しばらく間が空きましたが、ドイツ食品普及協会の森本智子代表と一緒に企画しているイベント「ドイツパンでドイツワインが飲みたい♪」の第3回めを開催しました。
ドイツ在住歴が長く、ドイツの食に精通している森本さんがパンを、ワインジャーナリストの私、綿引まゆみがワインを担当し、ドイツパンを食べながらドイツワインを飲み、飲みながら食べる、という、肩の力を抜いて楽しめるイベントです。
今回のメインは、“ドイツパンのサンドイッチケーキ”
見た目はケーキ、ですが、ドイツパンとさままざま食材を重ねて作られています。
サンドイッチケーキは、元々は北欧が発祥らしいのですが、「ドイツパンの店 タンネ」さん(東京・日本橋浜町)が最近サンドイッチケーキをつくり始めたということで、それなら皆で食べてみない?と、なりました。
側面も美しい~
上部はドイツハムがてんこ盛り
カットし、サラダを添えてサーブしました。
かなりの段数があります。
中身は、クリームチーズ、サーモン、パテ、キュウリ、ポテトなどがサンドされ、パンは何種類か使われているようです。
普通のサンドイッチのような白い食パンではなく、ライ麦入りなどのずっしりしたパンなので、食べごたえがありました。
ワインは、もちろんドイツワイン。今回は5種を用意。
左より) ※飲んだ順番もこの通り
泡)Weingut Eymann Pinot Banc de Noir Sekt extra brut 2013
白)BINZ + BRATT Francona 2011
白)Steitz Stein-Bockenheimer “Achat” Weisser Burgunder QW trocken 2014
赤)Balthasar Ress "Von Unserm" Rheingau Pinot Noir trocken 2013
泡)Weingut Heitlinger Pinot Meunier Blanc de Noir Sekt 2010
アイマン ピノ・ブラン・ド・ノワール・ゼクト エクストラ・ブリュット2013
ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)100%の辛口スパークリングで、産地はファルツ。
1983年からビオロジックに転換し、現在はビオの認証を取得する生産者です。
骨格のしっかりとした辛口のスパークリングワインで、キリッとした酸のキレがあります。
ボディに厚みがあるので、食事に合わせて楽しむのもいいでしょう。
今回は、タンネさんのクリスプブレッド(ほのかな塩味)をつまみながら、アペリティフ的に飲んでいただきました。
ビンツ+ブラット フランコナ 2011
シルヴァーナー50%、バッフス35%、リヴァーナー15%で、産地はラインヘッセン。
“フランコナ”はフランケン地方のことで、当初はフランケン地方で、フランケンのブドウ品種3種のワインというコンセプトで11年間つくっていましたが、2011年からはラインヘッセンに産地を移し、同じブドウ品種でつくっています。
このワインは、私がドイツでお世話になり、2年前には東京にもいらしたビンツさんが、ブラットさんとタッグを組み、プロデュースしています。
果実味豊かで、口当たりがとてもなめらか。ほどよい飲みごたえがあり、素直においしい!価格から見ると、非常にお買い得です。
また、複数のブドウをブレンドしているので、色々な食事に合わせやすくなっています。特に、今回のサンドイッチケーキには、これが一番合ったのではないかと思います。
ステイツ ボッケンハイマー“アシャット”ヴァイサーブルグンダー・トロッケン 2014
ヴァイサーブルグンダー(ピノ・ブラン)100%で、産地はラインヘッセン西部(標高高めで冷涼、火山性土壌)になります。
ピノ・ブランはフランスのアルザスでもよく見られ、ライトなワインという印象があるでしょうか。
ドイツでは、毎日の食卓によく登場する品種のひとつです。ワイナリーの人も、普段はヴァイサーブルグンダーをよく飲み、一番好きな品種でもある、という声をよく聞きます(特に女性たち)。飲みやすく、食事にも合わせやすいから、だそうです。
口当たりよく、クセもなく、軽快にスルスルっと入ってきます。野菜サラダ、シーフードサラダなど、サッパリした料理、軽い料理と合わせるといいと思います。
バルタザール・レス “ヴォン・ウンサレム”ラインガウ・ピノ・ノワール・トロッケン 2013
シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)100%の赤ワインで、産地はラインガウです。
ラインガウはリースリングワインの銘醸地としてよく知られていますが、シュペートブルグンダーもよいワインができます。ラインガウのブドウ畑は、ブルゴーニュと同様、シトー派の僧侶たちが拓いています。ブルゴーニュと比べると、ラインガウの方が北にあるので冷涼ですが、近年は温暖化が進み、ブドウがよく熟すようになったこともあり、非常に評判のいい赤ワインができています。
このワインは色はやや薄めで、味わいも軽やかですが、ピノ・ノワールらしい赤い果実のチャーミングさがしっかりあります。どこかしっとりした感じがあるので、舌の上でなじみながら広がり、上品な果実味が楽しめます。フランスのACブルゴーニュクラスよりも価格がお安いので、これはお買い得です。
ヘイトリンガー ピノ・ムニエ ブラン・ド・ノワール・ゼクト 2010
ピノ・ムニエ(シュヴァルツリースリング)100%の辛口スパークリングワインで、産地はバーデン地方の北部クライシュガウになります。
この品種でのスパークリングは、クライシュガウでは伝統的です。しかし、この生産者はずっとつくっていませんでした。それを復活させ、今、私たちの口に入るようになりました。
色が濃いめで、味わいも濃く、個性的!骨格はカッチリとして厚みがあり、独特の風味があります。これを苦手に感じる人もいるでしょうし、逆に、ハマる人もいそうです。味わいは辛口ですが、果実味が濃いので、最後にイースターの甘いパンと合わせてみようと思いました。予想通り、レーズン入りの甘いミルクパンは、このゼクトにピッタリでした。
ピノ・ムニエは、フランスのシャンパーニュでは脇役になりがちですが、こうして一人主役を張れる力のあるブドウ、ということです。
サンドイッチケーキを含め、ドイツパンは、こちらの3種を用意しました。
丸いのがイースター用の甘いミルクパンです。
ちょうど“イースター”の時期ということもあり、イースターにちなんだパンを用意し、ドイツのイースターの話を森本さんにしていただきました。
イースター(復活祭)は毎年日にちが変わり、“春分の日の後の最初の満月の次の日曜”になるので、2017年は4月16日です。
サンドイッチケーキやイースターパンのほか、人参の入ったパン(2種)、参加者さんからのドイツソーセージの差し入れなどもありました。
ごちそうさまでした
今回のワインは、ゼクト以外はすべてスクリューキャップ栓。
赤のシュペードブルグンダーもスクリューキャップです。ソムリエナイフがなくても開けられ、コルク不良の心配もありません。また、ドイツワインのキャラクターにも、スクリューキャップは合っていると思います。
そして、今回のワインには、ドイツを代表するブドウ品種「リースリング」がありません。
「ドイツ=リースリング」と思われがちですが、ドイツには、日常的に手軽に、しかもおいしく飲めるブドウ品種のワインが他にもたくさんあることを知っていただきたかったので、リースリングは敢えて外しました。
リースリングの推進団体「リースリング・リング」の執行委員を務めている私ですが、ドイツワインのこれからのことを考えると、他の品種のドイツワインのおいしさも、ぜひわかってほしいと考えています。リースリングよりも価格が安い傾向があり、手が出しやすいのも魅力です。
また、今回のワインは、すべて辛口タイプ。
甘いイメージのドイツワインですが、現代のドイツ人が普段から飲んでいるドイツワインは、食事に合わせやすい辛口タイプが主流となってきています。
参加者から、「どこも同じような品揃えで…」「売っている店がなかなか見つからない」といった声が出ました。
たしかに、ドイツワインは人気があるとは言い難く、高級ドイツワインショップは敷居が高く…というジレンマもありますが、今回のワインはすべてネットで購入しました。価格帯は1500~3500円前後です。ネットでも、手頃でおいしいドイツワインを見つけることができます。ネットも上手に活用してみてください。
記事を読んで、ドイツワイン、飲んでみたいかも…
と思った方は、まずは、今回紹介した中から、気になったものを探してみてはいかがでしょうか?
新たな世界への第一歩、となるかもしれません。
と、そんなこんなで、第3回め終了!
