![]() | 空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書) |
クリエーター情報なし | |
東京創元社 |
☆
柳家三三で北村薫~(円紫さんと私)シリーズよりという落語会が、西宮の芸術センターであると知ったが、
「北村薫」「、円紫と私」って何と、思い辿りついて買ったのがこの本。
ヒロインの女子大生の「私」と、探偵役の噺家、春桜亭円紫との日常の不可思議なことを解いていくという物語。
でも、推理小説というより、人の暖かさ、人の優しさに触れることのできる、ほのぼの本である。
噺家として登場する春桜亭円紫、上方の噺家にはいないタイプ、粋でかっこいい。
落語ファンとして、気に入った箇所を紹介すると、
正ちゃんという娘が、「大勢を相手にする御仕事なのに、お一人が好きですか。」と聞かれた円紫さんは、
「だから、なのかな」ちょっと思案しながら「大勢を相手にしていませんね」と・・・。
「それじゃ一部の人、噺の分かる人が相手なんですか?」
「いいえ。一部でもない、たった一人、自分ですね」・・「自分?」
「ええ、若い頃の僕が相手です。一席一席、純な期待をこめて耳を傾けていた僕がね。
お客様は全員がその頃の僕だと思って話しています。この相手はごまかせません。
それをごまかしたら、自分で自分に落語をやめろというのと同じですから・・・。」
この言葉で、いかに円紫さんの噺家として、正面から落語に向かい合ってるのが解りますな。
シリーズとしては、「夜の蝉」、「秋の花」、「六の宮の姫君」、「朝霧」と続くらしいが、
急いで読もうというのではなく、ゆったりとした時間の中で読みたい本なので、
長期休暇のときに、他の本と一緒に手にする様な、本でおますな。
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