MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

黄砂アレルギーと中国の大気汚染

2012年03月22日 | 季節
 先日、「僕は、花粉症じゃなくて黄砂アレルギーなのかもしれないな」と長男。
 「黄砂アレルギー」の特集記事を読んで、「自分はこれだな」と思ったみたい。

 そういえば、たしかに。
 我が家の家族は花粉症だと思ってたのだけど、花粉が多く飛散する日だから症状がひどいというわけでもない。
 息子たちが小さい頃通っていた耳鼻科の先生も「黄砂が飛ぶような日は注意!」「花粉症がひどくなるのは、粉じんや黄砂のせい」って言ってましたっけ。その当時は「ふーん」と本気で考えてこともなかったのですが、最近非常に気になります。

 黄砂アレルギーというのは、黄砂そのものがアレルギー症状を起こすわけではないのですね。
 黄砂が偏西風に乗って日本へ運ばれてくる途中で、いろいろなアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)がくっついてしまうんだそうです。
 しかも、黄砂は花粉よりも粒子が細かいので「ウイルス対策マスクのようなものでないと効果がない」ということで、花粉よりも非常に厄介。
 さらに困ったことに、黄砂が花粉と一緒になることでアレルギー症状がひどく出るようです。
 春になるとひどくなる「鼻水、のどの炎症、頭の重い感じ、肌荒れ、目の炎症」……。私も思い当たる症状がたくさん。


 毎年、韓国の「黄砂で健康被害」というニュース映像を見るたびに「ひどいなぁ」と思っていたのですが、日本でもだんだん黄砂飛散量が増えてきているというので本当に心配です。
 九州北部出身の知人は、高齢者にもぜんそくなど健康被害が出ていて「洗濯物は外に干せない」と言っていました。


 最近の研究では、中国の大気汚染が黄砂アレルギーの原因になっているというのが、はっきり分かってきているようです。
 しかも、昨年アメリカ大使館の大気調査で「PM2.5」という大気汚染物質の量の測定結果が、中国当局側の発表と大きく違っていたことが判明。「PM2.5」というのは直径2.5ミクロン以下の粒子状物質で、大きな健康被害をもたらすとして問題になっている物質です。
 実際、このアメリカ大使館の調査はインターネットで1時間ごとに発表されていて、最近はずっと「不健康」状態になっています。(「危険」という時間も少なくないです)この大気汚染物質が黄砂に乗って、日本へもやってくるとしたら……。
 今年の「全人代(全国人民代表大会)」では、「より環境保護を重視して大気汚染対策を講じる」という発表があったようですが、具体的には不透明ですし、どうなるかは分かりません。まだまだ数年、十数年(?)は黄砂汚染を覚悟しないといけないのかな。
 昨年は韓国で「黄砂から放射能物質」というニュースもありましたし、同様に中国の東側にある日本も注意が必要なのかもしれません。「越境汚染」「越境公害」は、自国だけが頑張ってもダメですものね。


 実際に大きなニュースになることは少ない「中国国内の大気汚染による健康被害・公害」ですが、未来を担う子どもたちだって、小さい子供がいるお母さんだって、あの大気の中で生活しているはずで……。
 みんな大丈夫なのかなぁ?
 もし経済成長を優先して国民の健康を犠牲にしているのだとしたら、未来が心配です。
 ここで、方針転換して中国が世界一のエコ大国になったら、素晴らしいでしょうね。

<黄砂アレルギー関連リンク>
【研究紹介】黄砂アレルギー - 大分県立看護科学大学
北京市内の大気汚染について- 在中国日本国大使館(2012年2月)
 「PM2.5」の健康への影響についても書かれています。
北京の大気汚染情報 - 在中国米国大使館のPM2.5観測データを転載(日本語版)
 アメリカ大使館の大気汚染調査を転載した民間のサイト。日本語です。
北京の大気汚染レベルは「軽微汚染」か?(2011年12月20日)- 国際環境経済研究所
黄砂情報提供ページ - 環境省・気象庁の共同情報サイト
黄砂情報 - 気象庁
肌のアレルギー、黄砂に含まれるニッケルが原因 - 読売新聞の医療サイト「yomiDr.」
コメント (2)
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