EUに加盟してから特に、日々感じるのがブルガリアの人々の「格差」が開いていること!!です。近所の外資系スーパー「ビラ」では、お金持ちそうな若いカップルが50レバ札(4000円くらい)を何枚もレジで切っているのに、その隣の対面販売の小さな食料品店では、人々はパンひとつ、卵2個、ヨーグルト1個で計1レバ20(約100円)ほどの小さな買い物でも、考えつつ、迷いつつ買っています。その上、この近所にさらに「カウフランド」とかいうドイツ系の大型スーパーマーケット(フランス系の「カルフール」かと期待していたのに・・・違いました)が建設中・・・ 失業者のこんなに多いところでだれが買うんだ??
そのせいもありますが、最近よく聞くのが「クラデッツ」という言葉。つまり「ドロボー」です。地元のブルガリア人によるとロマの人の中に多いんだとか。(ロマの友人から、「わたしの知り合いにドロボーを家業にしている人がいる。」と聞いたことがあるので、ただ単に根拠のないうわさというわけでもないようです。もちろんホンの一部の人です。) まず、子供たちや若い人が建物の中に入り、軒並み全部の家のベルを鳴らし、その時間帯どの家が留守かを確認するんだそうです。その後、大の男たちが盗みに入る・・・ オオ~、コワ!! アパートではまだ人々の目のつきやすい所なのでいいのですが、少し離れた一戸建ての家や、逆にこうした貧しい人々がよく通る通り道にある家は狙われやすいようです。
そういうこともあって、多くの建物の共同の入口(ブルガリア語でブホッド)もカギをつけるようになっています。ソフィアではすでに多くの建物がそうなっていたのですが、この、全体的に住民が貧しいペルニックでもそうなってきています。ビンボー人がビンボー人から盗む・・・う~む。だから盗まれ方がスゴイ!! あるおばあちゃんはテレビを盗まれたそうですが、それは20年以上前のデ~ッカイブラウン管式のもの。でも、たまたま保険が掛けられていたそうで、お金がおりて買ったのはもう画面が丸くない新しいものでした!! 「かえって良かった」って言ってるそうです。
にしても、各家についているカギに、さらに建物の中に入るためのカギが必要になると、セキュリティーにはいいかもしれないけど本当にメンドクサイ・・・ なぜかというと、住民はみな貧乏なので、入口にカギはつけるけど、オートロックやインターホン(こちらではドモフォンといってます)までは付けられない。(昔はあったのかもしれないけど壊れたままになっているところも多い・・・ ちなみに、写真のオートロック、きれいに修理されて動くようですが、住民はめんどくさがって入口を開けたままでした。) ベルをつけるのもままならない。では、本当にそこに住む住民に用事があって訪ねなければならないのにブホッドが閉まっているときはどうするの??
①下から叫ぶ!!(または指笛を吹く) ウチのアパートがまさにそれ! 子供たちが朝学校に行くのに友達を呼ぶ声がこだましています。うるさ~い!!!
②カギを持っている(そこの入口の別の)住人が帰ってくるのを待つ。または誰かが中から出てくるのを待って入らせてもらう。でも、何時間もだれも出入りする人がいないこともある・・・ 冬場はツライ・・・
③下から小石を窓に向かって投げる(!) 窓を割らないように注意しましょう。
そうして、①や③の方法で上に住んでいるお目当ての住人に気づいてもらったとしても、今度は上からカギが「降って」きます!!! 「自分でカギを開けて昇って来て!」 バーバ・ターニャのところに行ったときなど、彼女は7階から、いろんなカギがたくさんついたずっしりと重いカギの束を落としてきました!!! コワ~!! あぶないだろ~(怒) 頭に当たったりしたら死ぬゥ~ (第一、そんな上から落としてカギが変形しないか心配にならないのか?)
そうはいっても、ペルニックで盗みに入られる確率は、たぶん日本でドロボーに入られる確率より低いと思うのですが。なのに不便さは日常。う~む、住むんなら安全なところがいいけど、何とかならないのかな~??