おいしい国ブルガリアでのフボボな生活

ブルガリアのこと、まだ忘れ難く・・・
でも、アラフィフからまた新たな挑戦をはじめます!!

入院させてあげて・・・お願いだから

2012-08-01 18:11:08 | ブログ

連日の猛暑でさすがのワタクシもバテバテ・・・ だから年配の人たちにはホントにたまったもんじゃないです。特に今年は冬が記録的な寒さでした。そして今は40度くらい・・・ 冬と夏の温度差が60度近いな~!! そういうこともあってか、友人たちの中でも年金世代以上の人たちは相当調子が悪い人が。救急車もひっきりなしに走っています。そして救急車のために道を開けると・・・ その後ろを何台もの車が爆走して付いていく・・・ バカーッ(怒)危ないだろーっ!! そして案の定患者の乗った救急車が大事故を起こし・・・Lineika
 

でも、問題は救急車の事情ではなく、日本では考えられない医療環境!!

スボヴォダ住居区に住むイヴァンカ。夫、娘家族と一緒にいるのですがもうほぼ肝硬変・・・ 少ししてると腹水がたまってきておなか廻るがゆるゆるしてきます。先日も

「水を抜くのに3日くらい入院しなきゃ~。退院したらまたしゃべりに来て~」・・・

日本にいた時、「腹水がたまる」って言うのはもう末期の患者さんだっていうことだと思っていたけど、水抜きに3日だけ入院、ってどういうこと?

ウチの大家、エンカはさらに悪く、もうかなりヤバい状態でした。先月の始めに家賃を払いに行くと、もう寝たキリ状態、そして例のごとく腹水タプタプ・・・ 「もォ~,エンカ!! 早く入院しないと!! リネイカ(=救急車)呼んであげるから!!」 というと、エンカはかたくなにそれを拒否!!Amburanceinbulgaria (ちなみに写真は救急車がソフィアの救急病院「ピロゴフ」に到着した写真で、「News.bg」から借用しました)

「もう手術とかイヤ!! 病院にいかないでここに往診に来て欲しい・・・」 そんなこと言っても家で治療するのは難しいでしょう。 以前から分かっていたことですがエンカは大腸にがんがあり、つい数年前に手術したのですが、再発。その手術自体と術後にえらい思いをしたらしく、もう手術するのはコリゴリということだそうです。

エンカの息子、ルーメンは半身不随の身障者・・・ そんな体の悪い状況で彼のお世話をするのは大変だったようで数ヶ月前から、「私に何かあったらルーメンが一人になるから、彼を引き取ってくれる施設を探してくれないかしら?」と言っていました。別の友人ルートから、身障者の認定などに関わる部署がソフィア中央駅の近くのセルディカ区役所にあることを聞き、そこで面接して書類が作れれば緊急度の高い順に国営の老人ホームや障害者施設などに入れてくれることがわかり、エンカはそこまでは手続きをしたようです。でも、まだルーメンに順番がまわってきたとは聞いていない・・・

そうこうしているうちに先日、エンカのお嫁さんから突然電話が・・・

「明日エンカのお葬式があるの。エンカの遺言で来て欲しいって・・・」

ルーメンの行き先が決まる前にエンカの命が尽きてしまいました・・・ お嫁さんに最期はどうだったのか尋ねてみると、救急車を呼んだけど、実際は何もしてくれなかったらしい・・・ 実際お年寄り(特に70歳を超える)たちはいつも、「医療現場(救急車やホームドクターなど)から、『もう十分生きただろう? いまさら何の治療をする必要がある?!』 と言われてまともに診てくれない、だからかかりたくない・・・」とボヤきます。大手術をしても、腹水がたまっても数日~数週間しか入院させてもらえず、その後は自宅療養か別のサナトリウムのようなところにまわされるか・・・ そういう人をたくさん見てきてしまったので、最近は

「あ・・・この人もうすぐ亡くなるな・・・」とわかるようになってきてしまってなんだか無性に悲しい・・・Funeralpack

Funeralpackopened
ちなみに・・・ エンカのお葬式は以前に彼女とお掃除に行った息子さんのお墓・・・ ブルガリアで今まで見た中で一番ささやかなお葬式で、集まったのは6人。ウチのムルティプラちゃんに全員乗れちゃう・・・ ブルガリアのお葬式でも「葬式まんじゅう」ならぬ「お葬式パック」があるんですねぇ。中身はブルガリア版お盆・お彼岸の「ザドゥシュニッツァ」と同じもの(バーニッツァ、小麦を甘く炊いたもの)が基本ですが、少し豪華にお菓子の種類が増えて、そしてキョフテまで入っています。葬式参列者と墓堀の人たちに振舞われ、そしてひとつ分はお墓に置いていかれます。参列者がお墓を去る前からノラ犬たちがうれしそうにやってきたのが悲しくも印象的でした・・・  

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3 コメント

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なんかショックです。 (Maki)
2012-08-04 01:17:01
なんかショックです。
ブルガリアってヨーグルトのせいか長寿国なイメージがあったのに・・・。お年寄りが必ずしも元気に過ごしているわけではないんですね。
たしかに、ヴォリュームたっぶりのお食事、成人病になってもおかしくないんでしょうね。
関係ないですが、旅行中に知り合ったブルガリア人の女の子が、ヨーグルトについて、言ってました。
最近、ブルガリアのヨーグルトは、作り方が変わってしまってあまりおいしくない。日本のブルガリアヨーグルトの方が昔ながらの作り方をしているから、おいしいって。何のことかわかりますか?いや、私の英語ヒアリング能力が低いだけかもしれませんが。そんなことを言っていたような・・・。
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だいぶ前からの読者です。よく登場するエンカおば... (turu)
2012-08-09 23:48:40
だいぶ前からの読者です。よく登場するエンカおばあちゃんがお亡くなりになったと知り, いたたまれなくなり書き込みました(むうちえさんのブログを通して知っているだけなので変な感じですが)。

ご冥福をお祈りします。
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コメントいただいた皆様、相変わらず返事が遅くて... (むうちえ)
2012-08-21 18:03:57
コメントいただいた皆様、相変わらず返事が遅くて申し訳ありません。

Makiさん、こちらにまとめてお返事しますね。
ブルガリアのヨーグルト、いろいろな銘柄のものがありますが、ものによっては植物性の材料を使っていたり、ニシェステ(スターチ)で固めてあったりして必ずしも本物でないものも増えているようですね。だから日本の「明治ブルガリア」ヨーグルトのほうが本物、って事もアリかも。
ブルガリア人たちは、どの銘柄なら許せる、という基準を持っているようです。そして何より、本物の自家製ヨーグルト、それも羊、ヤギなど牛乳以外の材料ものもの手に入れるすべがありますしね

teruさん、お心遣いありがとうございます。エンカの件はほんの1例で、同じ病状でも日本では助けられて延命できる命、それも保険でカバーできている、ということなんでしょうか。いずれにせよ複雑な気持ちです。
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