先週、都内で開催された、仏ブルゴーニュのワイン生産者メゾン・ルイ・ジャド社 2013年ヴィンテージ バレルテイスティング会 をリポートします。
一部を除き、2013年のブルゴーニュワインのほとんどは今はまだ樽の中で熟成中です。
まだ瓶詰めされていないこれらのワインを樽から取り出し、ひとまず瓶に入れて運んできた見本ワインを試飲するのがバレルテイスティングです。
ワインはフィルターもかけず、安定した状態ではなく、見本品です。
ワイン用語でいえば、プリムール試飲となります。
今そのままの状態で判断するのではなく、将来の姿を予想をしながら試飲する必要があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/75/e06a423419eaf8f0045cec5a50715e86.jpg)
来日したルイ・ジャド社 輸出部長 オリヴィエ・マスモンデ氏 が2013年を解説
「バレルテイスティングの際には、将来のワインのバランスを見越すことが大事」とオリヴィエ氏。
今回のテイスティング会では、合計22アイテムがプリムールとして紹介されました。
白ワイン を試飲しての印象は、すでに完成に近い状態に整っている、ということ。
果実味がほどよく熟し、酸もキレイで、ミネラル感も備えています。
全体的には、デリケートな透明感があり、非常にバランスが取れていて、エレガントな白ワインを好む人には嬉しいスタイルだと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/fc/db07e3fe04ae7c6455609c3068587798.jpg)
ムルソー・シャルム 2013 ―酸の厚みが素晴らしい!
ムルソーは個人的にはあまりチョイスしないのですが、このシャルムの酸は見事!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/ce/38b329f8a1c8c943bfb5ebbcf73d5360.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/ff/c382415d52922e955aaaff8358424a1a.jpg)
つややかでなめらかでエレガントな ピュリニー 1級 クロ・ド・ラ・ガレンヌ
ふっくらいいバランスで、すでにおいしく、食事に合わせたい ペルナン・ヴェルジュレス クロ・ド・ラ・クロワ・ド・ピエール
コート・ドールの方がより繊細に感じます。
プイイ・フュイッセはもう少し厚みがあり、今飲んでも美味しい状態だと感じました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/00/f6328253d92c85fd0c3fbd98c28496b3.jpg)
プイイ・フュイッセ キュヴェ オール・クラッセ“レ・メネトリエール”はミネラルの厚みがあり、輪郭もクッキリとして、非常にいい出来。
赤ワイン に関しては、白ワインよりも一歩も二歩も手前の状態にあるといえます。
果実味がしっかりしながらも上品で、タンニンはまだストイックで閉じています。
クールで、芯がしっかりしたクラシカルな印象も受けました。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/9d/c8292a06882345ef06c8df3aeb03ea86.jpg)
芯のしっかりした、さすがの風格の ルトンGCプジェ
スパイシーさとクラシカルさのある ジュヴレイPCクロ・サン・ジャック
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/48/871d4157ae19c8204f3cbb90da1584b5.jpg)
ボジョレ地区の赤はほぼ完成形に近い状態だと思われ、シャトー・デ・ジャック モルゴン コート・デュ・ピィ などは、果実味豊かでタンニンもきれいで、今すぐにでも飲みたい!と思ったほどでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_winebottle.gif)
そうそう、赤ワインでは 日本初登場 のものが紹介されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/f1/1e277fcb8f58b5fcb6948b67bf5c2bdb.jpg)
ブルゴーニュ ル・シャピトル Bourgogne “Le Chapitre” 2013
ル・シャピトルは、コート・ド・ニュイ地区の北、マルサネ村の北隣に位置するシェノーヴ村にある1.59haの畑で、ルイ・ジャドの経営者であるガジェ家が所有しています。畑の2/3は1953年に植樹されました。
