桂春団治 はなしの世界 | |
クリエーター情報なし | |
東方出版 |
☆☆☆☆
三代目、春団治さんの本、この前東京の神保町の古書店で買ったもの。
1996年初版の本ですが、今迄見たことが無かった本。
何か出会いを感じるのは、古書店の良さですな。
三代目といいながら、初代、二代目も詳しく語られ、この前亡くなられた米朝師匠
文枝師匠、六代目松鶴師匠も登場し、三代目について祝辞というか、
思い出ばなしや、芸風について述べられている。
帯を見ると、「三代目桂春団治芸能生活50周年記念出版」と
そして、すいせん・古今亭志ん朝と書かれている。
十八番である、十一の噺がすべて速記文で書かれている。
「いかけや」「祝いのし」「お玉牛」「親子茶屋」「子ほめ」「皿屋敷」
「代書屋」「高尾」「月並丁稚」「野崎詣り」「寄合酒」・・・・どれもよろしいな。
これ以外で、我家にあとCDがあるのは
「平林」「有馬小便」「豆屋」「宇治の柴船」「寿限無」だけですな。
芸談で気になったところは、
よく世間では「春団治の落語は何度聞いても同じ完成品である」と
いう意見があるが春団治の落語は毎回条件の違う場所で、
一見同じ落語のように一部の好事家や評論家に思い込ませ、
楽しませるという凄さがあると、条件の変わった分、違った演じ方で
あるのにもかかわらず、同じ落語のように思わせ、楽しませるのが
ほんとの、凄さであると・・・・。
そして、それをなしているのが、春団治の“間”であると、
間には縦の間と横の間があると・・・。
縦の間は言葉の抑揚や人物どうしの距離感などを表わす時に用いる。
横の間は文章で言えば行間。速記本で読むとこの味はわかりにくいが、
春団治落語は、その日の客筋に合わせて間合いを自由に変化させ、
それによって登場人物の息吹や噺のテンポまで変えているのだと・・・。
それでいて、聴き手を納得させる一期一会の芸だと・・・。
春団治さんの十八番の、十一の噺、一度この本の速記を拡げながら、
CDでじっくり聴いてみたくなりましたな。
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