笑福亭鶴瓶論 (新潮新書) | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
☆☆☆
短歌の本ばかりが続いているので、お口直しに落語に関する本を。
新刊で、早速読んでしまった、今や「国民的芸人」になった鶴瓶さんを掘り下げる。
運と縁を引き寄せるスケベで奥深い人生哲学とは。
例えば「ネアカで元気でへこたれず」と鶴瓶の好きな言葉。
「嫌なことより、たっぱりね、いいことのほうが強いですよ」
「イヤと思って拒絶することは簡単やけど、イヤやからよけい近づくって
いう方法を何十年もとっているんです」、この「人見知りをしない、
時間見知りをしない、場所見知りをしない。そこに対していかに助平になるか、。
それが芸人にとってフラになるんやから」と鶴瓶さんの瓶は“べえ”につながる。
「お笑いにはいろいろな考え方があると想うんですけど、予測もしないアクシデント
が起きた時、いかにそれをおもしろくするのかっていうのが僕の中ではプロなんです。
アクシデントに見せないでいかにおもしろいなって思うように逆転するかって
いうのがプロだと思って入るんですよ」と・・・・。
それは、NHKの人気番組「家族に乾杯」と「ブラタモリ」の違いに現れている。
番組がコラボレーションし、同じ場所を訪れたときも、タモリは、
「同じようにブラブラしているようで全く違う番組なんですよ。
鶴瓶は水平の番組で、こっち(タモリ)は垂直の番組」だと、
タモリは街の歴史や地形の変遷などに興味を示し、鶴瓶はいまそこに住んでいる
人たちにフォーカスしていく。
そこでの仕込なしの素の人たちに飛びこんで、アクシデントを楽しみながら
おもしろみ変えていく・・・・まさに、ひとたらしの鶴瓶ならではの番組だと言える。
そんな、現在進行中の笑福亭鶴瓶さんの生き方を紹介した本でおます。