年間450ケースのみ生産する小区画で、格付けはACブルゴーニュですが、畑名(“Le Chapitre”)をラベルに記載することが認められています。
ワインの品質としても、1級クラスの高い評価を受けているとか。
オリヴィエ氏もお気に入りのワインのひとつ、と言っていました。
飲んでみると、果実味が豊かです。タンニンも非常にキレイで、エレガントにスーッと入ってきます。アルコール度数12%と軽やかなのも好印象。このワインならリリース直後にすぐに楽しめそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_wine.gif)
さて、ここでオリヴィエ氏による情報をまとめてみましょう。
【ブルゴーニュ2013年の天候】
冬が長く、春は雨が多く、寒い始まりでした。
そのため、6月末の段階で植物の生育サイクルが例年より3週間遅れの進行となりました。
しかし、7月になると異常な暑さを迎えます。
7月末にはムルソーからアロース=コルトンの村に雹が降り、大きな被害が出ました。
しかし、生育が3週間遅れていたため、回復する時間があったのが不幸中の幸いで、量は少なくなったものの、品質には影響せずに済みました。
夏は比較的涼しく進行しましたが、9月に入ると日照が良くなり、しかし暑すぎなかったため、ほぼ理想的な気象条件となりました。
9月の天候が2013年ヴィンテージを救ったのです。
収穫は10月最初の週にスタートしました。これは過去10年の間で遅い収穫になります。1990年代には10月からの収穫は普通でした。
ということもあり、2013年は、ブルゴーニュにとってクラシカルなヴィンテージになります。
【白ワイン -2013年】
ピュアさな持ち味で、ミネラルも素晴らしく、しっかりした個性あるワインになりました。
アプローチしやすいけれど、10年はもつ酒質となっています。
【赤ワイン-2013年】
ストラクチャーがしっかりし、タンニン分が洗練されています。
果実味がフルーティ&エレガントで、酸もしっかり存在しています。
早いうちから楽しめますが、長期熟成も可能です。
オリヴィエ氏は2014年の解説もしてくれました。
【ブルゴーニュ2014年の天候】
2013年とは違うヴィンテージになった。
6月末、雹の被害がコート・ド・ボーヌの南であり、80%が被害を受けた。
特に、ポマール、ヴォルネイなど。ただし、植物の生育サイクルのはじめの方だったため、ブドウが回復をする時間があった。しかし、コート・ド・ボーヌ地区の収穫量は例年の30%減となった。コート・ド・ニュイに関しては通常の収穫量で、品質もいいものとなった。
夏は暑い普通の夏を過ごし、収穫は9月の第2週にスタート。
2014年は2013年同様に素晴らしい仕上がりのヴィンテージ。
2013年が冷涼な天候で、クラシックな年となったのに対し、
2014年は暑い年だったため、フルーティさがあり、かつエレガントさもある。
2013年と2014年は対極的。
2014年のワインは、今、マロラクティック発酵が終了する頃。
こちらも今から楽しみです。
(輸入元:日本リカー株式会社)
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一部を除き、2013年のブルゴーニュワインのほとんどは今はまだ樽の中で熟成中です。
まだ瓶詰めされていないこれらのワインを樽から取り出し、ひとまず瓶に入れて運んできた見本ワインを試飲するのがバレルテイスティングです。
ワインはフィルターもかけず、安定した状態ではなく、見本品です。
ワイン用語でいえば、プリムール試飲となります。
今そのままの状態で判断するのではなく、将来の姿を予想をしながら試飲する必要があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/75/e06a423419eaf8f0045cec5a50715e86.jpg)
来日したルイ・ジャド社 輸出部長 オリヴィエ・マスモンデ氏 が2013年を解説
「バレルテイスティングの際には、将来のワインのバランスを見越すことが大事」とオリヴィエ氏。
今回のテイスティング会では、合計22アイテムがプリムールとして紹介されました。
白ワイン を試飲しての印象は、すでに完成に近い状態に整っている、ということ。
果実味がほどよく熟し、酸もキレイで、ミネラル感も備えています。
全体的には、デリケートな透明感があり、非常にバランスが取れていて、エレガントな白ワインを好む人には嬉しいスタイルだと思います。
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ムルソー・シャルム 2013 ―酸の厚みが素晴らしい!
ムルソーは個人的にはあまりチョイスしないのですが、このシャルムの酸は見事!
