ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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短歌があるじゃないか。・一億人の短歌入門

2017-10-03 15:43:21 | 本の少し
短歌があるじゃないか。―一億人の短歌入門
クリエーター情報なし
角川書店


☆☆☆

角川ソフィア文庫版「猫又」シリーズの第三弾。

「猫又」とは、当時雑誌編集者であった澤田康彦氏が、深夜の原稿待ち時間や
週末のヒマに飽かせて、気まぐれに始めたメール&ファックス短歌友の会会報誌g
「猫又」である。

今回は、穂村弘さんと東直子さんが、その投稿された短歌に
厳しくまた愛情をもって、コメント。

私の、短歌勉強の為にも、気になった短歌を列挙。

【きらきら】
雨やどりさっとひと降り夏の宵みつめる瞳がキラキラ恥じる (宮崎美保子・52歳)
ケダモノの匂いを窪地に嗅ぎにいく キラキラ光る雨雲の午後 (那波かおり・42歳)
夏の子は海の黒点きらきらの波間に浮きつ潜りし著し (堂郎・39歳)
休んだ月曜のトマトジュースがきらいここにいない君もきらい (ねむねむ・28歳)

【草】
脱衣場の狭さも嬉し草津の湯脱いで開ければ広い脱衣所 (本下いづみ・41歳)
・ワインならまかせなさいと言い乍らグラス倒すこのタコおやじ (本下いづみ・41歳)
・婚約者(フィアンセ)の海辺の故郷 家々に黄旗はためき 汲み取りば呼びよっとよ (〃)
月に指かざして狐と遊んでるすみれ咲くまでここで待ってます (やまだりよこ・40代)
やれ寝るか草木も眠るウシミツどき妻の寝言は「ちよのふじ」なぜ? (国見太郎)

【人名を入れ込んで詠む】
寺尾観て黙ってる人押し倒しうっちゃられたがスイッチ消した (本下いづみ)

【人類史上最大の発明とは何か】
消去する電話番号あっけなく〈ショウキョシマシタ〉何もかも? (本下いづみ・40歳)
せんたくきぐるぐる回る泡を見て今日も私の一日がはじまる (柴田ひろ子・20代)
なんにでも醤油をかけるあの人をばかにできないおんなじルーツ (谷口さおり・20代)
洋式の便座にすわり読む新聞朝のゆとりを感謝しながら (渡邉晴夫・51歳)

こうしてみると、いかに、本下さんのユーモア溢れる短歌が気に入っているのが
よくわかりますな・・・・こんな、ほっとする短歌詠みたいですな。
コメント
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