![]() | 妻と罰 (文春文庫) |
土屋 賢二 | |
文藝春秋 |
☆
久しぶりに読む、土屋賢二さんのエッセイ。
◎「新年の誓いで、性格と運勢が分かる」の項では、誓いを個別に分類している。
①「ダイエットする」「無駄使いをやめる」「タバコをやめる」
②「今年中に世界平和を達成する」「地球の自転を念力で止める」
「平和な家庭を築く」「哲学の細かい問題を一つでも解決する」
③「今年から公金を横領するのをやめる」
「脂肪と塩分中心野料理を夫に食べさせるのを控える」
④「犬に吠えられない」「一日一回は叱られない」
「今より苦しみの少ない年にする」
誓いを立てないのも、誓いを守れないのも、間違った生き方だが、
それ以上に問題なのは、安易に、年の初めに誓いを立てる人だと。
そもそも、実行できるなら、誓いを立てるまでもなく、即実行しているはず、だと。
でも、新年を迎えて、自分も新しくかえるべく、何か誓いたいもんですな。
◎「女は不純だ」の項では、オーディオマニアには、女はいないという。
カネが無いからではない、興味を示さないのは、いくら良い音がでても
①着られない、②おいしくない、③痩せない・・・からだ。
土屋さんの、聞きなれた、独特のこの云いまわし。
だが、この結論は間違っていたと、実際は機械にお金をかけるぐらいなら、
ライブへ行って、ナマで見たいという。狙いは音楽そのものではなく、
演奏者なのだ。
作者の土屋さん、家の中であれやこれやと文句を言われているような
恐妻家で、いかにも、妻の存在がうとましいように、書かれているが、
実際は、愛する妻の行動が気になってしかたがない、愛妻家に違いない。
我家でも、今週、ちょっとした事件が、
娘が買って着た、堂島ロールを食べていて、妻が突然、
「あぁー・・。忘れてた・・・。」の、一言で・・・、自分もはたと・・・・。
二人とも、先月末の結婚記念日を忘れていた・・
・・・・今まで、こんなこと一度もなかったのに。
その日は、・・・私は出張から帰って来た日であり、妻は
娘と一緒に、その日は、「嵐のコンサート」やんか。
ついに、私も嵐に負けてしもたんですなぁ。
ああ、あの日、何かプレゼント、買っとけば、この一年、エラそうな態度で
過ごせたのに、チャンスを逃してしまった・・残念。
まあ、色んなことが、思いつく、土屋さんのエッセイは、続くと辛いが、
たまに読むと、おもしろいですな。
