以前に転載した文章。
・・・・・・・
近くの席に座っていた壮年の男性教師が話しかけてきた。
「きみたち、バイクに乗っているのかい?」
小熊が答えるより先に、スマホに保存した積荷のリストを見て積み込みの手順を頭で組み立てていた礼子が返答する。
「ええ」
「危なくないかい?」
小熊も礼子も、もううんざりするくらい繰り返し聞かれた事。そのたびに返す答えを考え、相手によっては最も簡明直截(ちょくさい)な応答をやっと見つけた小熊が、礼子の替わりに答える。
「いえ、別に」
確かにバイクは危ないが、世の中には他にも危ないものが幾らでもある。
角川スニーカー文庫
トネ・コーケン「スーパーカブ2」より
・・・・・・・
今日こんな文章を見た。
↓
実は交通事故より多い●●●の事故
「事故」というと交通事故などの外で発生するものを想像するかと思いますが、実は家の中で起こる事故も毎年多く発生しています。
家庭内事故とは、簡単にいうと自宅などで起こる不慮の事故のことをいいます。
階段や段差による転倒、料理中などのケガや火傷……など原因は様々です。
発生場所は「居間」が約4割、そのほか階段、台所、浴室などが続きます。
また、溺死、窒息、転落・転倒の順で死亡事故も発生しています。
実は家庭内で起こった事故死は交通事故死とほぼ同じ件数となっており、
家の中だからといっても安心しすぎるのは禁物なのです。
中でも自分で危険を回避することができない乳幼児や、高齢者の方による事故率は家庭内事故の大半を占めています。
(略)
■高齢者に多い事故
高齢になるにつれ、筋力や骨の強度は少しずつ低下してしまいます。
そのため、ちょっとした段差につまずいたり、とっさに回避行動をとれない場合があります。
階段での転落や転倒、お風呂で溺れてしまう、といった事故が多く、また、怪我をした場合、重症化しやすいといったことがあります。
家庭内事故を防ぎたいとは思っていてもリフォームなどは難しい……という場合ももちろんあります。
しかし、大掛かりなものではなくても少し気を付けるだけで危険を回避することはできます。
■階段
階段での事故の多くは足を滑らせたり、つまずいてしまうことが原因です。
手すりをつけることは効果的ですが、それ以外に適度に滑らないシートを敷いたり、足元がよく見えるように少しでも暗くなったら電気を点けるようにしましょう。
■居間
居間はフローリングの床が滑りやすいことで事故が多く発生しています。
カーペットなどを敷くこともおすすめではありますが、高齢の方の場合は逆にカーペットに引っかかってしまうこともあります。
床に物を置かないようにし、段差にはわかりやすいようにテープなどを貼る、段差を埋めるといった工夫をするようにしましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ヘルメットの値段は命の値段」、なんて言うそうだ。ちゃちなものでは被っている意味がない。
脊椎パッドや、肘、膝のハードプロテクターなんかも大事だ。プロテクターはあった方が良いに決まってる。
でも、間違えてはならないのは、プロテクターはダメージを少しでも小さくするための物であって、事故を回避できるもの、ではない、ということ。
ましてや、家の中でヘルメット被ったり、鎧のようなプロテクターを着けたりすることはない。
まずは「気を付ける」こと。
「これこれの準備がしてあるから、何が起こっても『絶対』大丈夫」
、と、油断することが何よりも危険、ということだ。
それで能く
「山歩きやウォーキングよりバイクの方が安全だ」
と言うんだけど。頷く人は滅多にない。
山歩きは人のあまりいないところを歩くから、歩けなくなったら誰にも発見されず‥‥ということが起こり易い。
ウォーキングは、つい横断歩道を確認せず渡ろうとして、ケータイ弄りながら右左折をしてくるクルマに・・・・、とか。
バイクは、それらよりは発見されやすいから「マシ」。
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近くの席に座っていた壮年の男性教師が話しかけてきた。
「きみたち、バイクに乗っているのかい?」
小熊が答えるより先に、スマホに保存した積荷のリストを見て積み込みの手順を頭で組み立てていた礼子が返答する。
「ええ」
「危なくないかい?」
小熊も礼子も、もううんざりするくらい繰り返し聞かれた事。そのたびに返す答えを考え、相手によっては最も簡明直截(ちょくさい)な応答をやっと見つけた小熊が、礼子の替わりに答える。
「いえ、別に」
確かにバイクは危ないが、世の中には他にも危ないものが幾らでもある。
角川スニーカー文庫
トネ・コーケン「スーパーカブ2」より
・・・・・・・
今日こんな文章を見た。
↓
実は交通事故より多い●●●の事故
「事故」というと交通事故などの外で発生するものを想像するかと思いますが、実は家の中で起こる事故も毎年多く発生しています。
家庭内事故とは、簡単にいうと自宅などで起こる不慮の事故のことをいいます。
階段や段差による転倒、料理中などのケガや火傷……など原因は様々です。
発生場所は「居間」が約4割、そのほか階段、台所、浴室などが続きます。
また、溺死、窒息、転落・転倒の順で死亡事故も発生しています。
実は家庭内で起こった事故死は交通事故死とほぼ同じ件数となっており、
家の中だからといっても安心しすぎるのは禁物なのです。
中でも自分で危険を回避することができない乳幼児や、高齢者の方による事故率は家庭内事故の大半を占めています。
(略)
■高齢者に多い事故
高齢になるにつれ、筋力や骨の強度は少しずつ低下してしまいます。
そのため、ちょっとした段差につまずいたり、とっさに回避行動をとれない場合があります。
階段での転落や転倒、お風呂で溺れてしまう、といった事故が多く、また、怪我をした場合、重症化しやすいといったことがあります。
家庭内事故を防ぎたいとは思っていてもリフォームなどは難しい……という場合ももちろんあります。
しかし、大掛かりなものではなくても少し気を付けるだけで危険を回避することはできます。
■階段
階段での事故の多くは足を滑らせたり、つまずいてしまうことが原因です。
手すりをつけることは効果的ですが、それ以外に適度に滑らないシートを敷いたり、足元がよく見えるように少しでも暗くなったら電気を点けるようにしましょう。
■居間
居間はフローリングの床が滑りやすいことで事故が多く発生しています。
カーペットなどを敷くこともおすすめではありますが、高齢の方の場合は逆にカーペットに引っかかってしまうこともあります。
床に物を置かないようにし、段差にはわかりやすいようにテープなどを貼る、段差を埋めるといった工夫をするようにしましょう。
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「ヘルメットの値段は命の値段」、なんて言うそうだ。ちゃちなものでは被っている意味がない。
脊椎パッドや、肘、膝のハードプロテクターなんかも大事だ。プロテクターはあった方が良いに決まってる。
でも、間違えてはならないのは、プロテクターはダメージを少しでも小さくするための物であって、事故を回避できるもの、ではない、ということ。
ましてや、家の中でヘルメット被ったり、鎧のようなプロテクターを着けたりすることはない。
まずは「気を付ける」こと。
「これこれの準備がしてあるから、何が起こっても『絶対』大丈夫」
、と、油断することが何よりも危険、ということだ。
それで能く
「山歩きやウォーキングよりバイクの方が安全だ」
と言うんだけど。頷く人は滅多にない。
山歩きは人のあまりいないところを歩くから、歩けなくなったら誰にも発見されず‥‥ということが起こり易い。
ウォーキングは、つい横断歩道を確認せず渡ろうとして、ケータイ弄りながら右左折をしてくるクルマに・・・・、とか。
バイクは、それらよりは発見されやすいから「マシ」。