私が好きな噺家さんが勢揃い。
米朝一門では、ざこばさん、南光さんを除けば、あと千朝さんが入れば私の思うベストメンバー。
ましてや、こごろうさんがトリとなれば、動楽亭へ出かけなければ・・・。
前々日に
開場30分前で、既に20人のお客様。お誘いした、井上さんと興津さんは既に到着、階段上段に。
約90名の大入り・・・・枝雀一門 VS 吉朝一門・・・に人気。
横の襖を外して更に客席を拡げる。
一、桂吉の丞・・・・・・・・・・「強情灸」
出てくるなり、今日は吉朝一門対、枝雀一門落語会でして、実は席亭のざこば師匠が今日
サンケイ・ブリーゼで独演会でして、ざこば師匠、米朝事務所の常務だけに、米朝一門とスタッフの方は
すべてそちらの方へ、あとに残ったものがここへ。
私は、九年目ですが、本日は一番下で、太鼓はたたくは、お茶は湧かす、朝一番、表の幟まで揚げまして。
今、ほっとしてます、まずは噺の方は手短に・・・と。
噺は「強情灸」、声も大きく、メリハリもあり、顔に似あった、ごんたくれ感もあり好演。
でも、灸を辛抱して、顔が赤くなっていく方もあるぐらいなので、もう少し、灸をすえて
悶えるところ、長く演じてもらいたかったですな・・・。
でも、ますます腰が座って貫禄がついてきた、吉の丞さんでおました。
二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・「千早ふる」
座布団までの、ほん短い距離ながら吉坊さん、いつもの天を見上げてのヘラヘラ顔で登場。
(今、上方で高座上がりでは、一番特徴ある姿では・・・私は大好きでおます。)
「今のが、吉朝一門の7番目の弟子で、私が5番目ですが、唯一ざこば一門に腕力で勝てそうな奴で、
一門でもひと味違うようで、上の四人の兄弟子達も、たまに敬語を使ってるようで」・・と。
世の中には、知ったかぶりする方も多いようで・・・・「千早ふる」へ。
町内の物知りも、口からでまかせで和歌の意味を答えるが、あまり困ったようでもなく、
やはり、吉坊さん、上品で、品があって、スッキリしている。
この頃、「とは」で意味で、ウルトラマンがでてくる、鶴志さんなんぞが演じる「千早ふる」の爆笑編を
聴きなれているだけに・・・こんな賢そうな者だったら、業平の句ぐらい知っていそうで、・・・・・・
豚まんが食べたいのに、小包龍が出てきたような、下衆な私には上品過ぎた「千早ふる」でおました。
三、桂雀松・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」
最近のお姉系芸人の話題から・・・何の繫がりもなく「太鼓腹」へ。
これまた、米朝風の「太鼓腹」で、上品。
最初の「猫さん、ごきげんさん」の一言も、先代小染さんのべんちゃらには、及ばないような。
太鼓持ちも、もみ手でヨイショする風でもなく、お金に汚い太鼓持ちなのに、リッチに見えてしまう。
雀松さんの、いたって常識的な上品さが、損をしている様な・・・「太鼓腹」でおますな。
四、桂紅雀・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」
いきなり「すると、なにかい、あの化物屋敷が・・・・・・」、師匠の枝雀さん独特の入り方。
長い噺で、マクラなしでとの配慮みたいだが、こういう入り方、結構好きでおます。
紅雀さん、熱演・・・。特に、講釈の段はきっちりと語ってくれるのが、嬉しい。
コウモリみたいに壁にへばりついた手が、おもやんに触れて、ポーッツとなったり、
「オケラ、毛虫・・・、・・・、・・・・・・、ぶんぶの背中は、ピッカ、ピッカ」の唄のあと、
「おまえ、ようそんな唄、覚えてるな」
「それ覚えれるんなら、何で、八百屋で、胡椒の粉、二銭ガンが覚えられへんのや」との、ツッコミ、など。
随所に、紅雀さんの、明るさ、たのしさが散りばめられた、「くしゃみ講釈」でおました。
五、桂雀三郎・・・・・・・・・・「くやみ」
本日の、秀逸。
「落語家」というのは、何をいうても、何処でいうても、許される人種ですが・・・。
東京の噺家さんの葬儀で、焼き場でお寺さんが読経、鐘を「チーン」と鳴らすと、
「電子レンジの、チーンみたいですな。」・思わず「うまいね」と誉められたと。
東京の歌之助さんの落語に、お父さんの葬儀(焼き場)で、「お父様、火加減はいかがですか。」
というのも、ありましたが、まあ、普通では言ってはいけない言葉、場所というのがあるのですが・・・。
