ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

空飛ぶ馬~北村 薫

2011-12-24 12:51:05 | 本の少し
空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
クリエーター情報なし
東京創元社



柳家三三で北村薫~(円紫さんと私)シリーズよりという落語会が、西宮の芸術センターであると知ったが、
「北村薫」「、円紫と私」って何と、思い辿りついて買ったのがこの本。

ヒロインの女子大生の「私」と、探偵役の噺家、春桜亭円紫との日常の不可思議なことを解いていくという物語。
でも、推理小説というより、人の暖かさ、人の優しさに触れることのできる、ほのぼの本である。

噺家として登場する春桜亭円紫、上方の噺家にはいないタイプ、粋でかっこいい。


落語ファンとして、気に入った箇所を紹介すると、

正ちゃんという娘が、「大勢を相手にする御仕事なのに、お一人が好きですか。」と聞かれた円紫さんは、
「だから、なのかな」ちょっと思案しながら「大勢を相手にしていませんね」と・・・。

「それじゃ一部の人、噺の分かる人が相手なんですか?」

「いいえ。一部でもない、たった一人、自分ですね」・・「自分?」
「ええ、若い頃の僕が相手です。一席一席、純な期待をこめて耳を傾けていた僕がね。
お客様は全員がその頃の僕だと思って話しています。この相手はごまかせません。
それをごまかしたら、自分で自分に落語をやめろというのと同じですから・・・。」

この言葉で、いかに円紫さんの噺家として、正面から落語に向かい合ってるのが解りますな。

シリーズとしては、「夜の蝉」、「秋の花」、「六の宮の姫君」、「朝霧」と続くらしいが、
急いで読もうというのではなく、ゆったりとした時間の中で読みたい本なので、
長期休暇のときに、他の本と一緒に手にする様な、本でおますな。


にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする