弟が父に会いに来て、父がとても元気になったと書いたが、それから父はますます元気になっている。
今週も父に会いに高齢者住宅へ行ってきた。
父は私が会いに行くすこし前に入浴させてもらって、行った時にはベッドに横になっていた。
「ベッドに横たわっている」というのは相変わらずで、午前は車椅子でデイサービスの方々と一緒に過ごしているが、午後は起きていられず、ほとんどを横になって過ごしている。
父の寝ているベッドのそばに行くと、父はぱっちりと目を開け「おっ来たのか?」と言って片手を上げた。
入浴したばかりのせいか、父の顔はほんのりと赤みが差し、とても顔色が良く見えた。
持っていった桃のゼリーを見せると「食べる」と言うので、ベッドから起き上がらせようとしたら「いいんだ、このままで」と起き上がることを頑固に拒んだ。
「起き上がらないと食べられないでしょ」と言っても「いや、いいんだ」と言うので、仕方なく電動ベッドの背をすこし上げて、私がゼリーをスプーンですくって食べさせてあげた。
相変わらず父の食欲は旺盛で、ゼリーをあっという間にたいらげ、それから甘酒とグレープフルーツのジュースを飲んだ。
さらに飲み食いをしつつ、父は話もたくさんしてくれた。
「最近、自分ですこし歩いているんだ。でも歩こうとすると、職員が車椅子を持って飛んでくる。転んで怪我でもしたらどうするんですかって言ってね」
そう言って父はなんだか不満そうだった。
それを聞いた私は「それはそうだわ、お父さん。ずっと寝てばかりで、足がすっかり弱っているのだから、一人で歩くのはまだ無理じゃない?」と言うと、父は「そうだな」と納得してくれた。
しかし、そんな会話をしていながら、父は突然ベッドから起き上がり「ちょっとトイレに行って来る」と言って立ち上がろうとした。
「ちょ、ちょっと待って。今、車椅子持って来るから」
慌てて車椅子を持ってきて父を座らせ、トイレに連れて行こうとしていたら、職員さんが来て父をトイレに連れて行ってくださった。
トイレから戻ってきた父は、もう弱々しく無言でベッドに横たわっていた父ではなかった。
まるで1年くらい前の元気な父になっていた。
先週、弟が来てくれた事はもちろん覚えているし、日常生活のことも自ら話をしてくれた。
「ここは年寄りばかりで、嫌になるよ」
な~んて、自分も立派な年寄りなのに、そんなことを言う。
思えば、今年の春に「もうだめだ・・・」と言ったのを最後に、どんどん弱っていった父だったはず。
そして主治医の先生にも「あっという間に症状が進みましたね」と言われるほど、誰が見ても、もう父に残された時間はそれほど多くはないかもしれないと思うほどだった。
なのに、この元気さは何!?
思わず、父に言ってしまった。
「この間までのお父さんは、ハアハアとつらそうな息をしてぐったりとしていたよね。
あれを見た時には、お父さんはもうコレまでかと思って覚悟したよ」
すると父はにやりと笑って言った。
「大丈夫だ、まだまだ死なない」。。。
元気な頃の父は、やや毒舌なところがあったが、ここ数ヶ月間の父は毒舌どころか話をすることもままならない状態だった。
ところが、今日の父は毒舌も復活して絶好調だった。
レビー小体型認知症は日によって調子の良い時と悪い時の波があるそうだが、それにしてもずいぶん元気になったと思う。
これもデイサービスを毎日利用し、周囲にいつも人が居て、父に声かけをして刺激を与えてくれるお陰かと思う。
また弟(息子)が会いに来てくれたのも、良かったのだと思う。
それにしても、これだけでここまで良くなるとは信じ難い。
・・・ということで、父の飲んでいる薬を調べてみたら、ちょうど9月になるすこし前から、新たな薬が加わっていた。
今まで飲んでいたアリセプトという認知症の薬は変わりなかったが、それ以外にパーキンソン病で使われる薬を飲み始めていた。
それは筋肉のこわばりを改善する薬で、レビー小体型はパーキンソン病と同じように身体の動きが悪くなってくるために、その薬が出されたのだと思う。
もしかして、これが効いてるのだろうか。
身体の動きが悪くなると、声帯も動きが悪くなって声が出しにくくなるのかもしれないが、薬でそれが改善されたのかもしれない。
だからたくさん話すし、気持ちも前向きになってきたのかな?