で、「くやみ」へと、雀三郎さんの「くやみ」帳場の者は、最上屋のおなごしを、鰻で口説くは、
のろけを言う、又はんは更に、強烈。行水のタライの中に夫婦二人が入って、洗い合い。
背中だけではなく、前を合わせて抱きあって洗う「何か、当たるものがある・・・。」
「この頃、それも、当たらんようになってきた・・。」と、サンケイ・ブリーゼでは披露できない様なネタ。
この雀三郎さんの、ハチャメチャ感、一期一会のライブ感は最高でおますしたな。
六、桂こごろう・・・・・・・・「一文笛」
「ええ、旦さん・・もぉし、旦さん」と、マクラなしで即、噺へ。・・ああ「一文笛」や。
結論からいうと、今まで聴いたこごろうさんの噺の中で、一番遠い処のネタか。
この噺、上方では、数少ないしんみりさせる噺だけに、多少人情噺っぽく少しクサイぐらいが、
最後の「実は、わたい、ギッチョでんねん」のドンデン返しが活きる様に思えるんですが。
シャイなこごろうさんは、お涙頂戴は性に合わず、避けられたみたいですが、
この頃、噺の中で、お涙頂戴を期待してしまっている、私でございます。
サゲの、ほん手前で、グラグラと地震がきましたが、動揺もせず「実は、わたい、ギッチョでんねん」、
言いきって終わる。
さすが、こごろうさん・・・・・・絶妙のタイミングでおましたな。
秋日和の日曜日、大好きな噺家さん勢揃いで、楽しませてもらった、動楽亭でおました。
動楽亭・昼席
2011年10月9日(日)午後2:00開演
動楽亭
一、桂吉の丞・・・・・・・・・・「強情灸」
二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・「千早ふる」
三、桂雀松・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」
四、桂紅雀・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」
仲入り
五、桂雀三郎・・・・・・・・・・「くやみ」
六、桂こごろう・・・・・・・・「一文笛」
11-31-152
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米朝一門では、ざこばさん、南光さんを除けば、あと千朝さんが入れば私の思うベストメンバー。
ましてや、こごろうさんがトリとなれば、動楽亭へ出かけなければ・・・。
前々日に
開場30分前で、既に20人のお客様。お誘いした、井上さんと興津さんは既に到着、階段上段に。
約90名の大入り・・・・枝雀一門 VS 吉朝一門・・・に人気。
横の襖を外して更に客席を拡げる。
一、桂吉の丞・・・・・・・・・・「強情灸」
出てくるなり、今日は吉朝一門対、枝雀一門落語会でして、実は席亭のざこば師匠が今日
サンケイ・ブリーゼで独演会でして、ざこば師匠、米朝事務所の常務だけに、米朝一門とスタッフの方は
すべてそちらの方へ、あとに残ったものがここへ。
私は、九年目ですが、本日は一番下で、太鼓はたたくは、お茶は湧かす、朝一番、表の幟まで揚げまして。
今、ほっとしてます、まずは噺の方は手短に・・・と。
噺は「強情灸」、声も大きく、メリハリもあり、顔に似あった、ごんたくれ感もあり好演。
でも、灸を辛抱して、顔が赤くなっていく方もあるぐらいなので、もう少し、灸をすえて
悶えるところ、長く演じてもらいたかったですな・・・。
でも、ますます腰が座って貫禄がついてきた、吉の丞さんでおました。
二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・「千早ふる」
座布団までの、ほん短い距離ながら吉坊さん、いつもの天を見上げてのヘラヘラ顔で登場。
(今、上方で高座上がりでは、一番特徴ある姿では・・・私は大好きでおます。)
「今のが、吉朝一門の7番目の弟子で、私が5番目ですが、唯一ざこば一門に腕力で勝てそうな奴で、
一門でもひと味違うようで、上の四人の兄弟子達も、たまに敬語を使ってるようで」・・と。
世の中には、知ったかぶりする方も多いようで・・・・「千早ふる」へ。
町内の物知りも、口からでまかせで和歌の意味を答えるが、あまり困ったようでもなく、
やはり、吉坊さん、上品で、品があって、スッキリしている。
この頃、「とは」で意味で、ウルトラマンがでてくる、鶴志さんなんぞが演じる「千早ふる」の爆笑編を
