ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ひとり舞台ファイナル~笑福亭松喬

2011-12-11 23:30:19 | 笑福亭松喬一門

十八番たっぷり、初演あり。師走を飾る、松喬渾身の大一番。


初めてのABCホール


お弟子さんたちが総出でお出迎え。


落語にはちょっと大きめの会場。


松喬さんが彫られた木彫りの看板。


一、笑福亭三喬・・・・・・・・「住吉駕籠」

石段の出囃子で、三喬さん登場・・・これまた新鮮ですな。
三喬さんの「住吉駕籠」、いつも聴いてるのとはちと違う。(原型という方もあるが)

一人で駕籠に乗って、「エイ、ホー」の掛け声の代りを鳥の鳴き声で・・・
雀の「チュン、チュン」、カラスの「カォーオ、カォーオ」、最後は鶴の「るー」
オチは「鶴の一声」でキマリ。

時間の都合なのか、酔っぱらいのからみの、「もーし旦さん・・・・・・
ポチも入れて二分一朱や。安っすいなぁ……。えびの鬼瓦焼き、卵
のまき焼き、イカの鹿の子焼き、焼き焼き焼き……」のいつもの部分がなく
ちょっと淋しい・・・・・・でも、三喬さんの前座なんぞ、いたって贅沢にスタート。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・「稽古屋」

一門の末弟の弟子として、師匠の六代目の思い出をマクラに。
十八番の「稽古屋」を、最初の色事根問の処を飛ばして、ショートバージョンで。
でも、最後のオチは、屋根に登って「けむりたつ」までたっぷりと。

稽古屋に着いてからは、鶴二さんの独断場。
お師匠はんがでてきてはんなりと、喜撰の唄でしっとりと、同じ笑福亭でありながら、
松喬一門にはない、明るくてそして色気を感じる高座でおましたな。


三、笑福亭松喬・・・・・・・・「へっつい幽霊」

松喬さんの「へっつい幽霊」では、特に作ぼんのぼんぼんぶりの抜けぐあいが大好き。
客が呼ぶ「道―具屋、・・道―具屋・・、}の声が、頭に残る。

パンフレットに書いてあったように、所どころでつけて頂いた松之助師匠の匂いが
するのは、まずは正攻法できっちりと稽古される松喬さんの証ですな。


四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・「青木先生」

「ピィ―・・・」と怒ると奇声が鳴る、高校時代の現国の先生「青木先生」のハナシ。
聴くたびごとに、常に、変化、進化している。
本格派の落語好きのいっぱいの松喬ファンに
独特の鶴瓶ワールドで笑いのツボにはまらせる。

「ええかげんに、せえ・・・ピィー」、・・「このクラスは、ペケ」・・「ノートをとれ」
青木先生の肉声と共に、生徒へのほのぼのとした優しさが滲みでる。

何度でも聴きたくなる「青木先生」は、やはり鶴瓶さんの私落語の代表作ですな。


五、対談・・・・笑福亭松喬、笑福亭三喬

香川登志雄さんが、六代目の松鶴とのラジオでの対談のテープを三喬さんが持参。
そこで次の一門の有望な噺家での質問に、すかさず鶴三と答える松鶴。
それを聞いて、当時学生の三喬さんがそれからの一年間、追っかけをして
弟子入りを決めたと。・・・・・・・記念すべき音源を舞台で披露。

三喬さんは、弟子の喬介さんの日頃の勉強への姿勢にチクリ、
まあ、落語への真剣な取組み方が共通なのが、松喬、三喬の結び付きなんでしょうな。


六、・笑福亭松喬・・・・・・・「ねずみ穴」

今回、ひとり舞台ファイナルの千秋楽のトリネタは、ネタおろしとしての挑戦「ねずみ穴」。
兄弟の愛情いや、憎しみをえがいた噺。
最初、商売をしろと言って、兄が貸した金がたったの三文。
煮えくり返る弟、それを元手に商売して十年後には立派な商人に。
兄は本当に弟のことを思って、三文しか貸さなかったのか・・・。

再び家が焼けて無一文になった弟に、「金など貸せるはずがない、身代を譲るなんて」
酒の上での噺と断る・・・。

兄の本心は、何処に。この噺、兄弟といえども、自己中心の人間の嫌らしさがテーマ。
本来ここで、噺は終わっているのだが、あまりにも後味が悪く重たすぎるので、
夢の部分を付け加えたように思える。

厳しい愛情でと、一見美談のように見えるが、そこまで追い詰めなくても、
いつ、なんどきでも手を差し伸べる機会があったのに・・・。

でも、松喬さん、いやな兄貴を、薄めることなく演じ、
緊張と緩和の、その緊張が会場に張りつめた、松喬さんの「ねずみ穴」でおました。

サゲは、「夢は土蔵(五臓)の疲れ」、解り難くくて、まさにとってつけたようですな。



2011年12月11日(日)午後2:00開演
笑福亭松喬ひとり舞台ファイナル・六日目
ABCホール

一、笑福亭三喬・・・・・・・・「住吉駕籠」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・「稽古屋」
三、笑福亭松喬・・・・・・・・「へっつい幽霊」
四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・「青木先生」
仲入り
五、対談・・・・笑福亭松喬、笑福亭三喬
六、・笑福亭松喬・・・・・・・「ねずみ穴」

・・・・・・・・・・・・三味線・・・花登益子


お客様をお見送りの松喬さん。


帰路の中之島、水の都、大阪ですな。





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