認知症外来の診察が今のところ無いため、それが確かかどうかは分からないが、それにしても父が元気になってきたことは嬉しいことだ。
医学の進歩はめざましい。
認知症を治せる時代も、将来きっと来るような気がする。
私が老人になる頃には、認知症というものが過去の病いになっていてくれたらいいな~なんて夢みている。
今週も父に会いに高齢者住宅へ行ってきた。
父は私が会いに行くすこし前に入浴させてもらって、行った時にはベッドに横になっていた。
「ベッドに横たわっている」というのは相変わらずで、午前は車椅子でデイサービスの方々と一緒に過ごしているが、午後は起きていられず、ほとんどを横になって過ごしている。
父の寝ているベッドのそばに行くと、父はぱっちりと目を開け「おっ来たのか?」と言って片手を上げた。
入浴したばかりのせいか、父の顔はほんのりと赤みが差し、とても顔色が良く見えた。
持っていった桃のゼリーを見せると「食べる」と言うので、ベッドから起き上がらせようとしたら「いいんだ、このままで」と起き上がることを頑固に拒んだ。
「起き上がらないと食べられないでしょ」と言っても「いや、いいんだ」と言うので、仕方なく電動ベッドの背をすこし上げて、私がゼリーをスプーンですくって食べさせてあげた。
相変わらず父の食欲は旺盛で、ゼリーをあっという間にたいらげ、それから甘酒とグレープフルーツのジュースを飲んだ。
さらに飲み食いをしつつ、父は話もたくさんしてくれた。
「最近、自分ですこし歩いているんだ。でも歩こうとすると、職員が車椅子を持って飛んでくる。転んで怪我でもしたらどうするんですかって言ってね」
そう言って父はなんだか不満そうだった。
それを聞いた私は「それはそうだわ、お父さん。ずっと寝てばかりで、足がすっかり弱っているのだから、一人で歩くのはまだ無理じゃない?」と言うと、父は「そうだな」と納得してくれた。
しかし、そんな会話をしていながら、父は突然ベッドから起き上がり「ちょっとトイレに行って来る」と言って立ち上がろうとした。
「ちょ、ちょっと待って。今、車椅子持って来るから」
慌てて車椅子を持ってきて父を座らせ、トイレに連れて行こうとしていたら、職員さんが来て父をトイレに連れて行ってくださった。
トイレから戻ってきた父は、もう弱々しく無言でベッドに横たわっていた父ではなかった。
まるで1年くらい前の元気な父になっていた。
先週、弟が来てくれた事はもちろん覚えているし、日常生活のことも自ら話をしてくれた。
「ここは年寄りばかりで、嫌になるよ」
な~んて、自分も立派な年寄りなのに、そんなことを言う。
思えば、今年の春に「もうだめだ・・・」と言ったのを最後に、どんどん弱っていった父だったはず。
そして主治医の先生にも「あっという間に症状が進みましたね」と言われるほど、誰が見ても、もう父に残された時間はそれほど多くはないかもしれないと思うほどだった。
なのに、この元気さは何!?
思わず、父に言ってしまった。
「この間までのお父さんは、ハアハアとつらそうな息をしてぐったりとしていたよね。
あれを見た時には、お父さんはもうコレまでかと思って覚悟したよ」
すると父はにやりと笑って言った。
「大丈夫だ、まだまだ死なない」。。。
元気な頃の父は、やや毒舌なところがあったが、ここ数ヶ月間の父は毒舌どころか話をすることもままならない状態だった。
ところが、今日の父は毒舌も復活して絶好調だった。
レビー小体型認知症は日によって調子の良い時と悪い時の波があるそうだが、それにしてもずいぶん元気になったと思う。
これもデイサービスを毎日利用し、周囲にいつも人が居て、父に声かけをして刺激を与えてくれるお陰かと思う。
また弟(息子)が会いに来てくれたのも、良かったのだと思う。
それにしても、これだけでここまで良くなるとは信じ難い。
・・・ということで、父の飲んでいる薬を調べてみたら、ちょうど9月になるすこし前から、新たな薬が加わっていた。
今まで飲んでいたアリセプトという認知症の薬は変わりなかったが、それ以外にパーキンソン病で使われる薬を飲み始めていた。
それは筋肉のこわばりを改善する薬で、レビー小体型はパーキンソン病と同じように身体の動きが悪くなってくるために、その薬が出されたのだと思う。
もしかして、これが効いてるのだろうか。
身体の動きが悪くなると、声帯も動きが悪くなって声が出しにくくなるのかもしれないが、薬でそれが改善されたのかもしれない。
だからたくさん話すし、気持ちも前向きになってきたのかな?
認知症外来の診察が今のところ無いため、それが確かかどうかは分からないが、それにしても父が元気になってきたことは嬉しいことだ。
医学の進歩はめざましい。
認知症を治せる時代も、将来きっと来るような気がする。
私が老人になる頃には、認知症というものが過去の病いになっていてくれたらいいな~なんて夢みている。