ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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生喬さんネタおろしの会~生野弁天寄席

2008-09-14 22:19:33 | 笑福亭松喬一門
JRの寺田町駅に一時過ぎに着いたので、散歩がてら
商店街を西へ、西へ。尋ね尋ねて、半にようやく到着。
中に入ると、空きのあと座布団が五つ。60人ぐらいか。
そのあと、開演まで次々と来る人で
生寿さんが出て来て、膝送りで二列ほど作り、舞台も後ろヘ。
最後に、全員の靴が、会場の外へ。・・・・80人の大入満員。

一、笑福亭生喬・・・・・・・・・・「花の都」

今週、繁昌亭の昼席が出番で、
昼席は色んな人と会えて結構楽しいですと。

今回は、一門の「笑子」ちゃん。
鶴笑さんの弟子で、生喬さんと同じ40才。
興味があるので、聞いてみると。

シンガポールで師匠と出合い、そのままロンドンヘ。
そこで、外人と結婚し、子供も生まれる。
師匠が日本に帰ると、一緒に家族全員で日本。
そして、旦那が英国でも田舎育ちなので、現在兵庫の山奥ヘ。

その芸人になる前は、なんと神戸で婦人警官の姿で、
学校回って、腹話術で、交通安全の話を。
その時の先生が、川上のぼる。のぼる一門か。
警察官では無いが、国家公務員。
13名いたらしいが、神戸だけで、大阪、京都は無し。

次々興味が沸くので、何でも聞いてしまえと・・。

芸は、人形がトランクから、その人形がまた小さなトランクから
人形を取出し、笑子さん、中の人形、小の人形の三人での腹話術。
それなりに、おもしろいと・・・・。

今日の演目の「花の都」は、今やるのは私ぐらいで、
東京の小南師匠のテープをおこしてやってますと。
小佐田先生が枝雀師匠にリメイクされたよく似た噺はありますが。

期待して来られた方、何やこんな噺かとがっかりされぬよう・・。

能勢の妙見、大明神さんの話。
菩薩と言えば、優しい感じですが、実際お伺いして
ご本尊を見ると、如来ようにいかめしい姿と。
買って来た、お札をご披露。

話は、怠け者が100日願掛けをして金儲けを願うと
満願の日、夢うつつに。
扇げば、鼻が伸びる、大きな団扇と
扇げば、鼻が縮む、小さな団扇を授かる。
これを使って、鴻池の娘さんの鼻を伸ばして、
3000両せしめる。

お茶屋の散財の中で、バカにした芸子の鼻を伸ばす・・・
超長く、長く、伸ばして、・・・その先まで行く。
其処は、京都で。・・・これは、ほんとの「花の都」。


二、林家花丸・・・・・・・・・・・・「あくびの稽古」

あの可朝師匠は、実は林家の出。
先代の染丸師匠に破門になり、米朝師匠の元へ。
小米朝と名乗り、その後、月亭可朝ヘと。
今の、小米朝さんとは芸風はまるで違いますな。
でも、御年72才のバイタリティ、見習わんとあきまへんな。

花丸さんの、あくびの指南、よろしいな。
三味線・・・・・踊り・・・・・浄瑠璃・・・・柔道・・・。
あくびの指南を受ける前が、特におもしろい。

この様な話、やはりマイク無しの、
これ位の大きさの会場が一番ですな。


三、笑福亭たま・・・・・・・・・・「厩火事」

実は、今日は生喬兄さんの方から、
私と花丸さんの二人に声をかけ、二人ともOKと。
逆ダブルブッキングにと・・・・。

笑福亭一門の法事の話をします。
六代目の23回忌と、七代目の13回忌。
今回のお世話役が、我が師匠の福笑さん。

一門全員が集まるわりには、無事終わって、
「良かった。良かった。良い法事やった」と・・・。

それから、本当に出合った話。
二日前、吉野家で入って牛丼を食べていると、
向かいのカウンターの老夫婦が食べ終わって出る際
店員の「お会計は、ご一緒ですか」に、
女性がすかさず、「いや、別々です」と、
何じゃあれぇ。・・さびしいような。
それとも他人さんなのか。・・・・と。

年とってからの仲の良さは、ほんと微笑ましいのですが。

噺は夫婦の「厩火事」へと、
お咲さんが、「髪結いで」、兄貴分の家で遊んでいる
「男に惚れたこと」、「年上であること」の説明が一切無く、

年上女房のひけ目と心配さ
年下亭主のかわいさ、やんちゃぶりに
心の揺れ動くさまがなくて、
亭主が、「もろこしか」、「さる旦那」と悩む言葉も無く、
舞台が長屋ではなく、マンションのようで、
噺に全体に深みを欠く。

でも、お咲さんが倒れたまま、亭主を見る目は、色っぽい。
身体ではなく、もっと心の動きが欲しいですが、
たまさん、案外シャイで、なまなましい情愛は気恥ずかしいのか。


四、笑福亭生喬・・・・・・・・・・「初天神」

この会は、いつもネタおろしをさせてもらっています。
年4回なので、一年に4つの新しいネタを増やしています。

落語には、最初の部分で・・・あの噺と解る。

「こんにちは」・・
「ああ、おまえかいな。まあ、こっちヘ、あがりいな」
「みかん屋」、「道具屋」、「米揚げ笊」、「牛ほめ」
と段々、話が進むにつれて、話が絞れてくると。
「喜六清八と言う二人の旅人」・・・東の旅か、西の旅かと。

でも最初の一言で解るのも、
「植木屋はん・・」、「青菜ですな」

今から、話すのも即解るやつです。

「かか、羽織出せ」・・・・「初天神」だすな。
私にとって「初天神」のスタンダード(中心)は仁鶴さん。

子供が、飴をのどに落した後も、口に飴がある様なしゃべりが
続いたので、あれっと思ったぐらい・・。
特に、凧あげからは、生喬さん自身も楽しそう。

ご本人にとっては、不満足なところもあろうが、おもしろい。
それなりの経歴があれば、ネタおろしでも、
それなりの完成度で、演じきれるのと、改めてすごい。

これから、生喬さんの「初天神」。季節柄、聴く機会もありそうなので
進化の具合を聞くのもおもしろそう。

この弁天寄席。生喬さんのネタおろしが毎回一席。聴ける。
これまた、楽しみが増えましたなぁ。


第54回・生野弁天寄席・・成恩寺落語会
2008年9月14日(日)午後2:00開演
成恩寺

一、笑福亭生喬・・・・・・・・・・「花の都」
二、林家花丸・・・・・・・・・・・・「あくびの稽古」
仲入り
三、笑福亭たま・・・・・・・・・・「厩火事」
四、笑福亭生喬・・・・・・・・・・「初天神」
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