「もうあんなバアさんはやめろ!!」 別にこれは離婚の話でもおばすて山の話でもありません。車のことです。ブルガリア語で車を意味する語「コラ」は女性形。それで車のことを女性にたとえるのです。俗に新しい車は若い女性、そしてうちの車のような古い車は「バアさん」なのです。
やっとの思いで手に入れたうちの「ボルボ340」ですが、売り手にだまされたのか、それとも売り手も知らなかったのか1987年式と思ったものが本当は1982年式でした。だから24年前の車!!! です。今、日本で82年式の車って見かけることあります? (ないよね~・・・)
買ったとたんにたくさん修理をしなければならなくなりました。スピラチキ(ブレーキ)、スコロストメル(スピードメーター)のジロ(ケーブル)、アクムラトル(バッテリ)そしてスレダーテル(クラッチ)などなど・・・そしてガルネ(マフラー)は穴だらけでただぶら下がっている状態。でも、憎らしいほどドビガーテル(エンジン)は元気です。
そして、この「ボルボ340」の最大の特徴、そして最大の欠点、カルダン(プロペラシャフト)が壊れてしまいました。このカルダン、普通の車とまったくちがって、アルミのパイプの両端に貼り付けてある(?)ゴムの部品で車の前のほうにあるエンジンと後ろのほうにあるミッション(これもまたこの車の特徴!!)を連結しているそうです。一度、運転中に、このゴムの部品が破れて空回りを始めたせいで(多分、老朽化のせい・・・)、「ギギギギギー」と、それこそ本当に断末魔の叫びを上げて道路の真ん中で停まってしまいました。しかも、田舎町ペルニックの中心の交差点、スゴイ音をたてたのと、こげた金属のにおい、そしてこんなオンボロ車から日本人が出てきたのでたちまち通行人の注目の的に・・・ ハ、ハズカシイ~。
停まっていたタクシーの運転手たちが助けてくれて車を歩道に寄せ(感謝、感謝!!)、それから友人のステフチョの車で牽引してもらって家の前まで持ってきましたが、これからどうしたらいいのか・・・・
ブルガリアでは結構見かけるボルボ。でもこのユニークなつくりの340は希少なタイプのようです。しかも24年前の型・・・いろいろなアフトチャスティ(部品屋)をまわりましたが、なかなか見つかりません。
そんな時、別の友人ロザンが言うのです。「そうだ!! グロビシュテに行こう!」
グロビシュテ?!? つまりお墓??? 何しに? (つづく)