先日、白ワイン好きの友人らとともに、欧州各地の地場ブドウ品種を中心にした白ワイン会を、神田のフレンチ「リヴィエール」にて開催しました。
スイス、フランス、オーストリア、イタリアの4か国から6種の白ワイン をセレクト。
現地で購入してきたもの、日本未輸入ものもあります。
※輸入されているものは、各ワインの説明に輸入元名を入れます。
Morges 2013 Uvavins-Cave de La Côte(AOC La Côte, Switzerland)
まずはスイスのラ・コート地区のシャスラです。
上品な花の香り、軽やかなアタックが心地よく、食事の最初に飲むのにピッタリ。
透明感があり、繊細なミネラル感があります。チーズを軽くつまみながら。
品種:シャスラ -Chasselas-
シャスラは品種特有の香りや味わいがニュートラルで、土地の気候や土壌をよく表現する品種。フルーティーさ、フローラルさ、ミネラル感があり、繊細で上品、よい酸味がある。よくできたものは長期熟成も可能。レマン湖沿岸のヴォー州ラ・コート地区モルジュ産シャスラ100%。ラ・コートのシャスラは、フローラルなアロマが特徴。
(輸入元:有限会社アルコトレード トラスト)
チーズコロッケ2色ソース ブリー・ド・モーとパテのサラダ
スイスのシャスラに続き、西隣のフランスのサヴォワ地方のワインを2種加え、近隣グループの3種を飲み比べます。
どちらもチーズが名産ですので、チーズを使った前菜を2種出していただきました。
Vin de Savoie Cruet 2012 Domaine de l'Idylle (AOC Vin de Savoie, France)
フランス東部サヴォワの同一生産者の同一ヴィンテージ、品種違いの2本の飲み比べ。
まずは、より軽めのワインになるジャケールから。
少々ピリリとするスパイス感、清涼感があり、とてもみずみずしい味わいです。
ゲヴュルツ的という感想もあり。私は日本酒的な印象も受けました。
パテとよく合います。
品種:ジャケール -Jacquere
仏サヴォワの一般的なブドウ品種。収量が高く、軽い香りの辛口白ワインを産する。
2015年に創業175周年を迎える生産者。低温で長期発酵後、シュル・リーを行ない、春に瓶詰め。若いうちに飲むタイプで、サービス温度は10〜12℃。喉の渇きを癒したり、食前酒、クレーム·ド·カシスなどと。湖や川の魚、貝殻、白身肉、サヴォワ料理(フォンデュ、ラクレット、ジャガイモとチーズのグラタン<タルティフィレット>)などに。
Roussette de Savoie Altesse 2012 Domaine de l'Idylle
(AOC Roussette de Savoie, France)
もうひとつはルーセット。
酸の厚みがあり、ジャケールよりも色がやや濃く、味も濃い!酒質がしっかりしていて、酸とワインのエキス分のバランスがとてもいいワインです。チーズともよく合います。
これは一番好き、という参加者も多く、人気のワインでした。
品種:ルーセット - Roussette(アルテス)
別名アルテスとしても知られるサヴォワの人気品種で、ジャケールよりも優秀とされる。
若くして飲んでも、3-4年以上熟成してもおいしく飲める。サービス温度は10~-14℃。
食前酒、ボーフォールチーズ、シーフード、キッシュ、アスパラガス、湖や河川の魚料理(煮込み、焼いたもの)、フォンデュ、ラクレットなどと。
サヴォワのワイン2種はフランスで直接生産者から入手したものです
さて、ここからが折り返し。
Charming Grüner Veltliner Reserve 2012 Laurenz V. (DAC Kamptal ,Austria)
