ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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鶴二さん「禁酒関所」ネタおろし~地盤珍華の会

2008-09-27 23:08:22 | 笑福亭鶴二
今日は、東京の兄貴が大阪へ来たので、
鶴二さんが出る、地盤珍華の落語会。
誘って、一緒に、高津の富亭ヘ。

鶴二さん、今回「禁酒関所」がネタおろしと、
プロのネタおろしとは、どんな仕上り具合なのか、
興味深々でしたが。


最初に、珍念さんと、文華さんが登場。
まず、巨人阪神戦、天王山にお越しいただき有難う御座います。
エライ日に会があたったと心配していましたが、
40名もの、大入りです。
文華さんは阪神。珍念さんは巨人。そして三幸さんも巨人。
愛媛出身で、TVは巨人戦しか写らなかった。

三幸さんは、三枝師匠の12番目の弟子。
3×4=12で縁起が良いと思っていたが、
すぐ上に、二人辞めた先輩がいましたと。

その後、ゲストの鶴二さん、兄さんと呼ばれているが、
珍念さんは同じ昭和61年入門。
文華さんは二年下の、ほぼ同期。

血液型は、鶴二さん、文華さん、共に、AB型。
そして福笑師匠もと、結構変な人が多い。
「天才と・・・・・・は、紙一重」と言うが、さてお二人は。

今日は、三人ともネタおろし。
是非、暖かい目でご声援を。


一、桂三幸・・・・・・・・・・・・「四人ぐせ」

愛媛大学の落研で、既にTVの番組にも出ており、
ある人の紹介で、三枝師匠に出合う。
大阪の楽屋を尋ねると、「食べられへんけど来るか」と
思わず、「はい」と言ってしまって入門。
大学院には、4番目で入れたのに、落語家には12番目として。

しぐさ噺の割には、しぐさのパワーがもう一つ。
各しぐさが、癖で自然と出なければならないのが、
考えながらの動きに見える。

先週の都んぼさんの、目の擦りが絶品だったので、
比較してしまうが、でも今後も古典への挑戦期待しまっせ。


二、桂文華・・・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」

おもろいすな。
ネタおろし、手探りしながら、噺を進めるが、
ツボはおさえて、笑いは充分。

まずは、へっついを引き取らしに、夜分道具屋を、
ドンドンと表の戸を叩いて入るシーン。

「取って、取って」の連呼。

「へっつい担いでふらつく、作ぼんの醜態」

「熊はんの酒の勢いに戸惑う幽霊の表情」

幽霊出る際、三幸さんに頼んだ鳴物合わず、やり直し。
文華さんのネタおろしと言うより、
下座の三幸さんの練習か

サゲは、幽霊が丁で勝ち、
熊「賽は一つは、1,3、5.もう一つは、2、4、6、しか出ない」
熊「丁が出るはずが無い、何か細工したやろ」
幽霊「はぁ、ちょっと」
熊「何で、そんなことしたんや」
幽霊「へい、つい」
と、文華バージョンのサゲ。

本来は、幽霊が負けて「もういっぺんやりたい」と言う。
熊「おまえに金が無いのが解っていてでけへんな」
幽霊「それやったら、心配いりまへん。」
「私も幽霊、決して、足は出しません」

負ける方も違うし、サラリとしたサゲで。
元々、このはなしは山場が豊富だけに、
サゲは、後付けのようなもの。文華バージョン・・。
優劣つけ難いほどの、スッキリ感、よろいいな。


三、桂珍念・・・・・・・・・・・・「金明竹」

珍念さん、ひどい・・・・。
ネタおろしではなく、ネタ稽古状態。

最後の客、用件を立て弁の連続のところ。
二度繰り返して、女将さんが旦那にトンチンカンに伝える。
二つ目の稽古ネタとして、喋りの達者ぶり披露する箇所。
この噺の見せ場でおます。

そこで、この立て弁で、珍念さん、ツマル、ツマル
最初に、珍念さん、詰まった時、客席から、台詞の助け舟。
(あのお客さん、すごい、台詞、完璧。)しかしながら、珍念さん、
四分三は、床に置いた、ネタ帳を見ながらの、情けない状態。

ああ、こんなネタおろし、二度と付合いたく無いでっせ。
「金返せ状態」・・・地盤沈華に改名か。


四、笑福亭鶴二・・・・・・・・「禁酒関所」

ネタおろし、朝も演じて来たので、正式には二回目。
でも、安定度、抜群。で、お口直し。

お役人が、酔っていく様は、最高。
酒は、笑福亭のオハコ。
鶴二さんにとって、この「禁酒関所」が登竜門か。

只、三人の使い者の差が、左程無いのが気になったが。
最初の水カステーラ、次の油、そして最後の小便を運ぶ者
年令と、生意気加減が演じられたら、最高。

でも、さすがプロ。
ネタおろしと言えども、この完成度。

「鶴二さんは、職人(プロ)、ええ仕事してまっせ」


地盤珍華の会
2008年9月27日(土)PM6:30~
高津の富亭

一、桂三幸・・・・・・・・・・・・「四人ぐせ」
二、桂文華・・・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
三、桂珍念・・・・・・・・・・・・「金明竹」
四、笑福亭鶴二・・・・・・・・「禁酒関所」
コメント
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