こちらに戻って来てから、田舎には年二回、帰ることにした。彼岸の墓参りと家の空気の入れ替え等のためだった。
それを、懐も体力も衰えてきたため、昨年より、年に一回に変更した。
で、その時期は彼岸の中日前後、とした。
ところが現実問題、3月下旬初めというのは、意外に冷え込むことがある。
神戸での用を済ませ、島根に戻る途中。
米子道で突然の降雪に遭い、あっという間に積雪。チェーンのないバイクの悲しさ、道路を追い出され、仕方なく降りたところの温泉地のホテルに泊まったことがあった。
夕食の時に給仕の人が「何だか大きな地震があったようで」と、教えてくれた。
父がショートステイから帰ってくる時間に間に合うよう、一日早く神戸を出ていた。そこへ降雪で帰宅が一日延びた。
「大丈夫だろうか。明日も通行止め、なんてことになると・・・」
そのことで頭が一杯だったのが
「何だか大きな地震が。今、テレビで流れると思います」
という話で、急にまた非現実の世界に誘われた気分。
それがあの「3月11日」、だった。
一メートルほどのテレビの画面に映る光景。家が、クルマが黒い水に流されていく非現実的な光景。
対して、まさかの雪で、普段なら、まず泊まることのない瀟洒なホテルに居る現実。
窓ガラスほどの画面に映し出される信じられない世界。
自分の周り360度に展開する小さな現実。
あれ以来、米子道は滅多に通らないけれど、別ルートの中国道だって、三瓶山を回るから同じようなこともある。
「初旬はあんなこと(突然の降雪)もあるだろうけど、下旬になれば」。
そう思っての「彼岸の中日」だったのだが、昨年は降雪の恐れあり、で3月末に延期。
今年は・・・。今年も同じく。
3月末に延期。
で、3月末になったら、またもや「降雪のおそれあり」。
どんなに雪深いところなんだ、と思うんだけど、現実、そうらしい。
島根県も石見地方は雪が少ないが、出雲への境界を越えると急に気候が変わる。
結局、今年は4月に入ってしまい、それも5日に出発ということになった。
家に寄らず直接墓に向かい、取り敢えずの墓掃除をして、花を立て、線香を点け、手を合わせてから家に帰った。
「住む者のない家は傷むのが早い」とは言うけれど、仏壇や神棚を捨てるわけにはいかない。年に一回でも神棚に灯明をあげ、仏壇には線香を、と思う。
2日ほどいるつもりだったが、家に取り立てて問題はなかったので、一晩だけ居て戻って来た。
来年からは春ではなく、秋の彼岸にした方が良いかもしれない。
・
それを、懐も体力も衰えてきたため、昨年より、年に一回に変更した。
で、その時期は彼岸の中日前後、とした。
ところが現実問題、3月下旬初めというのは、意外に冷え込むことがある。
神戸での用を済ませ、島根に戻る途中。
米子道で突然の降雪に遭い、あっという間に積雪。チェーンのないバイクの悲しさ、道路を追い出され、仕方なく降りたところの温泉地のホテルに泊まったことがあった。
夕食の時に給仕の人が「何だか大きな地震があったようで」と、教えてくれた。
父がショートステイから帰ってくる時間に間に合うよう、一日早く神戸を出ていた。そこへ降雪で帰宅が一日延びた。
「大丈夫だろうか。明日も通行止め、なんてことになると・・・」
そのことで頭が一杯だったのが
「何だか大きな地震が。今、テレビで流れると思います」
という話で、急にまた非現実の世界に誘われた気分。
それがあの「3月11日」、だった。
一メートルほどのテレビの画面に映る光景。家が、クルマが黒い水に流されていく非現実的な光景。
対して、まさかの雪で、普段なら、まず泊まることのない瀟洒なホテルに居る現実。
窓ガラスほどの画面に映し出される信じられない世界。
自分の周り360度に展開する小さな現実。
あれ以来、米子道は滅多に通らないけれど、別ルートの中国道だって、三瓶山を回るから同じようなこともある。
「初旬はあんなこと(突然の降雪)もあるだろうけど、下旬になれば」。
そう思っての「彼岸の中日」だったのだが、昨年は降雪の恐れあり、で3月末に延期。
今年は・・・。今年も同じく。
3月末に延期。
で、3月末になったら、またもや「降雪のおそれあり」。
どんなに雪深いところなんだ、と思うんだけど、現実、そうらしい。
島根県も石見地方は雪が少ないが、出雲への境界を越えると急に気候が変わる。
結局、今年は4月に入ってしまい、それも5日に出発ということになった。
家に寄らず直接墓に向かい、取り敢えずの墓掃除をして、花を立て、線香を点け、手を合わせてから家に帰った。
「住む者のない家は傷むのが早い」とは言うけれど、仏壇や神棚を捨てるわけにはいかない。年に一回でも神棚に灯明をあげ、仏壇には線香を、と思う。
2日ほどいるつもりだったが、家に取り立てて問題はなかったので、一晩だけ居て戻って来た。
来年からは春ではなく、秋の彼岸にした方が良いかもしれない。
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