オーストリアのグリュナー・フェルトリナーです。ミネラルがキリリとし、ペロトルも少々感じますが、硬質なニュアンスと、名前の通りのチャーミングなフルーツ感とのバランスがパーフェクト!すーっと飲みやすいワインです。これは生産者のフラグシップワイン。
品種:グリューナー・フェルトリナー -Grüner Veltliner -
オーストリアの最も重要な固有地場品種。軽やかで酸が中心のワインから熟度の高いものまで幅広く造られ、立地と収量が品質に大きな影響を及ぼす。スパイシーでペパリーなもの、桃、アンズ、ウメ、サクランボ風味のあるタイプが人気。
カンプタールDACでは、ミディアムボディのクラシックなスタイル(フレッシュ&フルーティ)と、濃厚で豊満な辛口のレゼルヴェ(リザーブ)スタイルのグリューナーが規定されている。ローレンツ・ファイブはグリューナーに特化した生産者。
(輸入元:ピーロートジャパン)
真鯛の蕎麦粉クレープ包みフリット 香草タルタルソース
蕎麦粉の風味と香草のタルタルソースが、グリュナーによく合いました。
Müller Thurgau Athesis 2013 Kettmeir (DOC Südtirol, Alto Adige, Italy)
ドイツでは評判がイマイチなミュラー・トゥルガウが、イタリアのアルト・アディジェではどうなるか?を体験していただきました。
冷涼な地域ながら、日照の豊かなアルト・アディジェで育ったブドウは、ミネラル感とフルーツのやわらかさ、華やかさを備え、いいバランスで楽しめる上質なワインに仕上がっていました。
品種:ミュラー・トゥルガウ -Müller Thurgau-
リースリングとシルヴァーナの交配品種。収穫が早く、どこでも栽培でき、リースリングの倍量を生産するため、単調で凡庸、香りの冴えないイメージが強い品種。NZ、米ワシントン州、伊アルト・アディジェでは、充分な果実味と酸を保持したブドウが得られ、ドイツとは違ったスタイルのワイン(ピュアな果実味と透明感のある香り)が生産されている。1919年創業のケットマイアーのミュラー・トゥルガウは、控えめだが、複雑で洗練され、近代的で厳格なワインといわれる。2012年はガンベロロッソの2グラス(赤)を獲得。
伊達鶏と豚ヒレロースト 木のこクリームソース ペンネ ゴルゴンゾーラ
後半のワインに合わせて、濃厚な味わいの料理が登場しました。
木のこクリームソースはやや甘め。
ゴルゴンゾーラソースは塩味が濃いめ。
さて、ワインと、どんなふうにマッチするでしょうか?
Offida Pecorino Le Merlettaie 2012 Ciù Ciù (DOCG Offida, Marche, Italy)
ペコリーノがブドウ品種です。
色は濃く、アルコールも高く、口当たりもなめらかで、エキス分の濃い、パワフルなワインです。
木のこのクリームソースの甘さにも合いますが、塩気のあるゴルゴンゾーラソースの濃厚さとも実によく合い、パスタもワインも進みます。
単独で飲むよりも、食事に合わせると力を発揮してくれるタイプですね。
品種:ペコリーノ - Pecorino-
マルケ州の特産品種。栽培は減少傾向だったが、1990年代に復活。アブルッツオ、ウンブリア、トスカーナなどで見られる。辛口でミネラル感があり、アカシアやジャスミン、時にはリコリスのエレガントでフローラルなブーケを持つ。糖度と酸は高く、アルコールが高めになる。オフィーダはペコリーノ唯一のDOC。マルケやアブルッツオのIGTでは多品種とのブレンドワインもある。ペコリーノチーズとは語源的に無関係。
ミルフィーユ
デザートにミルフィーユ、コーヒーをいただき、これにて宴は終了。
6人で6本。
中には、いいクラスのワインも含まれていますが、今回は、地元の人が普段の生活の中で飲んでいるようなワインを選んでみました。
マニアックに語り合うというよりも、その土地や食卓の風景が浮かんでくる感じを楽しんでいただけたと思うのですが、いかがでしたでしょうか?
ご参加の皆さま、ありがとうございました。またぜひご一緒に
リヴィエールのスタッフの皆さま、今回もありがとうございました。
レストラン ラ・リヴィエール
東京都千代田区神田多町2-2 第三ハヤカワビルB1
Tel.03-3258-1800
facebook https://www.facebook.com/riviere.hayakawa
スイス、フランス、オーストリア、イタリアの4か国から6種の白ワイン をセレクト。
現地で購入してきたもの、日本未輸入ものもあります。
※輸入されているものは、各ワインの説明に輸入元名を入れます。
Morges 2013 Uvavins-Cave de La Côte(AOC La Côte, Switzerland)
まずはスイスのラ・コート地区のシャスラです。
上品な花の香り、軽やかなアタックが心地よく、食事の最初に飲むのにピッタリ。
透明感があり、繊細なミネラル感があります。チーズを軽くつまみながら。
品種:シャスラ -Chasselas-
シャスラは品種特有の香りや味わいがニュートラルで、土地の気候や土壌をよく表現する品種。フルーティーさ、フローラルさ、ミネラル感があり、繊細で上品、よい酸味がある。よくできたものは長期熟成も可能。レマン湖沿岸のヴォー州ラ・コート地区モルジュ産シャスラ100%。ラ・コートのシャスラは、フローラルなアロマが特徴。
(輸入元:有限会社アルコトレード トラスト)
チーズコロッケ2色ソース ブリー・ド・モーとパテのサラダ
スイスのシャスラに続き、西隣のフランスのサヴォワ地方のワインを2種加え、近隣グループの3種を飲み比べます。
どちらもチーズが名産ですので、チーズを使った前菜を2種出していただきました。
Vin de Savoie Cruet 2012 Domaine de l'Idylle (AOC Vin de Savoie, France)
フランス東部サヴォワの同一生産者の同一ヴィンテージ、品種違いの2本の飲み比べ。
まずは、より軽めのワインになるジャケールから。
少々ピリリとするスパイス感、清涼感があり、とてもみずみずしい味わいです。
ゲヴュルツ的という感想もあり。私は日本酒的な印象も受けました。
パテとよく合います。
品種:ジャケール -Jacquere
仏サヴォワの一般的なブドウ品種。収量が高く、軽い香りの辛口白ワインを産する。
2015年に創業175周年を迎える生産者。低温で長期発酵後、シュル・リーを行ない、春に瓶詰め。若いうちに飲むタイプで、サービス温度は10〜12℃。喉の渇きを癒したり、食前酒、クレーム·ド·カシスなどと。湖や川の魚、貝殻、白身肉、サヴォワ料理(フォンデュ、ラクレット、ジャガイモとチーズのグラタン<タルティフィレット>)などに。
Roussette de Savoie Altesse 2012 Domaine de l'Idylle
(AOC Roussette de Savoie, France)
もうひとつはルーセット。
酸の厚みがあり、ジャケールよりも色がやや濃く、味も濃い!酒質がしっかりしていて、酸とワインのエキス分のバランスがとてもいいワインです。チーズともよく合います。
これは一番好き、という参加者も多く、人気のワインでした。
品種:ルーセット - Roussette(アルテス)
別名アルテスとしても知られるサヴォワの人気品種で、ジャケールよりも優秀とされる。
若くして飲んでも、3-4年以上熟成してもおいしく飲める。サービス温度は10~-14℃。
食前酒、ボーフォールチーズ、シーフード、キッシュ、アスパラガス、湖や河川の魚料理(煮込み、焼いたもの)、フォンデュ、ラクレットなどと。
サヴォワのワイン2種はフランスで直接生産者から入手したものです
さて、ここからが折り返し。
Charming Grüner Veltliner Reserve 2012 Laurenz V. (DAC Kamptal ,Austria)
オーストリアのグリュナー・フェルトリナーです。ミネラルがキリリとし、ペロトルも少々感じますが、硬質なニュアンスと、名前の通りのチャーミングなフルーツ感とのバランスがパーフェクト!すーっと飲みやすいワインです。これは生産者のフラグシップワイン。
品種:グリューナー・フェルトリナー -Grüner Veltliner -
オーストリアの最も重要な固有地場品種。軽やかで酸が中心のワインから熟度の高いものまで幅広く造られ、立地と収量が品質に大きな影響を及ぼす。スパイシーでペパリーなもの、桃、アンズ、ウメ、サクランボ風味のあるタイプが人気。
カンプタールDACでは、ミディアムボディのクラシックなスタイル(フレッシュ&フルーティ)と、濃厚で豊満な辛口のレゼルヴェ(リザーブ)スタイルのグリューナーが規定されている。ローレンツ・ファイブはグリューナーに特化した生産者。
(輸入元:ピーロートジャパン)
真鯛の蕎麦粉クレープ包みフリット 香草タルタルソース
蕎麦粉の風味と香草のタルタルソースが、グリュナーによく合いました。
Müller Thurgau Athesis 2013 Kettmeir (DOC Südtirol, Alto Adige, Italy)
ドイツでは評判がイマイチなミュラー・トゥルガウが、イタリアのアルト・アディジェではどうなるか?を体験していただきました。
冷涼な地域ながら、日照の豊かなアルト・アディジェで育ったブドウは、ミネラル感とフルーツのやわらかさ、華やかさを備え、いいバランスで楽しめる上質なワインに仕上がっていました。
品種:ミュラー・トゥルガウ -Müller Thurgau-
リースリングとシルヴァーナの交配品種。収穫が早く、どこでも栽培でき、リースリングの倍量を生産するため、単調で凡庸、香りの冴えないイメージが強い品種。NZ、米ワシントン州、伊アルト・アディジェでは、充分な果実味と酸を保持したブドウが得られ、ドイツとは違ったスタイルのワイン(ピュアな果実味と透明感のある香り)が生産されている。1919年創業のケットマイアーのミュラー・トゥルガウは、控えめだが、複雑で洗練され、近代的で厳格なワインといわれる。2012年はガンベロロッソの2グラス(赤)を獲得。
伊達鶏と豚ヒレロースト 木のこクリームソース ペンネ ゴルゴンゾーラ
後半のワインに合わせて、濃厚な味わいの料理が登場しました。
木のこクリームソースはやや甘め。
ゴルゴンゾーラソースは塩味が濃いめ。
さて、ワインと、どんなふうにマッチするでしょうか?
Offida Pecorino Le Merlettaie 2012 Ciù Ciù (DOCG Offida, Marche, Italy)
ペコリーノがブドウ品種です。
色は濃く、アルコールも高く、口当たりもなめらかで、エキス分の濃い、パワフルなワインです。
木のこのクリームソースの甘さにも合いますが、塩気のあるゴルゴンゾーラソースの濃厚さとも実によく合い、パスタもワインも進みます。
単独で飲むよりも、食事に合わせると力を発揮してくれるタイプですね。
品種:ペコリーノ - Pecorino-
マルケ州の特産品種。栽培は減少傾向だったが、1990年代に復活。アブルッツオ、ウンブリア、トスカーナなどで見られる。辛口でミネラル感があり、アカシアやジャスミン、時にはリコリスのエレガントでフローラルなブーケを持つ。糖度と酸は高く、アルコールが高めになる。オフィーダはペコリーノ唯一のDOC。マルケやアブルッツオのIGTでは多品種とのブレンドワインもある。ペコリーノチーズとは語源的に無関係。
ミルフィーユ
デザートにミルフィーユ、コーヒーをいただき、これにて宴は終了。
6人で6本。
中には、いいクラスのワインも含まれていますが、今回は、地元の人が普段の生活の中で飲んでいるようなワインを選んでみました。
マニアックに語り合うというよりも、その土地や食卓の風景が浮かんでくる感じを楽しんでいただけたと思うのですが、いかがでしたでしょうか?
ご参加の皆さま、ありがとうございました。またぜひご一緒に
リヴィエールのスタッフの皆さま、今回もありがとうございました。
レストラン ラ・リヴィエール
東京都千代田区神田多町2-2 第三ハヤカワビルB1
Tel.03-3258-1800
facebook https://www.facebook.com/riviere.hayakawa