CubとSRと

ただの日記

「無理」

2018年12月08日 | 日々の暮らし
 これまでと違って、新しい仕事場は山間に在る。行くのに市街地は殆んど走らない。
 郊外の交通量も少ない快適な道だ。若干距離が長めなのが初心者には多少の問題。
 けど、誰だって初めは初心者なんだから。慣れりゃいいだけの事。交通が不便だから、距離が長いから、こそのバイク通勤だ。
 ついにバイク通勤が始まった。
 1,峠を越えるコース。その頃は大規模な道の付け替え工事中。舗装してない、スーパー林道みたいな道。
 2,ダムに沿って走る迂回路。道はきれいで高低差も穏やかだが、距離は倍ほどもある。
 何といっても50ccだ、2ストの長所を発揮させる腕は、まだない。
 峠をひたすらくねくね上る、途中には林道もびっくりみたいな道がある、なんてのはいくら「もう慣れた」なんて調子に乗ったことを言ってても、そこは初心者、やっぱり怖い。
 「まあ、時間をかけてきれいな道を走ろう」
 何しろ、この時はとにかくうれしくって、少しでも長くバイクに乗っていたかった。
 前にも書いた通り、本当に知らないことばかり。思いもよらないことばかり。
 「クルマの免許もバイクの免許も、取ろうなんて全く思ったことがないんだから」
 、と言ったってモノを知らないにも程度があるだろう、と言われそうなくらい知らなかったし、何も考えてなかった。
 「原付は30キロ」
 それを知ってとにかくバイクに乗って30キロ出して
 「これは速い。結構危険」
 と思った。
 思ったけれど、「結構危険な30キロ」なんかじゃ危険過ぎて街中は走れない、「更に危険な40キロ」は出さないと。
 そんなこと考えもしなかった。
 「街中はそうだけど、郊外はそんなことないだろう。クルマも少ないし。そんなにアクセクしてない(筈)」
 なんという甘い考え!
 「市街地で40キロ」、は市街地の多くが40キロ制限になっているから、だけのこと。
 仕事で走ってるんだからちょっと走ってちょっと停める、すぐ走り出す、というのには40キロは便利な速度だ。
 バイクはそのクルマの速さに合わせて乗ればいい。
 「原付は30キロ」、だが40キロで走ったって10キロ程度はメーターの誤差の範囲、クルマと同じだからさほど問題はない。「更に危険な40キロ」は街中では却って安全なのかもしれない。
 郊外は50キロだ。原付は30キロだ。「クルマに合わせて50キロ」は無理。「誤差だ」と強弁できない。
 (実際、一か月後、42キロで捕まった)
 街中のつもりで40キロ近く出していても、同じ道を通るクルマは50キロ以上で走っている。
 制限速度を10キロ超えて40キロで走っているバイクを、車が50キロ以上で「早く行け!」とせっつく。
 早くはいけないから、道の端に寄って道を譲らなきゃならない。これがこわい。
 何故って道の端には何が落ちているか分からない。道の端は斜面になっている。初心者には当然のこと、初心者でなくたって走りたくはないところだ。

 新しい仕事場への通勤一日目。
 ひたすら怖い思いをして、その結果、帰りはあの林道みたいな峠道を、おそるおそる走ることを余儀なくされた。
 どっちがマシだったか?そりゃもう、運転だけに集中すればいい峠道の方が十倍はマシ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする