CubとSRと

ただの日記

見た目と中身(ギャップその2)

2019年04月19日 | バイク 車 ツーリング
 見た目と中身は大違い。
 そういうことは世間にはいくらでもある。溢れ返っていると言っても良いくらいだ。
 SRXもそうだった。とにかく「カッコいい」というより「美しい」。
 が、思ったよりも小さくまとまっていて、そのくせハンドルが遠くて。
 何気なしにハンドルに手を延ばしたら、空振りして上体がつんのめってしまう。
 250くらいにしか見えないのに実際の車格は間違いなく400。
 それよりももっと大きな中身の違いは、「シルエットの美しさ」と、「単気筒の生み出す現実」の落差。
 獣のような滑らかな跳躍をしたって不思議ではない姿形なんだけど、現実は単気筒なんだから、一回ごとの爆発が力強く足踏みをしているようで、しなやかな力強さとはちょっと違う。
 単気筒独特の「トントントントン・・・・」という排気音。
 そりゃ、これ以上ないというくらい軽量にしようと思えば、単気筒にしてエンジンを極力軽くするくらいしかないのだろうけど、このシルエットに「トントントントン・・・」はギャップがあり過ぎる。
 この形なら2気筒いや3気筒くらいか、の排気音でないと・・・。
 けど、同時に、そうなると単気筒エンジンの美しさはなくなる。
 単気筒エンジンのシリンダー。その周囲に配されたエンジンフィン。
 これが、妙に横幅の広くなったシリンダー周りや、水冷エンジンのやかんのようなつるんとした愛想のないシリンダーに取って代わられる・・・。嫌だ。
 何だか「あちらを立てればこちらが立たず」二律背反、相殺(そうさい)関係、みたいな気がしてくる。
 何とか折り合いをつけて、
 「対立物が相互に浸透した結果、止揚された」
 と、ならないか。
 ・・・・なんて思ったのだが。
 このSRの対立する考え方(美しいシルエットと、軽い車体)を止揚させるためにSRXを作ったらしいのだが、さすがにヤマハだ、5年ほどで止揚させた。
 果敢にも結論を出した。
 遂に
 「それはSR自身にやらせるべきこと」
 、としてSRXを廃版にしてしまったのだ。
 (勿論、思ったほど売れなかった、作っても儲からない、スポーツカーのような存在になってしまったというのがホントの理由なんだろうけど。)
 
 けれど、SRXは眺めていても、乗ってみても、本当にいいバイクだった。胸やけさえしなければ。
 
 あ、そうそう。腹筋を鍛えることで、取り敢えずは胸焼けはなくなった。
 それに、まだ腰が痛くなるような年齢でもなかったし。

 けど、遂にSRに乗りたい、と本気で思い始めたのはSRXに乗ったから。
 SRXに乗らなければ、SRのことは気になりながらも、乗ることは無かっただろうなと思う。
 バイクに乗り始めて30年余り。そのうち23年以上、SRに乗っている。
 SRXがあったからこそ、だ。


.

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする