CubとSRと

ただの日記

年年歳歳

2019年04月24日 | バイク 車 ツーリング
 興奮していたわけではないが、6時に起きる。
 起きても、「ツーリングに行く!」という乗り始めた頃の昂揚感は、ない。
 あるのは、「身体に不具合はないか」、「途中で引き返せる気力は」、といったようなことばかり。
 何の心配もせず、ただ出発の準備だけに没頭していた四十代までが懐かしくなる。
 だからと言って四十代までを未練を以て振り返っているわけではない。
 「年年歳歳花相似たり、年年歳歳人同じからず」。
 年年歳歳、歳は取る。それなりの荷を背負っていく。ツーリングだって荷物はある。・・・ん?
 7時過ぎには朝食も摂り終え、コーヒーを淹れてポットに移し、水筒と一緒に手提げに入れる。何年ぶりかで穿くレザーpantsも何とか穿けたので、出発前に落ち込むような点は一つもなく、ガレージへ。
 今回の荷物に雨具はなく、あるのはこの手提げだけ。
 8時過ぎ、出発。
 寒くないように、とライナーも着込んで出る。暑くてたまらなければジャケットだけにすれば良い。

 ・・・・・・と、まあ、始まりはいつもこんなものだ。
 そして地図を確認しようと思いながら、道路の混雑状況やバイクを停める場所探しでなかなかできず、「この道できっと合ってる(筈)」と希望的観測のままに走り続けて泥沼にはまる。これもいつものこと。
 今回も「播但道にぶつかって、沿って走っている道を見つけ、北上する」
、という大雑把な計画。
 勿論ナビなんてつけてないし、ナビ代わりのスマホも持ってない。頼りにするのは高速道路のSAでもらった地図と、バイク用のツーリングマップル。

 「取り敢えず、西へ」。
 気が付いたら姫路に入ってしまった。日本海側を目指しているのに標識に出て来る地名は瀬戸内海に面したものばかり。
 「もういっそのこと姫路ツーリングにするか?」
 と思ったけれど、もう少し我慢しよう。 

 やっと播但道を見つけ、地図を確認する。思ったほどずれてはいなかった。
 最悪の場合で二時。それまでに到着できなければ引き返す。
 当然蕎麦も諦める。
 ということにしたのだが、到着は12時過ぎ。
 五皿で一人前のところを十皿注文し、気分良く食べ終える。
 いつも通り蕎麦かりんとうを買って、
 「帰りはゆっくりコーヒーを飲みながら休憩を」
 と思い、サイドバッグにかりんとうを入れようとしたら、コーヒーがない。
 コーヒーだけでなく、水筒もない。それだけでなく手提げもない!
 コーヒーも水筒も手提げに入れた。その手提げがないんだから、全部ないのは当たり前。
 思い出そうと努力するまでもなく、出るときにサイドバッグに入れ忘れていたことに気付く。
 間抜け。
 SRを外に出してからサイドバッグに入れよう、と思って、取り敢えずカブの前かごに放り込んだんだった。
 ということは空っぽのサイドバッグで出て来たのか。
 呆れる間もなく、悪だくみが閃く。
 走行コース確認という新しい目的を作って周回コース計画を変更、Uターンすることにした。
 蕎麦かりんとうしか入ってないサイドバッグに、但馬の名酒「香住鶴」が仲間入り。手提げを持って来ていたら今回は辛抱する筈だった。
 年年歳歳人同じからず。
 だが酒好きは変わらない。飲酒運転はしないけどね。



コメント
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