「明日は天気がいいみたいだから、リュック背負って野菜を買いに」
…と書いて、実際に出たんだけど、書いた日記は大根のことだけ。
それもツーリングじゃなくって。
ま、そんなこともある。
ところで昨日はいつもの道の駅じゃなくって、月に一回行くかどうか程度の、更に北の東条の道の駅に行くつもりでいた。
それがまあ、寒いこと寒いこと。カブで、時速50~60キロなんだから、普段はどうということもないのだが、ここに来てグローブを冬用から春秋用に換えてしまっていたことを悔やむ。
「じゃ、帰ってグローブを替えて出直し」
、とすれば時間がかかり過ぎるから、いつもの通り、
「ちょっと我慢すれば何とかなるだろう」
、と無理して進み続けて三十年。
ちょっとの我慢で済んだことは一度もなかった。
いつも大いなる我慢を強いられ、この日もライナーが丸首なのでネックウォーマーをしていったのだが、体表全体が冷やされる。
そして、降らない筈の雨が降り、足元を掬われるような強い横風が吹く。
向かい風になれば身を伏せ、シートから腰を浮かして両ステップに立つ。
色々工夫をするから、飽きる暇がない。飽きる暇はないけど、寒風と黒雲に向かっていくのは、嫌になる。
そういうわけで、東条まで行くのは諦めて、三木の道の駅で買い物をし、帰り掛けに奮発して、カレーライスを食べ、コーヒーを飲みながら、全面ガラス張りの壁の下の方にあるカブを見ていた。
走れないから、停めているカブと後ろに広がる景色、その眺めが何よりの御馳走だ。
もうすぐ五月。山中とは言っても「瀬戸内の春」。だが今日はストーブが恋しい。
外国製らしいストーブの耐熱ガラスの向こうで、太い薪がスローモーションのような炎を上げている。
「連休が始まったら人出が多くなるだろうから、閉門蟄居」
、としていたが、初日から禁を破った。
まあ、そういうこともある。独り暮らしだから。
・
…と書いて、実際に出たんだけど、書いた日記は大根のことだけ。
それもツーリングじゃなくって。
ま、そんなこともある。
ところで昨日はいつもの道の駅じゃなくって、月に一回行くかどうか程度の、更に北の東条の道の駅に行くつもりでいた。
それがまあ、寒いこと寒いこと。カブで、時速50~60キロなんだから、普段はどうということもないのだが、ここに来てグローブを冬用から春秋用に換えてしまっていたことを悔やむ。
「じゃ、帰ってグローブを替えて出直し」
、とすれば時間がかかり過ぎるから、いつもの通り、
「ちょっと我慢すれば何とかなるだろう」
、と無理して進み続けて三十年。
ちょっとの我慢で済んだことは一度もなかった。
いつも大いなる我慢を強いられ、この日もライナーが丸首なのでネックウォーマーをしていったのだが、体表全体が冷やされる。
そして、降らない筈の雨が降り、足元を掬われるような強い横風が吹く。
向かい風になれば身を伏せ、シートから腰を浮かして両ステップに立つ。
色々工夫をするから、飽きる暇がない。飽きる暇はないけど、寒風と黒雲に向かっていくのは、嫌になる。
そういうわけで、東条まで行くのは諦めて、三木の道の駅で買い物をし、帰り掛けに奮発して、カレーライスを食べ、コーヒーを飲みながら、全面ガラス張りの壁の下の方にあるカブを見ていた。
走れないから、停めているカブと後ろに広がる景色、その眺めが何よりの御馳走だ。
もうすぐ五月。山中とは言っても「瀬戸内の春」。だが今日はストーブが恋しい。
外国製らしいストーブの耐熱ガラスの向こうで、太い薪がスローモーションのような炎を上げている。
「連休が始まったら人出が多くなるだろうから、閉門蟄居」
、としていたが、初日から禁を破った。
まあ、そういうこともある。独り暮らしだから。
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