CubとSRと

ただの日記

起こす

2018年12月12日 | 日々の暮らし
 思い付きで書き殴るばかりの日記だから、色々抜けてる。
 小説なら書き直すなんてことをするのだろうけど、これは日記。
 それも思い出して、事実だったことのみを書こうとしている。
 話を盛る、なんて芸当は文才がないからできないけど、子供みたいにすぐ気が散って道草、寄り道、時には(いやしばしば)脱線して戻れなくなる。(前回もそうだったけど。)それはそれで良い。そんな日記もあり、だろう。
 たった一人のいい加減な読者が、それを見て
 「ま、気が向けば読んでやるよ」
 、と、言ってるからこのまま行く、としよう。
 「『たった一人のいい加減な読者』?それ、読者に失礼だろう」?
 だいじょぶ。ダイジョブヨ。それ自分のことだから。

 それで書き落としていたことに今更ながら気が付いて、しょうがないから書いとかなくちゃ、となったのが今回の標題である、「起こす」。
 何ということはない、自動車学校入校時の「事前審査」について、だ。
 これなしに、いきなり「VFRは重い」「ぶさいく」、と悪口にしか見えないことをごちゃごちゃと書いてきた。
 「事実だったことを書く」、と言っても、やはり周辺の説明をしなければいかんだろう。いい加減な読者はそう思う。
 長い前置きだったが、「事前審査」のことを書いておく。
 何をするか、知っている人は知っている。知らない人だって何となく知っている。
 「バイクは重い」「自立できない」押して歩くのは大変」。
 だから、
 「押して歩ける」
 「倒れたら起こす」
 「倒れないようにする(センタースタンドを掛ける)」
 ことができなければ、乗るのは危険過ぎる。
 何より、教える方が大変だ。色々してやらなきゃならない。
 その都度、駆け寄って、手取り足取りで、バイクを起こし、安全なところに移動し、怪我を確かめ、バイクの状況も見て、「はいどうぞ」、なんて。
 教習生一人に教える側が十人も二十人もつく。そんなバカなことやってられない。
 それで最低限のチェックをする。「それが事前審査だ!」
 夜間照明を受けて並列待機している数台のVFR。白いタンクに青い帯が入って、それが前に傾斜している形は、今にも走り出しそうで何ともカッコいい。
 航空母艦の甲板上で出撃を待つようなその姿から少し離れて、素人目にも古いとわかるバイクが一台、所在なさそうな風情で佇んでいる。
 言わずと知れた事前審査用バイク。
 失敗して倒しても良いように廃車(?寸前?)のバイクが使われる。
 これが教官の手でセンタースタンドを上げられ、そろりと横倒しにされる。
 「はい。起こしてみて下さい」
 バイク起こしは必死だった。「何だ?この重さは!」と思った。
 力のある方ではないと自覚はしていたが、とにかく経験のない重さ。
 それに「倒し方」の練習はしても「起こし方」の練習なんて、やったことない。
 頑張って、やっとの思いで起こした。
 何という重さだ。「鉄の塊」と言うわけではない。ゴムやプラスチックがふんだんに使ってある。アルミだっていっぱい使ってある。大体、重要部分のタイヤは鉄じゃないのに何でこんなに重いんだ??
 後で冷静になって考えれば、アルミだってゴムだってプラスチックだって、発泡スチロールや羽毛じゃないんだから、それなりの重さがあって当たり前。アルミが水に浮くわけじゃない。
 何とか起こせたことでホッとしたのもつかの間、今度はセンタースタンド掛け。
 これはもっと必死だった。倒さないように、と、底の二点をしっかり接地させるのは良いけれど、サイドバーを持って引き揚げても微動だにしない。
 「梃子の原理で~」とか何とか書いてあったことを読んだ記憶はあるけれど、その「梃子」になるセンタースタンドのアームが右足でいくら踏んだって、これまた微動だにしない。
 まさに「何じゃ、こりゃ!」
 それでも四苦八苦しながら、やっとの思いでセンタースタンドを掛けることができた。
 だが、教官はただ、 
 「力で起こしてますね」「力づくで掛けましたね」
 そりゃそうだわ、な。
 バイクをじっと見詰め、仕組みを冷静に観察し、
 「ここをこうやれば、簡単にセンタースタンドは掛けられる・・・」
 、なんて、いきなり持ち時間ゼロで解を見つけ、やれ、と言われているようなもの。無理。
 取り敢えず、事前審査はOK、ということになったわけだが、
 「センタースタンド掛け、なんてできるようになるんだろうか」
 と思いながら帰る(家まで数十秒)。
 帰って、窓から明かりの消え始めた教習所を眺める。
 いよいよ始まる教習への不安と期待で一杯だ。
コメント
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