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<font size=4>“OJTと顧客管理”   ‘14-8-19 </font>

2014-08-19 03:00:55 | Massy's Opinion

“Opinion ”

☆セールス教育

6月位に成ると新人セールスが配属されてくる。一応、纏まった新人教育を最低一ヶ月位はされてくる。然し、僕の長い経験から言えば、全て教育は、OJT(on the job training)に尽きると思う。これは家庭の教育が大事と言う事と同じだ。長い時間が掛かる。 ・僕も部下を抱えて色んなOJTを考えたが、有る時、あまりに字が下手な子が入って来たので、「ペン習字用をやらせよう」と思って、ノートを買いに行った。これがなかなか売って居る処が無かった。そして、「一日1ページ書いて、朝8時半に僕の机の上に出して置け...6ヶ月続いたら、君のボーナスの採点はBにするよ」これは効果が有ったな。僕は当時課長。部長が「君は良い事をしているな」と褒めてくれた。それを見て隣の課長も始めた。或る時、隣の女子課員が僕の処へ来て、「課長は良いわね...ちゃんと添削してくれるものね。うちの課長はただ見るだけ...気が入らないわ」と言って来た。この時の彼女の顔は未だに鮮明に覚えている。それからが大変...毎朝8時半に遅れられない。前の晩一杯飲んで疲れていても部下との「真剣勝負」必ず添削をする様にした。僕がそんなに字が巧い訳ではない。良い上司に恵まれただけである。上司の顔色を覗いながら仕事をするなんて無かった。前の晩遅くなり、眠くて仕様が無い時、「次長済みませんが昼休みサウナに行きますんで...」行き先だけは明確に話して置いた。有る時、急用が出来て次長がサウナ迄僕を呼びに来た。「お前、サウナに居なかったじや無いか」「増田来ている?」と聞いたら「遅番です。と言われたぞ」「当たり前ですよ僕はお客さんなんだから」「増田さん来ている筈だけど呼び出して...」って言って呉れれば良かったんですよ。本当にあった話。良い時代だったなあ...

・もう一つの部下教育の方法は裸の付き合いをすることだ。或る時、僕と2年位しか違わない個性的な部下が数人配属されてきた。幾ら命令しても議論ばっかり...ある一人は、ヘビースモカーで事務所が汚れて困る。何とか言う事を聞かせる方法は無いものかと考えた結果、丁度、近所にスイミングスクールがあったので、週一回練習に行こうとその連中を誘った。幸い若い連中も行きたいと言うものが出て6~7人でスイミング練習に行った。 これは、本当に裸の付き合い。接触する時間が増えて、色んな話が出来た。信頼関係も生まれ、良い職場に成った。こう言う角度を変えて人を見ると意外な良い部分が見えてくる。 英語の勉強会もやった。話を聞いてほかの部署からも勉強会に来る人間も出て来た。先生は外資系の会社のお客様、ドライバー兼秘書の人が張り切ってやってくれた。これが又、職業ドライーバーの間で、評判に成った。こういう事をやると前任者が採点Cを付けていた子が、凄く良く勉強するので見直した事が有る。

☆顧客管理

 現役時代には聞き飽きた言葉、聞き飽きた部下も多い筈。自己宣伝に成ってしまうが、誤解しないで欲しい。僕の最後の職場「Nifsco」はフリートのお客様を対象にしている戦略的なディーラーだった。 お客様の中心はタクシー会社だ。在社28年大卒で入社し60歳まで働いて、「10000台セールス」が3人いた。3人とも個性豊かで、メーカーの副社長に話して、特別表彰をして頂いた。「10000台÷28年÷12ヶ月=30台/1月」これは実は大変な実績であり、今後はもうこう言う実績を上げるセールスは表れないだろう。自動車は道路運送車両法に定められた面倒な登録業務が有り、一台ずつの登録業務が必要に成る。廃車の抹消登録もある。しかも、お客様の方は営業用だから休車にさせる訳には行かない新車と旧車の同時交換である。大手のタクシー会社では日産一社に統一する訳には行かない。同業他社の車両を下取りすればシェアーは麻雀の点数の+-と同じで倍の効果が表れる。幸い営業車は保有台数が決められているので都内の約5万台の車を全数顧客別、経過年数別、一台ごとにお客様の帳簿価格で管理をしたのである。(経過年数別利益管理)僕が永年考えて居た顧客管理を実践に移した訳だ。勿論、PCを使ってシステムを組んだ。 セールスへの指示は、「あのお客様の、あの車はお客様の簿価は幾ら幾らだからそれに幾ら上乗せして下取りをしますと言へ...」「必ず注文を取って来い」と言う指示を出した。セールスは「販売条件が...」と言う言い訳はできない。お客様も従来とは違う売り込みに始めは戸惑って居た。ミヤンマーへ350台のタクシ-中古車を輸出した時の車集めには大いに役立った訳である。僕は、耐用年数の長い商品の究極の顧客管理はこれに尽きると思う。もう20年前の話だ。今は又システムは変わり声ばかりの「顧客管理」が独り歩きをしているだろう。

・話は変わるが、僕はメガネを買う店は、「イワキ眼鏡店」に決めている。古い老舗店でご存じの方も多いだろう。価格は高目である。扱って居るレンズは、他の眼鏡店であっかって居る物と同じである。当然、顧客台帳等のIT化は進んで居る様だが、眼鏡のフレームの調整に行くと、もう30年前の僕が買った眼鏡の修理データがカルテに記録されている。店員も古い人が多く、先日、僕の持って居る眼鏡10個を纏めて調整に持って行った。応対した店員は手書きのカルテを持って来て、「お客様丁寧に使われていますね」「イワキさん高いからね」「申し訳ありません...」「お宅は前から思って居たんだけれど、「如何して手書きのカルテを使って居るの?PC使って居るんでしょう?」「ええ、勿論使って居ますよ...だけど手書きの方がお客様ご要望のニュアンスが書けるんですよ」もう一つは店員教育が行き届いている。「検眼」の精度が高いのである。「安売り店」で ワイフが眼鏡を買ったけれど、すぐに「度が合わないは、ヤッパリイワキの方が高くても検眼が巧いのね」 と言って居た。フロントの対応が一番である。銀行、証券、自動車ディーラー等で支店長や部署長がフロントへ出て居る処は先ず皆無だ。