ご参加の皆さん、ありがとうございました。
次は第4回になりますが、開催時期は、森本さんと私の都合&気分で決まります(笑)
[参考]
第1回 ドイツパンでドイツワインが飲みたい♪ → コチラ
第2回 ドイツパンでドイツワインが飲みたい♪ → 前編 / 後編
「ドイツパンの店タンネ」がリニューアル → コチラ
ドイツ在住歴が長く、ドイツの食に精通している森本さんがパンを、ワインジャーナリストの私、綿引まゆみがワインを担当し、ドイツパンを食べながらドイツワインを飲み、飲みながら食べる、という、肩の力を抜いて楽しめるイベントです。
今回のメインは、“ドイツパンのサンドイッチケーキ”
見た目はケーキ、ですが、ドイツパンとさままざま食材を重ねて作られています。
サンドイッチケーキは、元々は北欧が発祥らしいのですが、「ドイツパンの店 タンネ」さん(東京・日本橋浜町)が最近サンドイッチケーキをつくり始めたということで、それなら皆で食べてみない?と、なりました。
側面も美しい~
上部はドイツハムがてんこ盛り
カットし、サラダを添えてサーブしました。
かなりの段数があります。
中身は、クリームチーズ、サーモン、パテ、キュウリ、ポテトなどがサンドされ、パンは何種類か使われているようです。
普通のサンドイッチのような白い食パンではなく、ライ麦入りなどのずっしりしたパンなので、食べごたえがありました。
ワインは、もちろんドイツワイン。今回は5種を用意。
左より) ※飲んだ順番もこの通り
泡)Weingut Eymann Pinot Banc de Noir Sekt extra brut 2013
白)BINZ + BRATT Francona 2011
白)Steitz Stein-Bockenheimer “Achat” Weisser Burgunder QW trocken 2014
赤)Balthasar Ress "Von Unserm" Rheingau Pinot Noir trocken 2013
泡)Weingut Heitlinger Pinot Meunier Blanc de Noir Sekt 2010
アイマン ピノ・ブラン・ド・ノワール・ゼクト エクストラ・ブリュット2013
ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)100%の辛口スパークリングで、産地はファルツ。
1983年からビオロジックに転換し、現在はビオの認証を取得する生産者です。
骨格のしっかりとした辛口のスパークリングワインで、キリッとした酸のキレがあります。
ボディに厚みがあるので、食事に合わせて楽しむのもいいでしょう。
今回は、タンネさんのクリスプブレッド(ほのかな塩味)をつまみながら、アペリティフ的に飲んでいただきました。
ビンツ+ブラット フランコナ 2011
シルヴァーナー50%、バッフス35%、リヴァーナー15%で、産地はラインヘッセン。
“フランコナ”はフランケン地方のことで、当初はフランケン地方で、フランケンのブドウ品種3種のワインというコンセプトで11年間つくっていましたが、2011年からはラインヘッセンに産地を移し、同じブドウ品種でつくっています。
このワインは、私がドイツでお世話になり、2年前には東京にもいらしたビンツさんが、ブラットさんとタッグを組み、プロデュースしています。
果実味豊かで、口当たりがとてもなめらか。ほどよい飲みごたえがあり、素直においしい!価格から見ると、非常にお買い得です。
また、複数のブドウをブレンドしているので、色々な食事に合わせやすくなっています。特に、今回のサンドイッチケーキには、これが一番合ったのではないかと思います。
ステイツ ボッケンハイマー“アシャット”ヴァイサーブルグンダー・トロッケン 2014
ヴァイサーブルグンダー(ピノ・ブラン)100%で、産地はラインヘッセン西部(標高高めで冷涼、火山性土壌)になります。
ピノ・ブランはフランスのアルザスでもよく見られ、ライトなワインという印象があるでしょうか。
ドイツでは、毎日の食卓によく登場する品種のひとつです。ワイナリーの人も、普段はヴァイサーブルグンダーをよく飲み、一番好きな品種でもある、という声をよく聞きます(特に女性たち)。飲みやすく、食事にも合わせやすいから、だそうです。
口当たりよく、クセもなく、軽快にスルスルっと入ってきます。野菜サラダ、シーフードサラダなど、サッパリした料理、軽い料理と合わせるといいと思います。
バルタザール・レス “ヴォン・ウンサレム”ラインガウ・ピノ・ノワール・トロッケン 2013
シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)100%の赤ワインで、産地はラインガウです。
ラインガウはリースリングワインの銘醸地としてよく知られていますが、シュペートブルグンダーもよいワインができます。ラインガウのブドウ畑は、ブルゴーニュと同様、シトー派の僧侶たちが拓いています。ブルゴーニュと比べると、ラインガウの方が北にあるので冷涼ですが、近年は温暖化が進み、ブドウがよく熟すようになったこともあり、非常に評判のいい赤ワインができています。
このワインは色はやや薄めで、味わいも軽やかですが、ピノ・ノワールらしい赤い果実のチャーミングさがしっかりあります。どこかしっとりした感じがあるので、舌の上でなじみながら広がり、上品な果実味が楽しめます。フランスのACブルゴーニュクラスよりも価格がお安いので、これはお買い得です。
ヘイトリンガー ピノ・ムニエ ブラン・ド・ノワール・ゼクト 2010
ピノ・ムニエ(シュヴァルツリースリング)100%の辛口スパークリングワインで、産地はバーデン地方の北部クライシュガウになります。
この品種でのスパークリングは、クライシュガウでは伝統的です。しかし、この生産者はずっとつくっていませんでした。それを復活させ、今、私たちの口に入るようになりました。
色が濃いめで、味わいも濃く、個性的!骨格はカッチリとして厚みがあり、独特の風味があります。これを苦手に感じる人もいるでしょうし、逆に、ハマる人もいそうです。味わいは辛口ですが、果実味が濃いので、最後にイースターの甘いパンと合わせてみようと思いました。予想通り、レーズン入りの甘いミルクパンは、このゼクトにピッタリでした。
ピノ・ムニエは、フランスのシャンパーニュでは脇役になりがちですが、こうして一人主役を張れる力のあるブドウ、ということです。
サンドイッチケーキを含め、ドイツパンは、こちらの3種を用意しました。
丸いのがイースター用の甘いミルクパンです。
ちょうど“イースター”の時期ということもあり、イースターにちなんだパンを用意し、ドイツのイースターの話を森本さんにしていただきました。
イースター(復活祭)は毎年日にちが変わり、“春分の日の後の最初の満月の次の日曜”になるので、2017年は4月16日です。
サンドイッチケーキやイースターパンのほか、人参の入ったパン(2種)、参加者さんからのドイツソーセージの差し入れなどもありました。
ごちそうさまでした
今回のワインは、ゼクト以外はすべてスクリューキャップ栓。
赤のシュペードブルグンダーもスクリューキャップです。ソムリエナイフがなくても開けられ、コルク不良の心配もありません。また、ドイツワインのキャラクターにも、スクリューキャップは合っていると思います。
そして、今回のワインには、ドイツを代表するブドウ品種「リースリング」がありません。
「ドイツ=リースリング」と思われがちですが、ドイツには、日常的に手軽に、しかもおいしく飲めるブドウ品種のワインが他にもたくさんあることを知っていただきたかったので、リースリングは敢えて外しました。
リースリングの推進団体「リースリング・リング」の執行委員を務めている私ですが、ドイツワインのこれからのことを考えると、他の品種のドイツワインのおいしさも、ぜひわかってほしいと考えています。リースリングよりも価格が安い傾向があり、手が出しやすいのも魅力です。
また、今回のワインは、すべて辛口タイプ。
甘いイメージのドイツワインですが、現代のドイツ人が普段から飲んでいるドイツワインは、食事に合わせやすい辛口タイプが主流となってきています。
参加者から、「どこも同じような品揃えで…」「売っている店がなかなか見つからない」といった声が出ました。
たしかに、ドイツワインは人気があるとは言い難く、高級ドイツワインショップは敷居が高く…というジレンマもありますが、今回のワインはすべてネットで購入しました。価格帯は1500~3500円前後です。ネットでも、手頃でおいしいドイツワインを見つけることができます。ネットも上手に活用してみてください。
記事を読んで、ドイツワイン、飲んでみたいかも…
と思った方は、まずは、今回紹介した中から、気になったものを探してみてはいかがでしょうか?
新たな世界への第一歩、となるかもしれません。
と、そんなこんなで、第3回め終了!
ご参加の皆さん、ありがとうございました。
次は第4回になりますが、開催時期は、森本さんと私の都合&気分で決まります(笑)
[参考]
第1回 ドイツパンでドイツワインが飲みたい♪ → コチラ
第2回 ドイツパンでドイツワインが飲みたい♪ → 前編 / 後編
「ドイツパンの店タンネ」がリニューアル → コチラ