ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

471回・田辺寄席~小米朝としては最後か

2008-09-20 02:05:54 | 田辺寄席
今日は昼席、田辺寄席ヘ。
小米朝さんして、最後の田辺寄席の出番。
期待の大入満員
開口〇番、文太師匠が出られたあとも、
パイプ椅子の追加追加で200席寂。

開口〇番・・・・「そ」・・「粗忽」

「粗忽」あわてもの。大阪弁では「おっちょこちょい」か。
江戸落語の「粗忽の釘」が上方の「宿替え」
「粗忽の使者」が「月並丁稚」そして「粗忽長屋」

やはり、粗忽は、落語の題材にはなり易い。


一、桂さん都・・・・・・・・・・「宿屋町」

マクラで、繁昌亭ができて良いのは、楽屋が一つで
他の一門、特に大師匠とご一緒でき、色々なお話が聴けること。

この前も、春團冶師匠と二人きりになり、何を話してよいやら。
「噺家になって、大事なことはと」、教えていただく。
「人の噺、落語を聴くことだが、上手い人だけでなく、全ての人を聴く、」
「マズイ人のも聴いて、そこで、一つ良いところを見つけ出す。」
「それが、自分の芸の向上につながる。」と・・・・。

ええはなしでっしゃろ。何が言いたいかと言えば、
今日の私の噺も良いところ探して聴いてください・・と」

演目は、東の旅。大津の宿の「宿屋町」。
さん都さん。ハキハキしていて喋りも達者。
米朝一門は、曾孫弟子まで立派。
キッチリ演じ、テンポ良く進む。

他のネタも聴いてみたくなる噺家がまた一人増えた。


二、桂文太・・・・・・・・・・・・「婢違い」

めずらしい噺。嫁さんが入れ違い新婚初夜もあり、
文太師匠、小学生も数人いて、やりにくそう。

子供が居なければ、もう少し色っぽくなったのか、
それとも、・・ある程度、原型なのか・・・・。

どちらにしても、落語ブーム、客層も年代も
広がってますな。


三、桂小米朝・・・・・・・・・・「はてなの茶碗」

もうすぐ、米團冶を襲名します、小米朝でございます。
師匠の米朝は、文團冶襲名の噺もあったようですが継がず、
私も、づっと小米朝で、30年。ざこば兄さんの推しもあって・今回。
先代の小米朝は、今の月亭可朝で、まあ可朝に成らなくて一安心で。

演目は、「はてなの茶碗」、米團冶襲名前で熱演。

しかし、細かくて申し訳ないが、言葉の、現代っぽい言い回しで、
なんとはなしに、落語の世界が薄まってしまう。・・・残念。

油屋が、茶店のおやじが「願うて出る」を「言うて出る」と、
これでは、油屋と同じで、商売している茶店と言えども
オヤジの重みがない。

京都の音羽の茶屋の主人、そして茶金さん、
全て育ちが違うように、言葉使いも違う、
その言葉の、大雑把さが、勿体ない。

風呂敷の説明も「更紗もこれくらいになりますと・・」と
キチンとしないと、風呂敷だけでは、唐草模様の安物に見える

解り易く演出するのと、雑に演じるのとは違うと、
疑問で見てしまった、「はてなの茶碗」でした。


四、月亭八天・・・・・・・・・・「足上がり」

活躍のうわさが聞こえていた、八天さんとの初出会い。

良いですな。この芝居噺をキッチリ演じて、
芝居の中身で、客席を惹きつける。

新作も、手がけているらしいが、この古典の出来、一流品。

40回目を迎える、十三寄席。
過去39回の、計78の演目を見て、幅の広さ。

その中でも、聴いていない噺・(新作除く)
「いもりの黒焼き」、「茶屋迎い」ガある。

これを機会に、十三へも進出しなければ、
その時は、喜八洲の酒饅頭か、みたらし、おみやげですな。


五、旭堂南鱗・・・・・・・・・・「善悪二筋道」

道に迷い、悪人の亭主から逃れ、鉄砲で撃たれる・・。
江戸落語の「鰍沢」とダブル。

終盤、兄貴と解り、松竹新喜劇したて。
そして、最後は夫婦になっての、ハピイエンド。

どこへいくのか解らぬ筋立てに、
何が「善」、何が「悪」なのか、後から考えなければ、・・。

南鱗先生。(くしゃみ講釈で講談師は、師匠ではなく先生と)
今度は、ナンバ戦記とか多少筋が解る話を聞いてみたいですな。

さん都、八天さんと、脇が締まった、良い落語会でした。



第471回・田辺寄席
2008年9月20日(土)午後1:30~
大阪市立阿倍野青年センター

一、桂さん都・・・・・・・・・・「宿屋町」
二、桂文太・・・・・・・・・・・・「婢違い」
三、桂小米朝・・・・・・・・・・「はてなの茶碗」
四、月亭八天・・・・・・・・・・「足上がり」
五、旭堂南鱗・・・・・・・・・・「善悪二筋道」
コメント
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