聴きなれているだけに・・・こんな賢そうな者だったら、業平の句ぐらい知っていそうで、・・・・・・
豚まんが食べたいのに、小包龍が出てきたような、下衆な私には上品過ぎた「千早ふる」でおました。
三、桂雀松・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」
最近のお姉系芸人の話題から・・・何の繫がりもなく「太鼓腹」へ。
これまた、米朝風の「太鼓腹」で、上品。
最初の「猫さん、ごきげんさん」の一言も、先代小染さんのべんちゃらには、及ばないような。
太鼓持ちも、もみ手でヨイショする風でもなく、お金に汚い太鼓持ちなのに、リッチに見えてしまう。
雀松さんの、いたって常識的な上品さが、損をしている様な・・・「太鼓腹」でおますな。
四、桂紅雀・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」
いきなり「すると、なにかい、あの化物屋敷が・・・・・・」、師匠の枝雀さん独特の入り方。
長い噺で、マクラなしでとの配慮みたいだが、こういう入り方、結構好きでおます。
紅雀さん、熱演・・・。特に、講釈の段はきっちりと語ってくれるのが、嬉しい。
コウモリみたいに壁にへばりついた手が、おもやんに触れて、ポーッツとなったり、
「オケラ、毛虫・・・、・・・、・・・・・・、ぶんぶの背中は、ピッカ、ピッカ」の唄のあと、
「おまえ、ようそんな唄、覚えてるな」
「それ覚えれるんなら、何で、八百屋で、胡椒の粉、二銭ガンが覚えられへんのや」との、ツッコミ、など。
随所に、紅雀さんの、明るさ、たのしさが散りばめられた、「くしゃみ講釈」でおました。
五、桂雀三郎・・・・・・・・・・「くやみ」
本日の、秀逸。
「落語家」というのは、何をいうても、何処でいうても、許される人種ですが・・・。
東京の噺家さんの葬儀で、焼き場でお寺さんが読経、鐘を「チーン」と鳴らすと、
「電子レンジの、チーンみたいですな。」・思わず「うまいね」と誉められたと。
東京の歌之助さんの落語に、お父さんの葬儀(焼き場)で、「お父様、火加減はいかがですか。」
というのも、ありましたが、まあ、普通では言ってはいけない言葉、場所というのがあるのですが・・・。
で、「くやみ」へと、雀三郎さんの「くやみ」帳場の者は、最上屋のおなごしを、鰻で口説くは、
のろけを言う、又はんは更に、強烈。行水のタライの中に夫婦二人が入って、洗い合い。
背中だけではなく、前を合わせて抱きあって洗う「何か、当たるものがある・・・。」
「この頃、それも、当たらんようになってきた・・。」と、サンケイ・ブリーゼでは披露できない様なネタ。
この雀三郎さんの、ハチャメチャ感、一期一会のライブ感は最高でおますしたな。
六、桂こごろう・・・・・・・・「一文笛」
「ええ、旦さん・・もぉし、旦さん」と、マクラなしで即、噺へ。・・ああ「一文笛」や。
結論からいうと、今まで聴いたこごろうさんの噺の中で、一番遠い処のネタか。
この噺、上方では、数少ないしんみりさせる噺だけに、多少人情噺っぽく少しクサイぐらいが、
最後の「実は、わたい、ギッチョでんねん」のドンデン返しが活きる様に思えるんですが。
シャイなこごろうさんは、お涙頂戴は性に合わず、避けられたみたいですが、
この頃、噺の中で、お涙頂戴を期待してしまっている、私でございます。
サゲの、ほん手前で、グラグラと地震がきましたが、動揺もせず「実は、わたい、ギッチョでんねん」、
言いきって終わる。
さすが、こごろうさん・・・・・・絶妙のタイミングでおましたな。
秋日和の日曜日、大好きな噺家さん勢揃いで、楽しませてもらった、動楽亭でおました。
動楽亭・昼席
2011年10月9日(日)午後2:00開演
動楽亭
一、桂吉の丞・・・・・・・・・・「強情灸」
二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・「千早ふる」
三、桂雀松・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」
四、桂紅雀・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」
仲入り
五、桂雀三郎・・・・・・・・・・「くやみ」
六、桂こごろう・・・・・・・・「一文笛」
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