場所:白浜 綱不知
条件:小潮 11:36満潮
釣果:ボウズ
毎年秋の恒例にしたいと思っている、ひとり遠足釣行だ。もともと10月半ばに計画をしていたのだが延び延びになり、今日になってしまった。11月の下旬といえばもうフカセ釣りの季節だと思うのだが、ひとり遠足では紀州釣りが鉄則なのだ。
どうして延び延びになっていたかというと、10月半ばは台風が来たりで天気が悪く、それ以降はほかの釣りが忙しいというまったく身勝手な理由であった。そうこうしているうちに買ったまま一月半ほうっておいたヌカには虫がついていた。
今日は冬型の気圧配置が強くなって船では出られない。ならば陸戦だといういい理由付けになる。
冬に差しかかろうという時期なので紀州釣りをするのは今日が最後のチャンスになる。昨日は気温が高くて今日の朝もそれほど気温が下がらないようなのでヌカを投げるにはちょうどいい。
ただ、風は気になる。一応、田辺方面を釣行場所にと思っていたので以前からいろいろ場所を探していた。「遠足」と銘打っているだけに釣りが半分、遊びが半分なので渡船は使わない。車でのアクセスがよくて釣れそうな雰囲気のところがよい。去年行った場所はあまりいい場所ではなかったのでもっといい場所はないかとネットの情報を探していたら、「綱不知」というポイントを見つけた。「つなしらず」と読むようだが、文字からするとすこぶる穏やかな雰囲気だ。きっと台風や冬の季節風が吹くときにももやい綱が必要ないくらい穏やかだからこんな名前がつけられたのだろう。
そこはどういうところかというと、あの超豪華ホテルのすぐそばだ。
こんな名前が付いている場所だとは知らなかっただけで、この港は昔よく来たところだ。ここには釣り用の筏があり、その当時の上司がこの釣り場が大好きでよく釣りに来ていたのだ。今は営業していないようだが「東白浜の筏」のある場所だった。行くのなら磯に行きたいと思っていたのだが、さすがに上司の意向には逆らえず・・。というところと、それにやたらとボラばかり釣れる場所であったのであまりいい印象は持てなかった。
しかし、今は違う。チヌよりボラを釣りたいのだ。それを総合すると今日の釣行にはうってつけの場所だ。ただ航空写真を見るとかなり浅そうだ。それが心配だが、釣れなければ釣れないでそれはそれでかまわない。なんといっても今日は遠足だから・・。
エサ屋に到着するまで、車の中ではそれほどの風を感じなかったのだが、やはり吹いている。こんな日に釣りに行く人もいないようで、駐車場には僕だけで、エサの解凍をしたカゴは僕の分だけであった。ちなみに、帰りの自動車道はもっと風が強くなっていて、車高197センチの軽自動車は横風をうけてフラフラ揺れる。おまけに直進安定性はまったくないので幼きアナキン・スカイウォーカーがスピーダーでレースをやっている感じになる。
釣り場に到着してみるとここも風が強い。半島状になっているところなので風の当たらないところを探して釣り座を構える。まさしく名前のとおりでこれだけの強風でもなんとか釣りができる。
ここはネットの情報にも載っているくらいだから釣り人はきっと多いはずなのであるが、ゴミがまったく見当たらない。護岸の塀には注意書きがしてあるけれどもここにくる釣り人はよほどマナーがいいようだ。多分、こんなにきれいな釣り場というのは珍しいというか、どこにもないのではないだろうか。気持ちのいい場所だ。
隣にはサビキ釣りをしている釣り人がひとり。釣れないのか、エサを練っている僕に声をかけてきた。チヌ釣りですか?アジでも釣ろうと思っているのですが全然釣れません。とのこと。今日は小潮で満潮は11頃だからあと2時間くらいしたら釣れてくるんじゃないですかと返事をすると、それまでは待ってられない。近くのホテルに泊まっているのでこれから観光しなきゃならない・・。僕も海の近くに一泊するときは必ず釣り具を持っていくけれども、こんなことをしているのは僕だけではないらしい。
おじさんは30分ほどで帰ってしまい、それまでは僕にもアタリがない。横が広く空いたのです少しでも半島部の先端に近づこうと移動。
ここは少し水深がある。だいたい3ヒロと少しくらいだろうか。根掛かりは無いけれども場所によって少しずつ深さが違う。多分ではあるが、田辺特有の砂岩の平べったい磯が続いているのだろう。もっと浅いと思っていたので俄然やる気が出る。
