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岸城短歌会に先生として今年から来られている金川宏さんがお薦めの八上桐子さんの「hibi」の川柳の句集。
でも、私たちが抱いている笑いや風刺たっぷりのものではなく、季語のない俳句のよう。ましてや、八上さんの句は、日々の暮らしの中から生まれるモヤモヤとした感情や感覚を、静けさの中で思考する。
この静けさが、八上桐子さんが描く世界です。
この静けさが、八上桐子さんが描く世界です。
ごまめが気にいった句は・・・。
・指先の鳥の止まっていたかたち
*腕組みをほどく木の葉がどっと舞う
・てぶくろの犬の匂いを嗅いでいる
・よごれてもよい手と足で旅に出る
・走り出すちいさく一度揺れてから
・書き終えてレタス一玉裂いている
*はじめての町をいちじく揺らすバス
・無言でもいい人といる埋立地
・からかって男の肺をふくらます
*ヒヤシンスじゃあどうすればよかったの
・夢に意味があってぬるいコカ・コーラ
・植物園の半券に似たおわり
・秋に入るひとつも釦ない服で
・ぬれてかわいてぬれてかわいて岬まで
*ひんやりとはじまるものを春と呼ぶ
・ごまめのみ、*ごまめと金川先生のお気に入り

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