ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

穂村弘ワンダーランド

2011-10-11 05:10:08 | 本の少し
穂村弘ワンダーランド
クリエーター情報なし
沖積舎


穂村弘さんの、ガイドブック。それも、詩人、穂村弘さん。
読んで、びっくりしたのは、短歌界では、大胆に現代の言葉をとりこんだ、新しい先駆者だということ。
1986年に歌集「シンジケート」が発表されたが、角川短歌賞の次点作品であり、その時の受賞者は、
俵万智、作品は「サラダ記念日」で、ミリオンセラー、社会的注目度は一気に、彼女にとられてしまった。

でも、今比べてみても、わかりやすく、より大衆性をおびているのは、やはり彼女の方である。
ブランドでもすべてそうだが、誰を相手にしているのか、何人の方を対象にしているのか、
最初から、同じようで、俵万智さんと穂村弘さん、似ているようで、違いは明確である。

やわらくて、ぐにゃぐにゃ、の穂村弘さんを、見直さなければ・・・・の一冊。


「俵万智」

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
妻のこと「母さん」と呼ぶためらいのなきことなにかあたたかきこと
天ぷらをささやくように揚げる音聞きおり三時半のそば屋に
子どもらが十円の夢買いに来る駄菓子屋さんのラムネみどり

「穂村弘」

体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ
赤、橙、黄、緑、青。藍、紫。きらきらとラインマーカーまみれの聖書
さみしくてたまらぬ春の路上にはやきとりのたれこぼれていたり





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