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志村さんの、第41回・日本エッセイスト・クラブ賞受賞の本。
小雨の中でお庭をゆったりと見ているような、ふわりとした心になれる本。
いろんなことに触れられているが、一番興味も感動もするのは、やはり染色についてのお話。
「匂う」という言葉、「紅にほふ」とは派手に浮き立つ色のことを「匂う」と言ったのが、いつの間にか嗅覚の匂いになってしまったと。
「匂ふ」について、染色している友人たちは「匂いの感覚」からくるものだといい、国文学の友からは、当然「色彩感覚」からくるものだと。
でも、「匂ふ」という言葉が大好きで、色と匂いが一体で、それにまつわる人のいでたち、ふるまい、までが「匂ふ」、微妙に広がるのは、やはり「匂い」の特性では・・・・。
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