落語こてんパン | |
クリエーター情報なし | |
ポプラ社 |
☆☆☆
柳家喬太郎さんが、「落語こてんパン」と題し、50の古典をひも解く。
コンセプトは、“私の好きな古典落語”ってテーマで、ポプラ社のウェブマガジンに連載
していたものを、まとめたもの。
またしても、文才ある落語家、発見。
志らくさんをはじめ、現代風に落語を活かす術を知っている方の文章は、巧みでおます。
いや外面ではなく、中身、内容が濃いということのようで・・・じっくりと読まして貰いました・。
落語のあらすじだけではなく、喬太郎さんのその演目との出会いと関わりあい、思いが語られ、
そして、現在演じられるお勧めの噺家さんを紹介、それもどのような形で演じられているのか、
事細かに述べられている。
そして喬太郎さんが各演目の、噺家サイドからみた思いがおもしろい。
「子ほめ」では、オウム返しは落語においての不滅の黄金パターンといい。
「錦の袈裟」では、与太郎が活躍する演目は多々あるが、一席一席が違う噺だし、
与太郎の状況も違うわけだから、同じ風に演じちゃいけない・・・・と諸先輩の芸談も。
「ちりとてちん」では、仕草へのこだわり、でも意識過剰が浮いてしまうと、プロの悩みをちらり。
「目黒のさんま」では、地噺を解説。・・・演者のセンスが問われ、高度な技術が必要だと。
「夢金」では、落語の中には好きなフレーズがあると、この噺では浪人者が船宿で、肩の雪を払いながら
「雪は豊年の貢と申すが、かように降られてはちと迷惑だ」の台詞・・・いい、ですな。
「たちきり」では、人情噺だが、喬太郎さんには怪談噺の要素が強いと・・・あれぇ。
すべての噺で、新たなテーマで語られ、楽しく読んでいる内に、落語の真髄に近づいていく。
これからも、何度も読み返すこと、間違いなしの本でおます。
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