Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『インビクタス 負けざる者たち』

2010-02-12 16:36:14 | 映画
クリント・イーストウッド監督の最新作、
『インビクタス 負けざる者たち』を観てきました。
実話を映画化した物語です。

南アフリカで、27年間刑務所に入れられていた
ネルソン・マンデラは黒人初の大統領になりました。
人種隔離政策・アパルトヘイトを撤廃して、
厳しい対立にあった、白人と黒人をどうまとめていくかが課題でした。
そんな中、南アでラグビーのワールドカップが開かれることをマンデラが知る。
代表チームは弱体化しており、「南アの恥」とまで言われている。
そんな代表チーム、そしてキャプテンのピナールに、黒人と白人の融和への糸口を
マンデラは作りだそうとする。

アパルトヘイト時の白人たちはよっぽど黒人にひどいことをしてきていたようですね。
このへん、社会科の教科書で学生時代に習ったような記憶もあるんですが、
もうほとんど覚えていない。
黒人のセリフに、おれたちは殺されたりしたんだ、みたいなのもあります。
そうとう虐げられていたのでしょう。そんな中、黒人にも参政権があたえられて、
黒人のマンデラ大統領が誕生するわけですが、そこで白人たちはそれまでの
仕返しがあるはずと恐怖を感じるみたいなんです。
官僚の間でさえ、マンデラが大統領になったときに職を辞するように言われるだろうと
先に考えて荷物をまとめている白人たちが多々いる。
そこまでの行動や思考をするくらいの仕打ちを黒人たちにしてきたんですねぇ。
白人の残酷さっていうのが垣間見えます。

とはいえ、この物語は復讐の物語ではなく、和解の物語です。
いかにしてアパルトヘイトの撤廃から、それまでの慣習や雰囲気などを払拭しようと
試みられてきて、それがどうなったのかっていうのが、この映画をみるとわかります。
わかります、とはいっても、それは映画だからかなり演出されているんだろうなぁ
と見受けられるところはありますが、人々の感情面や人間関係のベクトルが
転換されたんだろうなぁというのはわかるし、それは事実だったのではないでしょうか。

映画の序盤から、マンデラ氏の懐の深さには「すげぇな」って、
深い呼吸をさせられるところもありました。
まだ存命中で、91歳を超えているそうですが、生ける伝説、生ける偉人ですな。

今年は南アでサッカーのW杯がありますが、
まだ治安が良くないとか言われていますよね。
アパルトヘイトが無くなったときに少年だった子が、いまはアラサーだとかに
なるんでしょう。そういった人たちが、マンデラ大統領が誕生した時の感激を
忘れずに、南アに還元していくと、もっと南アはよくなっていくでしょうね。
どうなんだろうなぁ、白人と黒人の関係のその後っていうのは、
抑圧され続けてきた黒人たちのうっ憤がまだ晴らされきっていないから
治安が悪いことになっているのかなぁ。
そのへん、調べてみるとわかるのかもしれませんが、
今日はひとまずこのへんで。
Comments (2)
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