潮もよく動いている。満ち潮なのだが仕掛けは(湾内にしては)かなり早い速度で外に向かっている。多分沖から入ってきた潮が対岸にぶつかってここではその反転流ができているのだろう。これもいい感じだ。ほぼ東向きの釣り座になるので逆光でウキが見づらいのだけれどもときたまアタリがあるし、エサも取られる。
釣れてくる魚はこんな感じ。
メッキまで釣れてくるのだからやっぱり潮の通りはいいようだ。ただ、魚はこれだけ。
さすがに嫌になって午前11時30分に終了。もともと12時には終わろうと考えていたのでほぼ定刻まで頑張ってみたということになる。
この場所はいい所じゃないかと思う。
まず、ゴミがない。これはすばらしい。多分たくさんの釣り人から愛されているからだろう。そして潮の流れもいい。水深も思っていたよりも深い。ボラが山ほど釣れた東白浜のいかだよりも湾口に近い。目の前にはよくクエの子供を釣った高島もある。多分それなりに魚がいるのだろう。イカの墨跡もたくさんあった。
来年はもっと時期と天気を見て再挑戦しよう。
釣りを終えてからは白浜観光だ。
釣り座の近くの海水浴場も風。
円月島も風。
温泉も風。ただし、温泉は寒いほど、風が吹くほど気持ちがいい。ここは露天風呂だから。
千畳敷も風。
三段壁も風。
空港も風。
千葉ナンバーのワンボックスは誰か芸能人でも待っているのだろうか・・。
とれとれ市場も風。
ソフトクリームは350円に値上がりしていた。これは消費増税の便乗値上げだろうか。それとも中国人の足元を見てしまったのだろうか・・。
もう、易々と食えない値段になってしまった。
もう少し訪ねたい場所があったけれども温泉の心地よさにギブアップ。睡魔に襲われる前に白浜を後にした。
今日のおみやげは太平洋とマグロのアラ。
柵に切ったマグロなんてとうてい買えないので加熱用のアラを買って帰って煮てもらおうと思ったのだが、帰ってパックを開けた奥さんが、「こんなん、生で食べられるのと違うか?」と言う。
試しに試食してみると確かに食える。スプーンと包丁を駆使して骨や皮や筋を外して食べられそうな身を取り出した。中トロ風あり、赤身あり、なんだかわからない身ありの盛り合わせができた。
これで今日のひとり遠足はすべて終了したけれども、やっぱり魚が釣れないとなんとも締まりのない遠足なのだ。
条件:小潮 11:36満潮
釣果:ボウズ
毎年秋の恒例にしたいと思っている、ひとり遠足釣行だ。もともと10月半ばに計画をしていたのだが延び延びになり、今日になってしまった。11月の下旬といえばもうフカセ釣りの季節だと思うのだが、ひとり遠足では紀州釣りが鉄則なのだ。
どうして延び延びになっていたかというと、10月半ばは台風が来たりで天気が悪く、それ以降はほかの釣りが忙しいというまったく身勝手な理由であった。そうこうしているうちに買ったまま一月半ほうっておいたヌカには虫がついていた。
今日は冬型の気圧配置が強くなって船では出られない。ならば陸戦だといういい理由付けになる。
冬に差しかかろうという時期なので紀州釣りをするのは今日が最後のチャンスになる。昨日は気温が高くて今日の朝もそれほど気温が下がらないようなのでヌカを投げるにはちょうどいい。
ただ、風は気になる。一応、田辺方面を釣行場所にと思っていたので以前からいろいろ場所を探していた。「遠足」と銘打っているだけに釣りが半分、遊びが半分なので渡船は使わない。車でのアクセスがよくて釣れそうな雰囲気のところがよい。去年行った場所はあまりいい場所ではなかったのでもっといい場所はないかとネットの情報を探していたら、「綱不知」というポイントを見つけた。「つなしらず」と読むようだが、文字からするとすこぶる穏やかな雰囲気だ。きっと台風や冬の季節風が吹くときにももやい綱が必要ないくらい穏やかだからこんな名前がつけられたのだろう。
そこはどういうところかというと、あの超豪華ホテルのすぐそばだ。
こんな名前が付いている場所だとは知らなかっただけで、この港は昔よく来たところだ。ここには釣り用の筏があり、その当時の上司がこの釣り場が大好きでよく釣りに来ていたのだ。今は営業していないようだが「東白浜の筏」のある場所だった。行くのなら磯に行きたいと思っていたのだが、さすがに上司の意向には逆らえず・・。というところと、それにやたらとボラばかり釣れる場所であったのであまりいい印象は持てなかった。
しかし、今は違う。チヌよりボラを釣りたいのだ。それを総合すると今日の釣行にはうってつけの場所だ。ただ航空写真を見るとかなり浅そうだ。それが心配だが、釣れなければ釣れないでそれはそれでかまわない。なんといっても今日は遠足だから・・。
