ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

東西吟選落語会~七夕寄席~

2013-07-07 23:23:11 | 江戸落語
本日は、嫁さんと神戸まで落語を聴きに遠征。
つきあって貰う為には、そのあとの買い物と食事が大事でおます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

初めての神戸文化ホール、地下鉄の大倉山駅を上がればすぐ。
ハーバーランドに向かってなだらかに神戸の街が見える。

今日の秀逸はトップの、一之輔さんの「初天神」。
凄い、CDを含めても今迄聴いた誰よりも、おもしろい。

最初からとばすので、次の喬太郎さん、三喬さんといつも以上にヒートアップ。
市馬さんの「笠碁」でようやく落ち着きを取り戻すが、
逆に仲入り後の後半のお二人、尻すぼみに盛り下がってしまう・・・・・・残念。

落語会の出番というのは、微妙にして難しいもんなんですな。


一、春風亭一之輔・・・・・・・・・・・・・「初天神」

最高、今迄聴いた中で最高の「初天神」。

普通、子供が小学校低学年なのに、一之輔さんの「寅こう(これは大阪か)」は高学年。
その生意気ぶりが、現代っぽくて活き活きとしておもしろい。

「隣の●●ちゃんとこに生まれたらよかった。」
「●●ちゃんのおじちゃんなら飴玉なんかいくらでも買ってくれるよ」

「お父さんだって、子供が●●ちゃんだったら、嫌というほどもう既に買ってるよ」

周りの人に手を振って愛想する子供に、

「知らない人に愛想するんじゃない。手を振るのを・・やめなさい。
日本では、知らない人に手を振って良いのは、一家族だけなんだから」とか、

駄々をこねてようやく買ってもらえることになったら、飴やが
腕を叩いて「いい腕、してるね」という仕草。

みたらし屋は、親指を立てて「グッド、ジョブ」と

終始、新鮮・・・たった三歳ほど年が上がっただけなのに、
子供知恵というの成長するんですな。

さすが、期待の真打、神戸まで来た値打ちがありましたな。


二、柳家喬太郎・・・・・・・・・・・・・・・「幇間腹(太鼓腹)」

幇間のジュンサイさのマクラで始まる、「鰻の幇間」と思いきや若旦那の道楽へ
上方は針を打ってからがそこそこ長いのだが、東京の方はそこはあっさり、
そのぶん前半部分がこってり、そいえば南なんでは、趣味道楽でゴルフ、競馬
なんかがでてきましたな・・・。

喬太郎さん、嫁さんでてくるなり「お爺さん」50と言うと「えぇ」と
私が抱いている溌剌さよりも、貫禄の方が勝っているんでしょうな。

一之輔さんを聴いていなけば、それなりのインパクトはあったんでしょうが、
このまえの「ハンバーグができるまで」が強烈だっただけに、ちょっと控えめと
おとなしく感じた喬太郎さんの「幇間腹」でおました。


三、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・「鷺とり」

強烈さでは、上方代表の三喬さんですが、これまた一之輔さんに煽られたようで、
おもしろいんですが、いつもと違う、空回り感がある。

噺は「鷺とり」、商売根問の「今、おまえさん、どこに居てんのや」からはじまりたっぷりと、
江戸っ子の雀の登場では「喬太郎雀」が・・・・ただ萩の円頓寺の鷺とりまではいかず、

