~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

谷内六郎と南桂子

2012-07-22 17:28:54 | 日記
先日、谷内六郎の記念切手が売りだされたので、さっそく買いに

行きました。

小さな切手の中に、谷内六郎の世界がありました。

昔から、谷内六郎の絵を観るたびに、この人の描く子供はどうして

こんなに寂しげなんだろうと、不思議でした。

お祭りも花火も海水浴も、子供にとってはどれも嬉しい晴れの日

なのに…

いつだったか展覧会に行った時、谷内六郎は幼少の時に喘息で

寝ていることが多かったというのを知った時、絵の中の

子供たちの寂しさが、谷内少年の寂しさだったんだなと思いました。

今日の日曜美術館は、南桂子でした。

私は、この版画家の名前は初めて聞きました。

でも、絵を観た途端「この人の絵だったのか」と以前観た

少女の瞳が頭に浮かんできました。

どの絵も、深い孤独の中にあるような少女の瞳

この悲しみは何処から来るのだろうと思っていたら、南さんは

子供の時に両親を失い、精神的には孤児のようだったと、

言われていたそうです。

幼い時の孤独はその人の人生に深い影を落とすものなの

でしょうか…

でも、その深い孤独を垣間見る時、自分の中にある悲しみや

孤独と共鳴するような気がします。

それは誰もが、心の底に抱えている深い悲しみで有り、孤独

なのかもしれません。

歳を重ねるごとに、谷内六郎と南桂子の寂しさが心に

響いてきます。

生きているとはそういうことなのでしょうか…



    人は、誰も生きない、

          このように生きたかったというふうには。

    どう生きようと、このように生きた。

          誰だろうと、そうとしか言えないのだ。

                      長田 弘
  
コメント
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