エサ屋に到着するまで、車の中ではそれほどの風を感じなかったのだが、やはり吹いている。こんな日に釣りに行く人もいないようで、駐車場には僕だけで、エサの解凍をしたカゴは僕の分だけであった。ちなみに、帰りの自動車道はもっと風が強くなっていて、車高197センチの軽自動車は横風をうけてフラフラ揺れる。おまけに直進安定性はまったくないので幼きアナキン・スカイウォーカーがスピーダーでレースをやっている感じになる。
釣り場に到着してみるとここも風が強い。半島状になっているところなので風の当たらないところを探して釣り座を構える。まさしく名前のとおりでこれだけの強風でもなんとか釣りができる。
ここはネットの情報にも載っているくらいだから釣り人はきっと多いはずなのであるが、ゴミがまったく見当たらない。護岸の塀には注意書きがしてあるけれどもここにくる釣り人はよほどマナーがいいようだ。多分、こんなにきれいな釣り場というのは珍しいというか、どこにもないのではないだろうか。気持ちのいい場所だ。
隣にはサビキ釣りをしている釣り人がひとり。釣れないのか、エサを練っている僕に声をかけてきた。チヌ釣りですか?アジでも釣ろうと思っているのですが全然釣れません。とのこと。今日は小潮で満潮は11頃だからあと2時間くらいしたら釣れてくるんじゃないですかと返事をすると、それまでは待ってられない。近くのホテルに泊まっているのでこれから観光しなきゃならない・・。僕も海の近くに一泊するときは必ず釣り具を持っていくけれども、こんなことをしているのは僕だけではないらしい。
おじさんは30分ほどで帰ってしまい、それまでは僕にもアタリがない。横が広く空いたのです少しでも半島部の先端に近づこうと移動。
ここは少し水深がある。だいたい3ヒロと少しくらいだろうか。根掛かりは無いけれども場所によって少しずつ深さが違う。多分ではあるが、田辺特有の砂岩の平べったい磯が続いているのだろう。もっと浅いと思っていたので俄然やる気が出る。
潮もよく動いている。満ち潮なのだが仕掛けは(湾内にしては)かなり早い速度で外に向かっている。多分沖から入ってきた潮が対岸にぶつかってここではその反転流ができているのだろう。これもいい感じだ。ほぼ東向きの釣り座になるので逆光でウキが見づらいのだけれどもときたまアタリがあるし、エサも取られる。
釣れてくる魚はこんな感じ。
メッキまで釣れてくるのだからやっぱり潮の通りはいいようだ。ただ、魚はこれだけ。
さすがに嫌になって午前11時30分に終了。もともと12時には終わろうと考えていたのでほぼ定刻まで頑張ってみたということになる。
この場所はいい所じゃないかと思う。
まず、ゴミがない。これはすばらしい。多分たくさんの釣り人から愛されているからだろう。そして潮の流れもいい。水深も思っていたよりも深い。ボラが山ほど釣れた東白浜のいかだよりも湾口に近い。目の前にはよくクエの子供を釣った高島もある。多分それなりに魚がいるのだろう。イカの墨跡もたくさんあった。
来年はもっと時期と天気を見て再挑戦しよう。
釣りを終えてからは白浜観光だ。
釣り座の近くの海水浴場も風。
円月島も風。
温泉も風。ただし、温泉は寒いほど、風が吹くほど気持ちがいい。ここは露天風呂だから。
千畳敷も風。
三段壁も風。
空港も風。
千葉ナンバーのワンボックスは誰か芸能人でも待っているのだろうか・・。
とれとれ市場も風。
ソフトクリームは350円に値上がりしていた。これは消費増税の便乗値上げだろうか。それとも中国人の足元を見てしまったのだろうか・・。
もう、易々と食えない値段になってしまった。
もう少し訪ねたい場所があったけれども温泉の心地よさにギブアップ。睡魔に襲われる前に白浜を後にした。
今日のおみやげは太平洋とマグロのアラ。
柵に切ったマグロなんてとうてい買えないので加熱用のアラを買って帰って煮てもらおうと思ったのだが、帰ってパックを開けた奥さんが、「こんなん、生で食べられるのと違うか?」と言う。
試しに試食してみると確かに食える。スプーンと包丁を駆使して骨や皮や筋を外して食べられそうな身を取り出した。中トロ風あり、赤身あり、なんだかわからない身ありの盛り合わせができた。
これで今日のひとり遠足はすべて終了したけれども、やっぱり魚が釣れないとなんとも締まりのない遠足なのだ。