サゲは、「とり捕りで、日本一、いや世界一になった
、在りし日のカーネギ・サンダースの一席でございました」と、

一度、天王寺の屋根に上がって、「へんや、へんや」と大騒ぎする、
三喬さんの、ニワカ、聴いてみたいもんですな・・・・。


四、柳亭市馬・・・・・・・・・・・・・・・・・「笠碁」

やっと、落ち着きの取り戻した、市馬さんの「笠碁」。

大ホールの四列目の一番端の席。
こんな、目線の大事な噺では、正面の顔が見えないというのは致命傷。

市馬さん美声だけが心地よく響き、横をみると案の定、嫁さんはウツラウツラ。
炎天下の日光浴のような三席のあと、良くクーラーの効いた部屋に戻ったみたいな一席。

青臭い少年のような大人の噺、こんな粋さはやっぱり江戸落語でおますな。


五、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「さくらんぼ(あたま山)」

でてくるなり、今までは本格的落語ですが、これからはバラエティの部、です。

久しぶりの阪神前の「なぞなぞおじさん」の登場。
前は、兄ちゃんだったような、今回はおじちゃん、
胡散臭ささは変わりませんがやはり十歳年はとってる設定・・・・。

不思議な噺ですが、江戸時代からあったとか、このSF的発想があったなんて、
良く考えれば、江戸が終わって150年そこそこ、長い歴史からみれば、
ほん近く、同時代なのかもしれませんな。

終始、「ついてきて、くださいよ」の連呼。
でも、お日さんがカアーという仕草、枝雀さんと一緒で懐かしかったですな。

初めてなのに、何度も雀々さんで聴いたように思っているのは、
枝雀師匠の(高座、CD、DVD)の影響か・・・・。


六、桂小枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「小倉船」

まだまだ、続く不思議シリーズのハナシ。

旅ネタで、竜宮界竜の都の噺で、文太さんや、雀松さんでは聴いているが、
達者な噺家さんでも、笑いどころが少なく、踊りや活劇の仕草で感心さされる噺なのに、
なぜ、小枝さんが選んだのか、なぜこの噺なのか、・・・・・・。

尻すぼみにて終了・・・・・終わってみれば、最初の一之輔さんが全て
後の方をたきつける、実力のあり過ぎる前座さんも、考えもんですな。

外に、出るとまだまだ暑い神戸の街、
坂道をハーバーランドへ向かって歩き出しました。



東西吟選落語会~七夕寄席~
2013年7月日(日)午後1時開演
神戸文化ホール・中ホール


一、春風亭一之輔・・・・・・・・・・・・・「初天神」
二、柳家喬太郎・・・・・・・・・・・・・・・「幇間腹」
三、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・「鷺とり」
四、柳亭市馬・・・・・・・・・・・・・・・・・「笠碁」
仲入り
五、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「さくらんぼ」
六、桂小枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「小倉船」



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笑福亭鶴二の道頓堀落語会・vol 2

2013-07-05 22:42:45 | 笑福亭鶴二

第二回目の道頓堀落語会

岸本栄一(ギタリスト)さんと、かんのとしこ(アコーディオン)さんのデュオもお楽しみ。

一、桂紋四郎・・・・・・・・・・・・・「つる」

受付をお手伝いしながら聞いていたので、前半部分は聴けず。
二回目のつるの命名のいわれを聞いて飛びだすあたりから聴きだすが、
何度も聞いて知っている噺だが、最後のオチの部分だけ聞いても笑えない。

やはり、噺の仕込の部分って大事なんですな。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「代脈」

確か、仁鶴さんで聴いたことがあると思うのだが、鶴二さんには珍しい噺。
もう少し色っぽさがあるようなないような噺だった気がするが、
やはり、鶴二さんの「代脈」いたって健康的・・・・・・・・。、

最近ネタおろししたばかりと、聞いていますが、どんな風に変化していくのか興味ありますな。


三、岸本栄一(ギタリスト)、かんのとしこ(アコーディオン)


かんのとしこさんは、一カ月イタリアへお勉強に行っておられて、帰国されたばかり、
岸本さんとの初めてのセッションで、ちょっとした打ちあわせだけで演奏できるなんて
ミュージシャンの方って凄いですな。

「上を向いて歩こう」からはじまり、シャンソン風、映画音楽風、など曲目ははっきり言えないんですけど
最初の数分でお笑いの空気を一掃、まるで違うお洒落な空気に入れ替わる。

普段、笑いを含んだ色物さんで慣れているだけに、生真面目真面目な演奏に、
どう対処したら良いのかちょっと戸惑った舞台でおました。



四、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・「時うどん」

なかなかの好演。

親しんだネタだけに、どこか変化を望んで聞く今日この頃ですが、
へんな小細工なくても、正攻法で充分楽しませてくれた、呂好さんの「時うどん」
今、そばをうどんに直しましたが、「時そば」に聴こえたぐらい、シュっとしていたということですな。

