読書。
『メールはなぜ届くのか』 草野真一
を読んだ。
メールが届くまでの工程や仕組みをたどりながら、インターネットやコンピュータってどういうものなのかを学べる本。
地球の裏側からでも、瞬時にメールは届きます。物理的に途方もない距離をどうやってこちらまでやってくるのか。回線の性能面、つまりどのくらいのデータ量が1秒でどのくらい進むかというような記述はありませんでしたが、コンピュータ同士でどうリレーしていくかというようなネットワークの仕組みについて知ることができます。コンピュータ同士で繋がるために必要な取り決めを「プロトコル」といい、サイトのアドレスでおなじみの「HTTP」やサイトを作るときに必要なファイル転送で使う「FTP」などの「P」の文字がそのプロトコルのことなのでした。
ネットワークでは光ファイバーなどの物理的な面がまず基盤にありますが、その次の段階にあたる機器上で設定するもののいちばん基礎にあたるのがIPです。これもプロトコルです。「IPアドレス」のIPですね。つまり、ネットワークを理解するのはプロトコルがその要点なのです。
そういった「今さら聞けない」ような、基本でありながら「知る人ぞ知る」的なインターネットの知識を本書から得ることができます。それも平易な文章なのですらすら読めますし、トピックの噛み砕き方だってほどよく親切でしたから、小学生から大人まで楽しんで読める仕上がりになっているといっていいと思います。
また、パケットに分割してデータは送られ、そして受け取られる、という知識は、僕にはうろ覚えなくらいうっすらとしか覚えていない知識で、今回この本を読むことで記憶の底深くから甦ると同時にくっきり明確になったくらいでした。インターネット誕生の話についても巻末でざっくりと説明されているのですが、冷戦下で軍事目的に作られた、という部分はなにかで読んで覚えていても、それがどう今日のインターネットの「性格」として顕われているのかという視点がすぐれていて、本質的な理解がすすむのです。そのように理解していくことで、よりイメージは豊かになり直感的に把握することができるようになるでしょう。
著者も述べているのですが、今やメールは古い技術です。他にメッセンジャーやLINE、SNSなどが流行していますから、そちらを解説したほうが時代にあうのではないかと考えたそうです。でも、あえてメールの仕組みにしぼったことで、ネットワークやコンピュータそのものについて学べるものを書けた、と。現役の根本技術であり基本技術であるところを知ることができるのです。
本書を起点に、ネットワーク管理者の勉強に向かう人もでてきそうな内容でした。IT雑誌などをたびたび読んだりして独学でパソコンを深めている方などには、その隙間をしっかり埋めてくれるでしょうし、また、断片化している知識を繋ぎあわせて整理してくれる一冊にもなっていると思います。もっと様々な、それも時代の先端の技術を知るのもおもしろいですが、こういった初歩の知識を学んでおくのも悪くはありません。後を考えてみれば、急がば回れ的な一冊にあたるものかもしれないです。
『メールはなぜ届くのか』 草野真一
を読んだ。
メールが届くまでの工程や仕組みをたどりながら、インターネットやコンピュータってどういうものなのかを学べる本。
地球の裏側からでも、瞬時にメールは届きます。物理的に途方もない距離をどうやってこちらまでやってくるのか。回線の性能面、つまりどのくらいのデータ量が1秒でどのくらい進むかというような記述はありませんでしたが、コンピュータ同士でどうリレーしていくかというようなネットワークの仕組みについて知ることができます。コンピュータ同士で繋がるために必要な取り決めを「プロトコル」といい、サイトのアドレスでおなじみの「HTTP」やサイトを作るときに必要なファイル転送で使う「FTP」などの「P」の文字がそのプロトコルのことなのでした。
ネットワークでは光ファイバーなどの物理的な面がまず基盤にありますが、その次の段階にあたる機器上で設定するもののいちばん基礎にあたるのがIPです。これもプロトコルです。「IPアドレス」のIPですね。つまり、ネットワークを理解するのはプロトコルがその要点なのです。
そういった「今さら聞けない」ような、基本でありながら「知る人ぞ知る」的なインターネットの知識を本書から得ることができます。それも平易な文章なのですらすら読めますし、トピックの噛み砕き方だってほどよく親切でしたから、小学生から大人まで楽しんで読める仕上がりになっているといっていいと思います。
また、パケットに分割してデータは送られ、そして受け取られる、という知識は、僕にはうろ覚えなくらいうっすらとしか覚えていない知識で、今回この本を読むことで記憶の底深くから甦ると同時にくっきり明確になったくらいでした。インターネット誕生の話についても巻末でざっくりと説明されているのですが、冷戦下で軍事目的に作られた、という部分はなにかで読んで覚えていても、それがどう今日のインターネットの「性格」として顕われているのかという視点がすぐれていて、本質的な理解がすすむのです。そのように理解していくことで、よりイメージは豊かになり直感的に把握することができるようになるでしょう。
著者も述べているのですが、今やメールは古い技術です。他にメッセンジャーやLINE、SNSなどが流行していますから、そちらを解説したほうが時代にあうのではないかと考えたそうです。でも、あえてメールの仕組みにしぼったことで、ネットワークやコンピュータそのものについて学べるものを書けた、と。現役の根本技術であり基本技術であるところを知ることができるのです。
本書を起点に、ネットワーク管理者の勉強に向かう人もでてきそうな内容でした。IT雑誌などをたびたび読んだりして独学でパソコンを深めている方などには、その隙間をしっかり埋めてくれるでしょうし、また、断片化している知識を繋ぎあわせて整理してくれる一冊にもなっていると思います。もっと様々な、それも時代の先端の技術を知るのもおもしろいですが、こういった初歩の知識を学んでおくのも悪くはありません。後を考えてみれば、急がば回れ的な一冊にあたるものかもしれないです。