天野純希 「雑賀のいくさ姫 」読了
前回の「鯖」に引き続きもう1冊、図書館で雑賀崎出身の人たちが主人公の小説を借りていた。
今度の本は時代小説で、「雑賀衆」が主人公だ。今回もさわりだけ紹介したい。
雑賀衆に鶴という孫一の娘がいた。夢は海外に出ること。見たこともないもの、聞いたこともないものを自分自身の体で体験したい。そういう姫様だ。武勇にすぐれ、船を使った戦いも得意である。
そんな姫様が偶然拾ったスペイン人の騎士かぶれをした若者を従えて、同時に手に入れた南蛮船を駆使して宿敵を討つ。
というようなお話だ。時代小説自体が多分こんなストーリーが多いのであろうが、よく言うと何も考えずにスラッと読めてしまう。悪く言うと後に何も残らない。
完全無欠のヒーローたちが仲間と共に苦難を乗り越えて目的を達成する。そこには我欲を捨てた正義のみが存在する。ウルトラマンかアベンジャーズの世界なのだ。
僕が本を読むのは少なくとも何かの知識を少しでも蓄積できないかと思いながら本を選ぶので、自ら進んでこの手のジャンルの本を手に取ることはまずない。この本も、“雑賀”という言葉が入っていなければまずは読むことはなかっただろう。
しかし、雑賀孫一を含め、雑賀一族が登場する小説は司馬遼太郎でも津本陽でも雑賀側の人物はみんな完全無欠だ。史料が少ないのでなんでも書けるという便利さがあるのかもしれないがこの小説はその究極を行っている感がある。(と書きながら、津本陽も大概究極だが・・)
まあ、これはこれで年越しに読むには肩がこらずにいいのである。
前回の「鯖」に引き続きもう1冊、図書館で雑賀崎出身の人たちが主人公の小説を借りていた。
今度の本は時代小説で、「雑賀衆」が主人公だ。今回もさわりだけ紹介したい。
雑賀衆に鶴という孫一の娘がいた。夢は海外に出ること。見たこともないもの、聞いたこともないものを自分自身の体で体験したい。そういう姫様だ。武勇にすぐれ、船を使った戦いも得意である。
そんな姫様が偶然拾ったスペイン人の騎士かぶれをした若者を従えて、同時に手に入れた南蛮船を駆使して宿敵を討つ。
というようなお話だ。時代小説自体が多分こんなストーリーが多いのであろうが、よく言うと何も考えずにスラッと読めてしまう。悪く言うと後に何も残らない。
完全無欠のヒーローたちが仲間と共に苦難を乗り越えて目的を達成する。そこには我欲を捨てた正義のみが存在する。ウルトラマンかアベンジャーズの世界なのだ。
僕が本を読むのは少なくとも何かの知識を少しでも蓄積できないかと思いながら本を選ぶので、自ら進んでこの手のジャンルの本を手に取ることはまずない。この本も、“雑賀”という言葉が入っていなければまずは読むことはなかっただろう。
しかし、雑賀孫一を含め、雑賀一族が登場する小説は司馬遼太郎でも津本陽でも雑賀側の人物はみんな完全無欠だ。史料が少ないのでなんでも書けるという便利さがあるのかもしれないがこの小説はその究極を行っている感がある。(と書きながら、津本陽も大概究極だが・・)
まあ、これはこれで年越しに読むには肩がこらずにいいのである。