この、道頓堀落語会、呂好さんの新しいネタが次々聴けるのも、楽しみの一つですな。


五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「船弁慶」

さすが、夏になれば、鶴二さんの「船弁慶」を聴かなければと思いきや、
今日7月7日に梅雨明け、本格的夏の到来でおますな。

雷のおまつの立て弁、いつにもまして、でてくる料理、鱧に西瓜に水なすにそうめん。
美味しそうですな、打上げでも鱧ありましたが、早速翌日の土曜日、家でも鱧鍋しましたで。


今日初めて来た、会社関係のお二人に冷かし気味に、

「雷のお松さん、いかがでしたか・・・・。

夏の遊びの難波橋
対の浴衣に桶鼓
簾下して忍ぶ小間
笹が取り持つ縁かな

是非、次回も素敵な彼と一緒にお越しください」

とLINEすると、

「そもそもこれわ
桓武天皇九代の後胤、平の知盛幽霊なりぃ
あーら珍らしや
いかに義経思いもよらぬ浦浪のぉー

とは言いませんよ、雷のお松より・・・」とのなかなか粋な返事。

次の道頓堀落語会にも、新しい落語ファン一名様ごあんないでおますな・・・。



次回は、9月6日(金)同じく午後7:00開演でおます。





笑福亭鶴二の道頓堀落語会・vol 2
2013年7月5日(金)午後7:00開演
道頓堀 ZAZA  

一、桂紋四郎・・・・・・・・・・・・・「つる」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「代脈」
仲入り
三、岸本栄一(ギタリスト)、かんのとしこ(アコーディオン)
四、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・「時そば」
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「船弁慶」







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コメント (2)
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日々の非常口~アーサー・ビナート

2013-07-04 05:45:14 | 本の少し
日々の非常口 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

☆☆☆

この頃、読書ログを始めてから古本屋に行く機会が増えて、
そこで見つけた、アーサー・ビナートさんの本。

既に何冊か読んでいるが、内容がみな同じでどれが新しいのか古いのかわからない。
平成21年発刊とあるので、エッセイ集としては新しい方か。

気になったのは、二、三箇所しか、なかったのですが。

“ツバメの戒め”というエッセイでは、ミシガンの故郷で親類が集まった時、
伯父が「みんな景気の低迷を嘆いてるけど、ここにきて設備投資が伸びて、
これから上向くに違いない。株は今が買い時だ、絶対に」と、一席ぶち始めると。

黙って聞いていた祖母が、そこでズバッと一言。

“One swallow doesn't make a summer.”

「ツバメが一羽飛来したとて、すぐに夏になるわけではない」と、

まさに、アベノミクスですな。

株価が上っただけで、国民全ての生活が良くなるなんて、
景気が良くなり、給料が上がり、庶民が豊かな生活が実感できるまでには
今相当の時間が掛かりそうですが、その前の消費税アップが・・・・・気になりますな。

ツバメではないですが、長い暑い夏だけは、今年も間違いなくきそうですな。

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甚九郎のおっちゃん~国東康宏

2013-07-02 05:15:36 | 本の少し
甚九郎のおっちゃん―懐かしき大阪
クリエーター情報なし
日本文学館

☆☆☆

ヴェレッジ・ヴァンガードで見つけた本。

まあ、紀伊國屋、JUNKUDOではあっても到底出会うことの事のない本。

そういう意味では、違ったジャンルの本に出会うにはヴェレッジ・ヴァンガードは
なかなかのもの・・・。

懐かしき大阪の下町の情景を描いた短編集で、

甚九郎のおっちゃん・千本通り六丁目・けつねうろん・の三つ。

この作者、落語好きとみた。

“千本通り六丁目”での子供たちは「いかけ屋」のガキどもで、
“けつねうろん”は舞台といい狐といい落語の「天神山」でおます。

2012年6月1日、第1刷発行とあるが、結構最初に目にしているのではないか・・。
この本との出会いも、狐さんのお導きではないか・・・・・・
そんな気にさすような本でおますで。

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