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つややかでなめらかでエレガントな ピュリニー 1級 クロ・ド・ラ・ガレンヌ
ふっくらいいバランスで、すでにおいしく、食事に合わせたい ペルナン・ヴェルジュレス クロ・ド・ラ・クロワ・ド・ピエール
コート・ドールの方がより繊細に感じます。
プイイ・フュイッセはもう少し厚みがあり、今飲んでも美味しい状態だと感じました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/00/f6328253d92c85fd0c3fbd98c28496b3.jpg)
プイイ・フュイッセ キュヴェ オール・クラッセ“レ・メネトリエール”はミネラルの厚みがあり、輪郭もクッキリとして、非常にいい出来。
赤ワイン に関しては、白ワインよりも一歩も二歩も手前の状態にあるといえます。
果実味がしっかりしながらも上品で、タンニンはまだストイックで閉じています。
クールで、芯がしっかりしたクラシカルな印象も受けました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/13/c2cc8d23971c0371dfef77bb2ca5f35e.jpg)
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芯のしっかりした、さすがの風格の ルトンGCプジェ
スパイシーさとクラシカルさのある ジュヴレイPCクロ・サン・ジャック
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/48/871d4157ae19c8204f3cbb90da1584b5.jpg)
ボジョレ地区の赤はほぼ完成形に近い状態だと思われ、シャトー・デ・ジャック モルゴン コート・デュ・ピィ などは、果実味豊かでタンニンもきれいで、今すぐにでも飲みたい!と思ったほどでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_winebottle.gif)
そうそう、赤ワインでは 日本初登場 のものが紹介されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/f1/1e277fcb8f58b5fcb6948b67bf5c2bdb.jpg)
ブルゴーニュ ル・シャピトル Bourgogne “Le Chapitre” 2013
ル・シャピトルは、コート・ド・ニュイ地区の北、マルサネ村の北隣に位置するシェノーヴ村にある1.59haの畑で、ルイ・ジャドの経営者であるガジェ家が所有しています。畑の2/3は1953年に植樹されました。
年間450ケースのみ生産する小区画で、格付けはACブルゴーニュですが、畑名(“Le Chapitre”)をラベルに記載することが認められています。
ワインの品質としても、1級クラスの高い評価を受けているとか。
オリヴィエ氏もお気に入りのワインのひとつ、と言っていました。
飲んでみると、果実味が豊かです。タンニンも非常にキレイで、エレガントにスーッと入ってきます。アルコール度数12%と軽やかなのも好印象。このワインならリリース直後にすぐに楽しめそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/xmas_wine.gif)
さて、ここでオリヴィエ氏による情報をまとめてみましょう。
【ブルゴーニュ2013年の天候】
冬が長く、春は雨が多く、寒い始まりでした。
そのため、6月末の段階で植物の生育サイクルが例年より3週間遅れの進行となりました。
しかし、7月になると異常な暑さを迎えます。
7月末にはムルソーからアロース=コルトンの村に雹が降り、大きな被害が出ました。
しかし、生育が3週間遅れていたため、回復する時間があったのが不幸中の幸いで、量は少なくなったものの、品質には影響せずに済みました。
夏は比較的涼しく進行しましたが、9月に入ると日照が良くなり、しかし暑すぎなかったため、ほぼ理想的な気象条件となりました。
9月の天候が2013年ヴィンテージを救ったのです。
収穫は10月最初の週にスタートしました。これは過去10年の間で遅い収穫になります。1990年代には10月からの収穫は普通でした。
ということもあり、2013年は、ブルゴーニュにとってクラシカルなヴィンテージになります。
【白ワイン -2013年】
ピュアさな持ち味で、ミネラルも素晴らしく、しっかりした個性あるワインになりました。
アプローチしやすいけれど、10年はもつ酒質となっています。
【赤ワイン-2013年】
ストラクチャーがしっかりし、タンニン分が洗練されています。
果実味がフルーティ&エレガントで、酸もしっかり存在しています。
早いうちから楽しめますが、長期熟成も可能です。
オリヴィエ氏は2014年の解説もしてくれました。
【ブルゴーニュ2014年の天候】
2013年とは違うヴィンテージになった。
6月末、雹の被害がコート・ド・ボーヌの南であり、80%が被害を受けた。
特に、ポマール、ヴォルネイなど。ただし、植物の生育サイクルのはじめの方だったため、ブドウが回復をする時間があった。しかし、コート・ド・ボーヌ地区の収穫量は例年の30%減となった。コート・ド・ニュイに関しては通常の収穫量で、品質もいいものとなった。
夏は暑い普通の夏を過ごし、収穫は9月の第2週にスタート。
2014年は2013年同様に素晴らしい仕上がりのヴィンテージ。
2013年が冷涼な天候で、クラシックな年となったのに対し、
2014年は暑い年だったため、フルーティさがあり、かつエレガントさもある。
2013年と2014年は対極的。
2014年のワインは、今、マロラクティック発酵が終了する頃。
こちらも今から楽しみです。
(輸入元:日本リカー株式会社)
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