ベルギー小日記 家族っていいな

１１月２４日

盛りだくさんの一日は、まだまだ続きます。

私は、車の中でＫさんの拍手を思い出していました。

息子さんの演奏に対する、Ｋさんの一番最初の拍手

その拍手に、私はＫさんの息子さんに対する愛と尊敬を感じました。

Ｋさんと息子さんを見ていると、とても温かい気持ちになるのは

きっとこの、愛と尊敬を感じるからなのでしょう。

車はブリュッセルイスキアの代表である、Ｓさんのご実家に着き

私達はＳさん一家の心からの歓迎をうけました。

Ｓさんのご両親にお兄さん一家が出迎えてくれました。

去年もご招待を受けたそうで、もうみんな親戚の様に「Ｈatsume！」

が連発していました。

ママが朝から準備してくれていたお料理は、どれも本当に美味しく

今回の旅で初めて、ベルギー料理を口にした私達を大満足させて

くれました。

長ネギのスープは、帰ったら絶対作りうと思いました。

こんな美味しいママのお料理を食べて育ったＳさんだから、初女先生

の映像を観て、会ったことも無いのに人参の皮を抜いている先生の

姿に心響いたというのが分かる気がしました。

部屋にはママが描いたという絵が、何枚も飾ってありました。

ママの絵が素敵だというと、ママは厚いスケッチブックを持ってきて

初女先生に１枚１枚見せていました。

Ｓさんは、「ママもういいよ。」というような困った顔をして

ましたが、何気なくママの見せているスケッチブックに明かりが

あたるようにライティングしているのです。

こういう何気ない振る舞いに、家族の愛情が感じられ、私はここでも

また、温かい気持ちになりました。

パパも言葉は少ないけれど、この家は自分で作ったんだよと

教えてくれたり、ママは本箱が整理されてないのは、いつも

見ているからなのよと、整然と片付いているわけではないけれど

どこもかしこも、生活が感じられ、それがとても温かいのです。

私達はこの心からのおもてなしに、身も心も本当に満たされた

気持ちに成りました。

帰る時、階段の下に飾ってあった、写真の美しい女性がママだと

知って、この家族の素敵さを感じました。

若い美しい女性を、うっとりしているように見ているのは、

まぎれもなくＳさんのパパ。

この写真を誰もが見れるところに飾っているのです。

Ｓさん兄弟はこの両親の写真を見て育ち、今はお孫さん達も

若かったおじいちゃんたちの姿を、こうやって見ているのです。

家族っていいなー　人っていいなー

外へ出ると、みぞれが降っていましたが、寒さを感じませんでした。

ブリュッセルで感じた家族の愛が、私達を温かく包んでくれて

いたからでしょうか…