イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「アンソロジー 洋酒天国」読了

2008年03月06日 | Weblog
開高健 編「アンソロジー 洋酒天国」読了
洋酒天国というのは1956年から1963年にかけて発刊されたサントリーのPR誌だ。
PR誌としては草分けの存在で当時で20万部の発刊数を誇ったらしい。
この本はその中の記事を抜粋して編集したものだ。
まさしく"大人の本"だ。読みながらなぜか11PMを思い出した。
このテレビが放映されている頃はきっと、大人と子供の境界線がはっきりしていた時代だと思う。
(だから僕たちはぜったに見ることができない番組だった。唯一金曜日の釣りコーナーだけは見せてくれた。そして服部名人がバリバリで若かった。)
子供は大人の世界を不可思議で憧憬の念を持って見ていたし、大人は子供を子供として見ていたはずだ、そしてその境界を乗り越える儀式めいた体験がいろいろなところでおこなわれていたのだと思う。
対して今の時代はどうだろう。11PMがなくなり、カラオケのせいで大人として酒を飲む場所がなくなった。そしてその境界がさだかでなくなり、子供はいつの間にか大人になり、大人は自分が大人になったことに気付かずそんな大人を子供はバカにする。だから怖い存在がなくなった子供たちはとんでもない事件を引き起こす。

とすると、カラオケと11PMの消滅がこんな時代を作ってしまったことになるのだろうか。
僕は社会学者ではないのでなんとも言えないが、あながち間違った考えではないかもしれない。
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