中国・ASEAN貿易投資サミットの会場を選んだ。中国は、歴史的事実と国際法を敬うことを基盤に、領土問題を友好的な懇談によって解決する方法を模索する構えだ。
この上で中国は、この地域における活動を活発化させる。係争水域にあるスカボロー礁付近には、コンクリートブロックを積んだ3隻の中国の湾岸警備艇が出現し、フィリピンの憂慮の念を呼んだ。フィリピンの国防相はこの事態を受け、最初は水中に石を投入し、そのあと海底に杭を打ち込み土台を作る。この状況を追跡しなければ、われわれがこの場所に戻るまでの間に、要塞の軍備隊が現れてしまうだろうという声明を表した。

中国はこれに対し、アメリカがフィリピンに置こうとしている事実上の米軍基地の建設に憂慮の念を表している。フィリピン政府はアメリカの軍事プレゼンスの拡大が、自国の国益にかなうものであることを隠そうとはしていない。これは南シナ海における中国との領土問題の高まりを背景に、国防上の可能性の拡大戦略の一部をなしている。

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9月4日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル