Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

天井桟敷の人々<Les enfants du paradis>

2006-05-10 22:21:00 | 映画
「天井桟敷の人々」(1943年フランス)を観ました。
3時間以上の大作ですが、1部2部に分かれていたので2日に分けて観ました。
これを観るもともとのきっかけは、フランス映画祭で観た映画「オーケストラシート」の話をフランス語の先生にしたことからです。

「オーケストラシート」の出演者の一人であるClaude Brasseur(クロード・ブラッスール)のお父さんがPierre Brasseur(ピエール・ブラッスール)であり、「天井桟敷の人々」に出演している、「天井桟敷の人々」は名作なので、観てないならDVDを貸してあげよう・・・・という流れです。

1943年の映画なので、もちろん白黒です。
あらすじなどはAmazon.japanの紹介文をご覧頂くとします。
私の出した結論は「これは観といて損はない!」です。
観始めるまでは、「3時間かぁ、長いなぁ、白黒だし、退屈しないかなぁ、でも借りたDVDだから返さなきゃならないから観るか・・・」という感覚だったのですが、観はじめると違いました。
最初にググッとひきつけられたのが、Jean-Louis Barrault(ジャンールイ・バロー)演じる役者バティストのパントマイムです。
バティストは自身が出演しているフュナンビュル劇場の前に立ち、父親と共に客引きをしていました。
父親が口上を述べ、バティストは無言でパントマイムをしていたのです。
そこに集まった観衆。
しかし、観衆の中の一人が懐中時計を盗まれます。
時計を盗まれた男性の隣にたまたまいた女性ガランス(Areletty、アルレッティ演じる)が無実の罪を着せられそうになったときに、すべてを観ていたバティストがパントマイムで、時計が盗まれる一部始終を演じます。
このシーンからもう釘付けでした。

このほかにもパントマイムのシーンはいくつか出てきます。
フュナンビュル劇場内で演じられる、いわば、劇中劇の形で。
その劇中劇も素晴らしいのです、魅入ってしまいますよ。

あとは台詞。
台本はJaque Prevert(ジャック・プレヴェール)です。
台詞を聴いていると「ああ、フランス語ってきれいな言葉なんだなぁ」と再認識できます。 rafiné
éblouissant merveilleur spirituel étincelant
なんていう形容詞がふさわしいと思います。

ほかにも、ヒロイン・ガランス(Areletty演じる)とバティストの妻ナタリー(Maria Casarès演じる)の一騎打ち(?)の会話も味がありました。

うん、これは、ぐんぐん引き込まれる映画です。

Ce film est reconnu comme l'un des plus grands chef-d'œuvre du cinéma françaisって言うのが、分かる気がします。