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今年はちょいと多めに短歌集を読んでみようと、やはり短歌を読んでいると自然と短歌のリズムが身体にしみ込んでいくようで、その時に詠んだ短歌は出来が良いようでおます。
でも、この木下達也さんの短歌、言葉はやさしいことばで綴られているのですが、内容はいたって難解。この波長は私には合わないようでおます。肌に合う合わないというのも、短歌には大切なことでおます。
その中でも、気になった歌は
風にだけ読める宛名が花びらに書かれてあってあなたへ届く
こころっていつもからだについてきて歩行の邪魔をするからきらい
前髪を耳にかければ母に似て明朝体のような横顔
ひっぱってくれるタイプの犬だったときおりぼくにふりむきながら
くちづけのたびに明度は低くなりあなたにはもうまぶしさがない
読み終えてややふっくらとした本にあなたの日々が挟まれている
チョコレート菓子から先に秋となりその色合いに木々が従う
あとがきにある
歌集になるとき、横書きの短歌が、縦書きとして立ち上がる。
これ好きです